matsuda's blog

これからの医療における薬学の役割 薬学会近畿支部が10月に市民公開講座

日本薬学会近畿支部は、1051330~1530分に薬業年金会館(大阪・地下鉄谷町6丁目駅)で「これからの医療における薬学の役割-医療現場と創薬の立場から-」をテーマに市民公開講座を開催します。一般市民をはじめ、薬学を学ぶ学生あるいは薬学への進学を目指す高校生の来場も歓迎しています。

参加費不要(先着順120)で、申し込みは101日までに、往復はがき、FAXE-mailのいずれかで、住所、氏名、電話番号を明記の上、申し込むこと。

申込先:606-8501 京都市左京区吉田下阿達町 京都大学薬学部内

日本薬学会近畿支部市民公開講座係

E-mailykinki@pharm.kyoto-u.ac.jp

TEL&FAX0757617849

 

講演内容は次の通りです。

     「これからの医療における薬学の役割-臨床の立場から-」

神戸大学医学部附属病院薬剤部平井みどり教授

○「薬学からの挑戦 アルツハイマー病の根本治療薬の開発を目指す」

同志社大学脳科学研究科・神経疾患研究センター杉本八郎教授

2013/08/22(木) 12:51

後発医薬品品質確保対策事業検査結果報告書公表 厚生労働省

厚生労働省は、821日、平成24年度「後発医薬品品質確保対策事業」検査結果報告書を公表しました。

後発医薬品(ジェネリック医薬品)は先発医薬品と同等とされていますが、医療関係者の間で品質等について不安が払拭されていないなど、後発医薬品への信頼は未だ十分に高いとはいえない状況です。

厚生労働省は、安心して後発医薬品を使用できるよう、平成19年に「後発医薬品の安全使用促進アクションプログラム」を策定しました。

同プログラムに基づく取り組みの1つとして、平成20年度から「後発医薬品品質確保対策事業」を実施しており、今般、平成24年度の結果がまとまったため公表したものです。

 

事業の目的は後発医薬品の品質を確認することで、結果の概要は次の通りです。

 

事業内容:都道府県等の協力のもと、市場流通している後発医薬品を入手し、品質検査を実施。

検査品目:後発医薬品448品目22有効成分(ただし、参照品目として先発医薬品53品目22有効成分を含む)

検査内容:溶出試験(364品目16有効成分)、溶出試験以外の品質試験(定量試験、確認試験等)(84品目6有効成分)。溶出試験とともに定量試験を実施したものを含む。

検査結果:適合=447品目22有効成分、不適合=1品目1有効成分(溶出試験を行ったもの1品目1有効成分。後発医薬品。必要な措置実施済み)

実施期間:平成247月~平成253

協力機関:国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所、35都道府県

 

なお、平成23年度の同事業の結果は次の通りです。

検査品目:478品目19有効成分(溶出試験347品目13有効成分、溶出試験以外の試験131品目6有効成分。ただし、参照品目として先発医薬品58品目17有効成分を含む)

検査結果:適合=475品目19有効成分、不適合=3品目2有効成分(いずれも後発医薬品、必要な措置実施済み)

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000016052.html

2013/08/22(木) 11:10

救急の日及び救急医療週間でイベント 厚労省と消防庁

厚生労働省は、819日、平成25年度「救急の日」及び「救急医療週間」について発表しました。

救急医療に関する国民の知識及び技術の水準をより向上、充実させるためには、医療関係団体はもとより、民間団体や国民の協力をいただき、救急医療に関する普及啓発を図ることが不可欠です。

こうした趣旨のもとに、厚生労働省と消防庁は、毎年「救急の日」(99)及び「救急医療週間」を設定し、地方公共団体、日本医師会、日本救急医学会及び全国消防長会と協力して共催事業を行い、救急医療関係者の意識の高揚を図るとともに、救急医療及び救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めるための活動を行っています。

この救急医療週間の中央行事の一環として、「救急の日2013」を厚生労働省、消防庁、日本救急医学会及び日本救急医療財団の共催により、9810001800にダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場で開催します。

 

