matsuda's blog

2019年6月

31年1月の調剤医療費の動向を公表 厚生労働省

厚生労働省は、626日、最近の調剤医療費(電算処理分)の動向として平成311月分を公表しました。

(1)   平成311月の調剤医療費(電算処理分)6,252億円(伸び率:対前年度同期比▲0.4%)で、処方箋1枚当たり調剤医療費は8,739(伸び率▲2.9%)であった。調剤医療費の内訳は、技術料が1,635億円(伸び率+2.9%)、薬剤料が4,606億円(伸び率▲1.5%)で、薬剤料のうち、後発医薬品が871億円(伸び率+1.5%)であった。

(2)   薬剤料の多くを占める内服薬の処方箋1枚当たり薬剤料5,193(伸び率▲3.5%)を、処方箋1枚当たり薬剤種類数、投薬日数、1種類1日当たり薬剤料の3要素に分解すると、各々2.83種類(伸び率▲0.4%)22.8(伸び率+1.3%)81(伸び率▲4.4%)であった。

(3)   薬剤料の多くを占める内服薬3,715億円(伸び幅:対前年度同期差▲37億円)を薬効大分類別にみると、総額が最も高かったのは「循環器官用薬」の664億円(伸び幅▲91億円)で、伸び幅が最も高かったのは「化学療法剤」の+65億円(総額283億円)であった。

(4)   処方箋1枚当たり調剤医療費を都道府県別にみると、全国では8,739(伸び率▲2.9%)で、最も高かったのは北海道10,565(伸び率▲2.7%)、最も低かったのは佐賀県7,497(伸び率▲2.1%)であった。また、伸び率が最も高かったのは大分県(伸び率▲0.7%)、最も低かったのは福井県(伸び率▲7.5%)であった。

後発医薬品の使用状況については、後発医薬品割合は数量ベース(新指標)77.5%(伸び幅+5.6%)、薬剤料ベースが18.9%(伸び幅+0.6%)、後発品調剤率が75.6%(伸び幅+3.4%)であった。なお、数量ベース(旧指標)では54.0%(伸び幅+4.6%)であった。数量ベース(新指標)は、「後発医薬品の数量」/「後発医薬品のある先発医薬品の数量」+「後発医薬品の数量」で算出。

後発医薬品の都道府県別状況をみると、処方箋1枚当たり後発医薬品薬剤料は全国1,218円で、最高が北海道1,635円、最低が佐賀県1,027円、処方箋1枚当たり後発医薬品薬剤料の伸び率は全国▲1.1%円で、最高が徳島県+1.9%、最低が福井県▲8.0%、新指標による後発医薬品割合(数量ベース)は全国77.5%で、最高が沖縄県86.4%、最低が徳島県70.3%、後発医薬品割合(薬剤料ベース)は全国18.9%で、最高が鹿児島県22.5%、最低が徳島県16.7%、後発医薬品調剤率は全国75.6%で、最高が沖縄県83.1%、最低が東京都70.8%、旧指標による後発医薬品割合(数量ベース)は全国54.0%で、最高が沖縄県63.3%、最低が徳島県49.2 %となっている。

 

https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/c-med/2019/01/

2019/06/26(水) 16:34

セルフメディケーション税制に関する生活者16万人調査発表 日本OTC医薬品協会・日本一般用医薬品連合会

日本OTC医薬品協会・日本一般用医薬品連合会は、624日、セルフメディケーション税制に関する生活者16万人調査について発表しました。認知度は71.3%に向上しているものの、利用意向は11.0%にとどまっており、利用拡大には対象品目拡大と下限引き下げが有効としています。

日本OTC医薬品協会と日本一般用医薬品連合会等の関連団体は、セルフメディケーション税制(セルメ税制)に関する生活者調査を2016年から継続的に実施しています。5回目となる今回は、16万人の規模で確定申告の時期に実施しました。また、同税制の利用者等の健康意識と行動変容、医療費への影響を調査するために、3群(セルメ税制利用群、利用予備群・下限超え、利用予備群・下限未達)に区分した調査も実施しました。

調査の結果、セルメ税制の認知度は、全世代で向上し71.3%に達したことが確認できましたが、一方、セルメ税制を「利用したい」と回答した人は11.0%にとどまり、今後認知が進んでも利用拡大は見込みにくい状況にあることが示唆されました。

セルメ税制を利用する上での改善ニーズとしては、セルメ税制利用群では、「申告対象の製品が全OTC医薬品に拡大すること」が高く、セルメ税制利用予備群では、「下限金額が下がること」でした。現行制度を見直しする場合、これまでの調査と同様に「対象品目の拡大」と「下限金額の引き下げ」の優先度が高いと考えられます。

