開発途上国向けの新薬開発支援で日本初の官民パートナーシップ結成
厚生労働省は、4月8日、「開発途上国向けの新薬開発を支援する日本初の官民パートナーシップ」の結成を発表しました。
厚生労働省は、国連開発計画(UNDP)への拠出を通じ、4月8日に設立された一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund、GHT Fund)と連携し、開発途上国向けの医薬品の研究開発支援を行います。
結核やマラリア、熱帯地域を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症である「顧みられない熱帯病(NTD)」などの治療薬の研究開発は、先進国において需要が少ないなどの理由から充分になされていません。国際社会では、政府や民間団体、製薬会社が協力して、開発途上国において人々が安価で必要不可欠な医薬品を入手できるようにすることが求められています。
厚生労働省では、そうした開発途上国向けの医薬品の研究開発と供給支援を官民連携で促進するために、外務省とともに平成24年度補正予算において、それぞれ7億円を国連開発計画(UNDP)に拠出しています。
今後は、UNDPとGHT Fundが連携して、国際保健分野での貢献を行うことによって、日本の製薬産業の国際展開の下支えを図ります。
※ 熱帯地域を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症は、先進国から主要な疾患と考えられてこなかったことから、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases、NTD)と呼ばれています。世界保健機関(WHO)では、住血吸虫症、シャーガス病、リーシュマニア症など17疾患群をNTDと定義しています。
※ 2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言を基にまとめられたミレニアム開発目標(MDGs)で、2015年までに達成すべき8つの目標が掲げられ、そのうち目標8「開発のためのグローバルなパートナーシップの推進」のターゲットにおいて、「製薬会社と協力して、開発途上国において人々が安価で必要不可欠な医薬品を入手できるようにする」とされています。