「救急の日2013」開催の目的は、

(1)「救急の日」(99)及び救急医療週間」(98~14)の活動の一環として、国民の救急、防災に対する意識の高揚を図る。

(2)救急・災害現場で活躍している医療関係者、救急救命士、救急隊員、ボランティア等の活動を広く国民に知らせることにより、救急医療、救急業務、小児救急、災害救助等に対する正しい理解の普及向上を図るとともに、救急車の適正な利用、自主防災思想の普及啓発を図る。

(3)救急蘇生法についての正しい知識、技能の普及啓発を図り、「いざ」という時、誰もが応急手当を行うことにより、傷病者の救命率の向上等に寄与する。

 

主催イベントは、

     タレント(佐藤弘道さん)による心肺蘇生法の実演など

9813001400AEDの使用を含む心肺蘇生法の実演など

     DMATイベント

9814001445、独立行政法人国立病院機構災害医療センターによる災害救急救助活動の実際と解説

 

開催期間中の展示及びアトラクションは、

(1)救急蘇生法パンフレットの配布

(2)パネル及びポスターの展示

(3)ビデオ上映並びに救急関係機器及び資材の展示

(4)救急蘇生法の実演及び実習指導

(5)救急救命処置等の実演

(6)防災起震車の展示・体験

(7)高規格救急自動車の展示

(8)ポンプ車の展示

(9)水陸両用車の展示

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000015402.html

2013/08/19(月) 17:20

スマートフォン用服薬管理アプリを薬剤師などに無償提供 日本BI社

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、89日より、スマートフォン用服薬管理アプリ「服薬Checker」を、薬剤師などを対象に無償提供を開始しました。iPhone/Android対応です。

これは、患者さんの服薬アドヒアランス向上と薬剤師の服薬管理をサポートするために開発されたスマートフォン用服薬管理アプリケーション「服薬Checker」を、薬剤師をはじめとする医療関係者を対象に無償提供するものです。

本アプリは、患者さんの処方薬の飲み忘れを防止するための支援ツールとして、日本ベーリンガーインゲルハイムが堀美智子先生(医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役)の監修のもと、「株式会社プラスアール」と共同開発したものです。

薬の飲み忘れには、薬の効果を十分に得られず、病気が重症化してしまったり、合併症を引き起こすなどの可能性があり、可能な限り防ぐ必要がありますが、「服薬Checker」は、薬を処方された患者さんのスマートフォンにアプリをダウンロードし、処方薬を予め登録することで、患者さんに服薬時間をアラームおよび画面上のアイコンで知らせます。

さらに、服薬により「かゆい」「尿が赤くなった」などの副作用が起きた場合に日付、時間を入力できる「症状記録」の機能も備えており、患者さんの副作用シグナルの検出もサポートします。服薬の履歴と身体症状の記録は、「服用チェック」画面で確認できます。日本ベーリンガーインゲルハイムが製造・販売する薬剤については、予め薬剤名や服薬量、服薬時の注意点や患者指導せんが登録されています。

この「服薬Checker」は、「副作用シグナルCHECKER」に引き続き、日本ベーリンガーインゲルハイムが薬剤師をはじめとする医療関係者を対象に無償提供する2つ目のスマートフォン用アプリです。日本ベーリンガーインゲルハイムでは、今後も「BIファーマシストアワード」をはじめとした薬剤師への支援活動を継続していきます。

なお、「服薬Checker」は、ベーリンガーインゲルハイムのウェブサイトにアクセスし、ナビゲート先のApple StoreおよびGoogle Play Storeの該当ページから無償でダウンロードできます。また、同社MRが配布する告知リーフに記載されたQRコードを読み取り、各ストアからダウンロードすることも可能です。

 

http://www.boehringer-ingelheim.jp/

2013/08/19(月) 11:38

医療提供体制のあり方で日本医師会と四病院団体協議会が合同提言

日本医師会と四病院団体協議会は、88日に合同記者会見を行い、「医療提供体制のあり方」について合同提言を行いました。

提言は、1.基本方針、2.かかりつけ医、3.医療・介護の再編で構成され、「基本方針」では、「日本医師会・四病院団体協議会は、医療提供体制のあり方については、全国画一的な方向性を目指すのではなく、地域の実情にあわせて構築していくべきであると考える。地域住民が、地域の実情に応じて安心して医療を受けられるようにするためである。」として基本方針を示しています。