仮に、対象品目を全OTC医薬品に拡大した場合、セルメ税制利用予備群の利用拡大により、利用者数は167千人増加し、減税規模は73千万円が上乗せされると推計され、更に対象品目の拡大に加えて、下限額を0円にした場合、877千人増加し、減税規模は23億円の上乗せになると見込んでいます。なお、控除する下限額を0円にした上で、12千円超の購入条件を付加した場合、218千人の増加、減税規模127千円の上乗せにとどまると推計されます。

セルメ税制利用群と利用予備群の健康意識と行動レベルは総じて高いことが確認できましたが、反対にセルメ税制を認知していない群では総じて低いことがわかりました。セルメ税制の認知度の向上は利用者増には結びついていないものの、セルフメディケーションの意識を高めることに寄与していると考えられます。

医療費との関係をみると、セルメ税制利用群では、2017年よりも2018年の医療費が減少したと回答した人が多く、OTC医薬品の使用増も確認できました。

日本OTC医薬品協会、日本一般用医薬品連合会等の関連団体では、今回の調査結果を踏まえて、セルメ税制をより使いやすい制度に改善すべく、生活者のニーズである「対象品目の拡大」、「下限金額の引き下げ」等を中心とする税制改正要望を、今夏、厚生労働大臣に提出する予定です。

 

http://www.jsmi.jp/

https://www.jfsmi.jp/

2019/06/25(火) 15:12

セルフメディケーションの日シンポジウムを7月24日に東京で開催 日本OTC医薬品協会

日本OTC医薬品協会は、健康寿命延伸に向けた取り組みとして、72414:00~17:00に「自分の健康を知り、自分で守るために」をテーマに、「セルフメディケーションの日 シンポジウム」を開催します。17日から受付を開始しました。

コーディネーターは東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)「自分で守る健康社会」機構長池浦富久氏で、登壇者は、厚生労働省健康局健康課長武井貞治氏、日本薬剤師会常務理事渡邉和久氏、日本チェーンドラッグストア協会事務総長今西信幸氏、聖路加国際大学大学院看護学研究科教授中山和弘氏、日本OTC医薬品協会副会長野上麻理氏で、コーディネーターによる基調講演に続いて、パネリスト発表、パネルディスカッションが行われます。

会場は、東京都中央区日本橋室町の野村コンファレンスプラザ6階です。

 

http://www.jsmi.jp/event/2019/0724.html

2019/06/20(木) 16:15

「体内時計研究の医療応用」&「薬のすがたが語ってくれること」 日本薬学会関西支部が市民公開講座を開催

日本薬学会関西支部(近畿支部より名称変更)は、92214~16時に大阪市北区・大阪工業大学梅田キャンパスOIT梅田タワー・セミナー室で市民公開講座を開催します。

講演は、九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野/グローカルヘルスケア分野・小柳悟教授の「体内時計研究の医療応用」及び神戸薬科大学宮田興子学長の「薬のすがたが語ってくれること」です。

 

「体内時計研究の医療応用」

睡眠・覚醒のサイクルやホルモン分泌など様々な身体機能には24時間周期の変動が認められ(体内時計)、薬の効果や副作用にも影響を及ぼします。この講座では体内時計の仕組みと、それを応用した上手な薬の使い方について紹介します。

「薬のすがたが語ってくれること」

薬をマクロの世界で眺めると、錠剤、湿布剤、注射剤などいろいろな剤形があります。ミクロの世界にズームインすると、主な作用を示す薬はいろいろな形をした化合物であることがわかります。化合物の姿と薬の作用の関係はどのようになっているのでしょうか。また、類似の姿でも作用において異なる部分があるのでしょうか。例をあげて述べます。

 

参加費は不要で、定員は120名(先着順)。申し込みは、919日までにホームページ、E-mailFAX、往復葉書のいずれかで、「922日聴講希望」と記載し、氏名・電話番号・薬剤師の場合は薬剤師免許番号(FAXで申し込む場合はFAX番号も)を明記の上、連絡先へ申し込むこと。

連絡先:〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町 京都大学薬学部内 日本薬学会関西支部事務局 

E-mailykinki@pharm.kyoto-u.ac.jp

TEL/FAX075-761-7849

http://shibu.pharm.or.jp/kansai

なお、日本薬剤師研修センターの1単位が認定されます。但し、事前申し込み及び当日受付時に薬剤師免許番号を提示した方に限ります。

 

2019/06/19(水) 10:26

医療関係者向けに原薬製造国情報の提供を開始 東和薬品

東和薬品は、66日、医療関係者向けサイト(https://med.towayakuhin.co.jp/medical

)において原薬製造国に関する情報の提供を開始したことを発表しました。

同社は、これまでにも原薬の品質確保と製品の安定供給のための原薬確保に対し、様々な取り組みを行なってきましたが、この度、医療関係者により安心して同社製品を使用してもらうために、同社製品の原薬製造国に関する情報を提供することとしました。なお、同社が使用する原薬のうち、製造国が日本の割合は54.7%です。