 

医療提供体制構築に向けての基本方針

 

1.目前の超高齢社会にあっても、世界最高水準の健康水準を守り、国民の生活の安心を支えるため、国民とビジョンを共有しながら、新たな時代にふさわしい体制構築に向けて、国民とともに取り組む。

2.このため、発症からリハビリテーション、在宅復帰支援までどのような病期にあっても、患者の病態にあわせて、最善の医療を切れ目なく提供する体制を構築する。

3.患者の命を守る質の高い医療を目指すとともに、生活の質を重視し、患者を支える医療を実践する。このため、地域の医療・介護・福祉との連携の下、地域包括ケアシステムの実現に向けて、在宅医療を含めた地域特性にあわせた柔軟な医療提供体制を構築する。

 

上記基本方針を掲げるに当たっての、考え方を表明しておきたい。

我が国は、WHOにおいても世界最高の保健医療水準と評価されているが、医療介護に対するニーズの急激な増大の一方で医療現場は負担の増大など様々な問題が顕在化しており、今後の超高齢社会において引き続きこの水準を維持し、国民の期待に応え続けていくことは決して容易なことではない。

しかし、75歳以上人口が急速に増加する2025年までに残された時間は少なく、必要な体制構築は、医療界だけではなく、まさに国民的、国家的課題と言える。重要なことは、医療提供者、国民、行政の三者が将来の姿のビジョンを共有しながら一体となって取り組むことである。

特に、従来の医療提供体制が急性疾患モデルを中心としたものだったのに対して、今後増大する慢性疾患モデルでは急性期対応後のリハビリテーションや治療、重症化予防を視野に入れた体制が不可欠となっている。この受け皿づくりと流れの道筋づくりに関係者が一致して取り組まなければならない。国民の理解も不可欠である。

これは病院だけの改革ではなく、「かかりつけ医」と病院の連携が必要になり、さらに介護、地域サービスとの連携も必要になる。現在、「地域包括ケア」の重要性が叫ばれているが、医療提供者としても積極的に参画していくものである。

このような、ビジョンと改革実行には、医療提供者の自主的取り組みに加え、制度的、財源的支援は必要不可欠である。

中長期的なビジョンと医療法をはじめとする制度的枠組みの整備、枠組みに沿った医療機関の自主的な改革努力と機能強化等に対する公的支援、必要な体制構築に取り組む全ての医療機関の経営努力を公平に支える適切な診療報酬体系の実現、及びこれらのための財源措置を強く求めたい。

 

http://www.med.or.jp/

2013/08/16(金) 14:38

ファイザーがエスタブリッシュ医薬品の認知度調査

ファイザー株式会社は、812日、「エスタブリッシュ医薬品の認知度調査」の結果を発表。エスタブリッシュ医薬品の認知度は薬剤師が約9割、医師が約5割であったことなどを明らかにしました。

ファイザーは、2013624~25日に、全国の医師と薬剤師約650名を対象に、エスタブリッシュ医薬品の認知度調査について、インターネット調査を実施しました。この認知度調査は、医師と薬剤師がエスタブリッシュ医薬品についてどの程度の認識をしているのか、その実態を把握することを目的に2年前より実施しているもので、医師は勤務医と開業医、薬剤師は病院薬剤師と調剤薬局勤務の薬剤師のカテゴリーに分けて定期的に行っています。

エスタブリッシュ医薬品とは、医療現場で長く使われている標準的な治療薬のことで、特許期間が満了した先発医薬品(長期収載品)と後発医薬品(ジェネリック)が含まれます。ファイザーでは、エスタブリッシュ医薬品事業部門を3年前に設立し、20131月からは、マイラン製薬との業務提携を開始、販売移管が完了する年末には後発医薬品を300製品以上発売する予定となっています。

エスタブリッシュ医薬品の認知度調査は、一昨年6月に実施して以来、今回の調査が4回目となります。この結果、医師は前回調査からあまり認知度は変化せず、薬剤師では更に認知度が増加していることが分かりました。サンプル数は合計646名、調査対象はm3.com会員医師および薬剤師です。

医師では、勤務医の162名中49% (2012年の前年同期より2ポイント減)、開業医は161名中47%(増減なし)の認知度があり、1年前に調査した結果とほぼ同等の認知度となっています。

薬剤師では、病院内薬局、調剤薬局ともに認知度が増加しており、90%を超える認知度となっています。病院内薬剤師は164名中92%(2012年の前年同期より3ポイント増)、調剤薬局薬剤師は159名中93%(8ポイント増)の認知度でした。前年と比較して、「詳しく知っている」、「おおよそ知っている」の割合が増加し、「名前程度は知っている」の割合が減少していることから、より理解が進んだと考えられます。

また、この調査と同時に行ったジェネリック医薬品に対する現在の満足度については、医師、薬剤師合わせて「満足」、「ほぼ満足」が最も多かった項目は「患者の経済的負担」で、「やや不満」、「不満」が最も多かった項目は、「MRからの情報提供」でした。次いで、「MR以外からの情報提供」、「安定供給の可否」となっています。

 

http://www.pfizer.co.jp/pfizer/index.html

2013/08/16(金) 12:49

全国13ヵ所で薬局経営者向けセミナー 日本保険薬局協会

日本保険薬局協会(NPA)は、9月から全国13ヵ所で薬局経営者向けセミナーを開催します。このセミナーは、会員、非会員を問わず参加できます。

テーマは「保険薬局の経営課題と今後の展望~地域から信頼される薬局運営を目指して~」で、演者は日本保険薬局協会中村勝会長(クオール株式会社代表取締役社長)です。

開催は、93日が福岡、95日が東京、910日が高松、918日が郡山、924日が横浜、927日が札幌、102日が大阪、103日が広島、107日が大宮、108日が仙台、1018日が新潟、1021日が名古屋、1023日が長野で、時間はいずれも18:00~20:00(札幌のみ16:00~18:00)です。

 

http://www.nippon-pa.org/

2013/08/15(木) 12:00

医薬部外品及び化粧品の白斑等の副作用に関する自主点検で通知 厚生労働省

厚生労働省は、88日、「医薬部外品及び化粧品の白斑等の副作用に関する自主点検」について、各都道府県衛生主管部()長宛に通知しました。

通知の要旨は次の通りで、通知の写しは日本化粧品工業連合会など業界団体宛送付しています。

 

ロドデノールを配合した薬用化粧品(医薬部外品)の使用者において、関連性が否定できない白斑が生じていることから、平成257月より、製造販売業者による自主回収が行われています。

医薬部外品又は化粧品による健康被害の情報、例えば、がん、過敏症、皮膚障害等の保健衛生上注意を要する有害な作用が起こること又はその可能性のあることを疑う情報を医療関係者から入手した場合には、「医薬部外品又は化粧品にかかる研究報告について」(平成23824日付け薬食安発08241号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)により、この事実を示す報告書類を社内においてとりまとめ、当該報告書類を研究報告として、薬事法の規定に基づき期限内に報告するよう求めています。

つきましては、医薬部外品又は化粧品の製造販売業者は、平成2598日までに、白斑に関する情報の有無について自主点検を行い、自主点検の結果、必要に応じて研究報告を行うとともに、必要な安全措置対応を実施するよう、管下の関係業者に対し周知徹底方よろしくお願いします。

また、その他保健衛生上注意を要する有害な作用についても同様に自己点検をお願いします。

2013/08/09(金) 15:02

一般用医薬品販売制度定着状況調査結果で見解 日本薬剤師会

日本薬剤師会は、87日、「平成24年度一般用医薬品販売制度定着状況調査」結果について、都道府県薬剤師会会長宛に通知し、「調査結果によると、第一類医薬品販売時の薬剤師による情報提供について、過去の同調査に比して、その実施率は上昇しているものの、実施率は約6割であり、制度の定着に向けての努力は未だ不十分であると受け止めざるを得ません」とし、今回の調査結果を重く受け止め、次の見解をとりまとめたことを明らかにしました。

見解は次の通りです。

 

726日、厚生労働省から「平成24年度一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果が公表されました。

今回公表された調査結果では、全体として制度の定着が進みつつある傾向は示されているものの、第一類医薬品販売時の薬剤師による文書を用いた情報提供について、過去の同調査に比してその実施率は上昇しているものの、約6割でありました。