同社では、原薬調達の際、調査、評価、協議を経て、適正な原薬製造所を選定する体制を構築しており、原薬製造所評価では、GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)を含む医薬品医療機器法に則った製造がなされているか定期的に実地調査を行なっています。

また、万が一のリスクに備え、原薬の在庫積み増しや1つの原薬を複数のメーカーから調達する複数購買にも取り組み、恒常的に製品の安定供給を行えるように管理しています。

 

https://www.towayakuhin.co.jp/

2019/06/11(火) 15:20

医療機関向け多言語医療遠隔通訳サービス事業開始 大阪府

大阪府は、610日より、医療機関向け多言語医療遠隔通訳サービス事業を開始しました。

外国人患者の受入れが円滑に進むよう、環境整備の一環として医療機関を対象に多言語遠隔医療通訳サービスを開始したもので、対象医療機関は、大阪府外国人患者受入れ拠点医療機関・地域拠点医療機関、救急告示医療機関、措置入院患者受入医療機関、休日夜間診療所のうち、利用登録を行った医療機関です。

サービス受託業者は株式会社東和エンジニアリング 東和通訳センターMedi-Wayで、サービス内容は、受付や診療等における専用回線による通話での医療通訳(通話料は医療機関負担)です。サービスは24時間365日提供されます。対応言語は英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語です。

 

http://www.pref.osaka.lg.jp/hokeniryokikaku/osakagaikokujiniryo/gaikokujincallcenter.html

2019/06/11(火) 15:13

医療事故の再発防止に向けた提言「入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の分析」公表 日本医療安全調査機構

一般社団法人日本医療安全調査機構は、64日、医療事故の再発防止に向けた提言(第9号)「入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の分析」を公表しました。

日本医療安全調査機構は、201510月より開始された医療事故調査制度に基づき、医療事故調査・支援センターとして医療の安全を確保し医療事故の再発防止を図ることを目的に取り組んでいますが、このたび、医療事故調査制度の開始から38か月が経過し、医療事故調査・支援センターとして第9号の再発防止に向けた専門分析部会提言書をまとめました。制度開始から201812月までの33か月間に院内調査が終了し、医療事故調査・支援センターに報告された院内調査結果報告書は908件となりました。

9号の分析課題(テーマ)としては「入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例」を取り上げました。対象事例は、医療事故調査制度において報告された11事例です。転倒・転落による頭部外傷により死亡する事態に至った事実の重大性に鑑み、今回の提言をまとめました。

【転倒・転落後の診断と対応】

提言1:転倒・転落による頭部打撲(疑いも含む)の場合は、受傷直前の意識状態と比べ、明らかな異状を認めなくても、頭部CT撮影を推奨する。

急速に状況が悪化し、致命的な状態になる可能性があるため、意識レベルや麻痺、瞳孔所見などの神経学的所見も観察する。

提言2:頭部打撲が明らかでなくても抗凝固薬・抗血小板薬を内服している患者が転倒・転落した場合は、頭蓋内出血が生じている可能性があることを認識する。

初回CTで頭蓋内に何らかの出血の所見が認められる場合には、急速に増大する危険性があるため、予め時間を決めて(数時間後に)再度、頭部CTを撮影することも考慮する。

提言3:頭部CT上、出血などの異常所見があれば、脳神経外科医師の管理下に迅速に手術ができる体制で診療を行う。

常勤の脳神経外科医師がいない病院や時間帯では、迅速に対応できるよう脳神経外科手術が可能な病院へ転送できる体制を平時から構築しておく。

【転倒・転落時に頭部への衝撃を和らげるための方法】

提言4:ベッド柵を乗り越える危険性がある患者に対して、ベッドからの転落による頭部外傷を予防するため、衝撃吸収マット、低床ベッドの活用を検討する。また、転倒・転落リスクの高い患者に対しては、患者・家族同意のうえ、保護帽の使用を検討する。

【転倒・転落リスク】

提言5:転倒・転落歴は、転倒・転落リスクの中でも重要なリスク要因と認識する。また、認知機能低下・せん妄、向精神薬の内服、頻尿・夜間俳諧行動も転倒・転落リスクとなる。

提言6:転倒・転落リスクの高い患者への、ベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤をはじめとする向精神薬の使用は慎重に行う。

【情報共有】

提言7:入院や転棟による環境の変化、治療による患者の状態の変化時は、転倒・転落が発生する危険が高まることもあるため、病棟間や他部門間、各勤務帯で患者の情報を共有する。

【転倒・転落予防に向けた多職種の取り組み】

提言8:転倒・転落リスクが高い患者に対するアセスメントや予防対策は、医師や看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士などをふくめた多職種で連携して立案・実施できる体制を整備する。

 

https://www.medsafe.or.jp/

2019/06/06(木) 15:04