本会ではこれまで、都道府県薬剤師会における薬局体制の相互点検や、医薬品販売制度の遵守徹底と新しい医薬品販売制度の意義に関する国民理解の向上を目的とした会員薬局等でのポスターの掲示や、特に第一類医薬品の書面を用いた情報提供の徹底等、改善に向けて取り組んでまいりました。しかし、このような現状では、薬事法の遵守という観点のみならず、医薬品適正使用の確保を担う薬剤師としての職能発揮という側面からも重く受け止めなければなりません。

また本会では、こうした調査結果の背景には、薬局・店舗における実施状況が不十分であることはもとより、国民や生活者にその実施内容が「伝わっていない」という点も少なからずあるのではないかと受け止めております。

本会では今後、薬局・薬剤師の業務について、国民にそのメリットを実感していただけるよう、業務の「見える化」に着目した会員行動を展開していく予定です。一般用医薬品の販売時における症状などの確認や情報収集・提供をはじめ、疑義照会業務や薬歴・お薬手帳を活用した薬学的管理、後発医薬品に対する理解と使用促進などについて重点的に取り組み、国民が薬局・薬剤師から医薬品を受け取ることのメリットを実体験していただくための活動に取り組んでまいります。

去る614日に閣議決定された「日本再興戦略」において、一般用医薬品のインターネット販売を認めるとの基本方針が示されましたが、本会としては、医薬品の供給においては、対面による観察・確認、適切な情報提供が最良の方法であると考えております。

また同戦略では、予防・健康管理に薬局・薬剤師の活用が取り上げられています。私たち薬剤師は、地域において薬局・店舗等が、健康づくりに関して身近で気軽に専門的な支援が受けられる拠点となり、地域住民のセルフメディケーションを推進するとともに、その重要なツールである一般用医薬品を、国民が安心・安全に使用できるよう、更なる努力をしていく所存です。

 

http://www.nichiyaku.or.jp/

2013/08/09(金) 14:24

社会保障制度改革国民会議報告書で見解 日本医師会

日本医師会は、85日、「社会保障制度改革国民会議報告書」をうけて見解を発表しました。7日の記者会見でも同様に明らかにしました。

内容は次の通りです。

 

85日に第20回社会保障制度改革国民会議が開催され、報告書がまとまりました。

そもそもこの社会保障制度改革国民会議は、昨年の三党合意による「社会保障と税の一体改革」の国会成立を受けて設置されたものですが、医療界全体をリードする唯一の団体である日本医師会の参加が認められなかったことは極めて遺憾でありました。

社会保障と税の一体改革は、言うまでもなく消費税を段階的に引き上げるという「痛み」を国民に求める代わりに、医療、介護をはじめとする社会保障制度を「維持、充実させる」ために、その方向性を打ち出すことが目的でした。

日本医師会は、政策の判断基準として「国民の安全な医療に資する政策か」、「公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策か」の2つに重点を置いています。

医療をはじめとする社会保障政策を実行するに当たっては、効率性のみではなく、公平性の観点も必要です。国民が所得によって受けられる医療に差がない国民皆保険体制を堅持することが必要であると考えています。

今回の報告書では、70歳から74歳の医療費窓口負担の特例を廃止することによる受診抑制や、入院時の食事の自己負担の増加といった患者負担の増加につながるものが提言されており、国民にさらなる負担を強いるものであります。また、医療提供体制の過度な機能分化や、医療法人制度の過度な見直しは、全国一律に行えば、地域医療の混乱を招きかねません。さらには、要支援者に対する介護予防給付を段階的に市町村事業へ移行する等により、重度化を予防する観点からサービスの質の低下が懸念されるなど、問題も多くあります。

一方、日本医師会が求めてきた国民皆保険の保険者の広域化(都道府県移行)や、所得に応じた負担、さらには「各2次医療圏における将来の性別、年齢階級別の人口構成や有病率等のデータを基に各地域における医療ニーズを予測し、各地域の医療提供体制がそれに合致しているかを検証した上で、地域事情に応じた先行きの医療・介護サービス提供体制のモデル像を描いていくこと」が今後進められることについて、高く評価したいと思います。

 

http://www.med.or.jp/

2013/08/09(金) 11:56