matsuda's blog

2011年2月

厚生労働省が病院立入検査結果公表

厚生労働省は、221日、「医療法第25条に基づく立入検査結果」として、平成21年度に各都道府県等が実施した医療法に基づく病院への立入検査の結果を公表しました。

 医療法第25条の規定に基づく立入検査は、病院が医療法及び関連法令により規定された人員及び構造設備を有し、かつ、適正な管理を行っているか否かについて検査することにより、病院を良質で適正な医療を行う場にふさわしいものとすることを目的とするもので、今回は、平成2141日~平成22331日に、医療従事者数、診療録などの管理状況、安全管理の体制確保などを検査しました。実施病院数は8,214施設で、立入検査結果のポイントとして、「医療従事者(医師・看護師・薬剤師)の医療法に基づく標準数に対する適合率は前年度より増加」としています。

 立入検査の実施は、8,741施設中8,214施設で実施率は94.0%です。

 病院全体の立入検査の結果は、大項目別では、①医療従事者数:34,760項目中適合項目33,203項目、遵守率95.5%、②管理:278,254項目中適合項目270,294項目、遵守率97.1%、③帳票・記録:40,810項目中適合項目39,904項目、遵守率97.8%、④業務委託:53,786項目中適合項目53,044項目、遵守率98.6%、⑤防火・防災体制:24,535項目中適合項目24,113項目、遵守率98.3%、⑥放射線管理:107,130項目中適合項目106,828項目、遵守率99.7%、合計:539,275項目中適合項目527,386項目、遵守率97.8%となっています。

 医師数の適合率は、立入8,211施設中適合7,390施設、適合率90.0%。適合率増減は1.7ポイント増です。地域別適合率は、ブロック別では東日本(東海以東)88.0(2.0ポイント増)、西日本(近畿以西)92.0(1.3ポイント増)で、地域別では北海道・東北77.8(4.7ポイント増)、関東94.4(1.5ポイント増)、北陸・甲信越86.6(1.7ポイント増)、東海92.6(0.5ポイント減)、近畿95.5(0.2ポイント減)、中国89.8(2.4ポイント増)、四国87.9(3.1ポイント増)、九州91.3(1.4ポイント増)。病院種別では一般病院が89.4(1.9ポイント増)、精神病院が93.4(0.2ポイント増)です。

看護師等数(準看護師も含む)の適合率は、立入8,214施設中適合8,152施設、適合率99.2%。適合率増減は0.3ポイント増です。地域別適合率は、ブロック別では東日本99.0(0.7ポイント増)、西日本99.5(増減なし)で、地域別では北海道・東北99.5(1.0ポイント増)、関東98.4(0.5ポイント増)、北陸・甲信越99.2(0.5ポイント増)、東海99.3(0.5ポイント増)、近畿99.2(0.4ポイント増)、中国99.4(0.3ポイント減)、四国99.3(0.7ポイント減)、九州99.8(増減なし)です。

薬剤師数の適合率は、立入8,214施設中適合7,753施設、適合率94.4%。適合率増減は0.7ポイント増です。地域別適合率は、ブロック別では東日本94.3(0.5ポイント増)、西日本94.5(0.8ポイント増)で、地域別では北海道・東北91.3(1.5ポイント増)、関東95.5(0.2ポイント減)、北陸・甲信越94.9(0.2ポイント増)、東海96.0(0.7ポイント増)、近畿98.1(0.4ポイント増)、中国90.8(0.1ポイント増)、四国96.1(3.0ポイント増)、九州92.7(0.8ポイント増)です。

 

 詳細は下記リンク先へ。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000011t0t.html

 

2011/02/28(月) 00:00

大阪府薬剤師会がHPで一般薬のインターネット等規制緩和反対

日本薬剤師会は、行政刷新会議で検討されている「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」に反対する署名活動を行うこととし、221日付で都道府県薬剤師会会長宛に通知しましたが、大阪府薬剤師会では、25日、ホームページに独自の「大阪府薬剤師会は一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和に反対です」とのコーナーを設け、反対の署名活動を開始しました。

大阪府薬剤師会では、次の通り、その理由を示しています。

 

医薬品は使用する人の状況によって個人差があるため、その適正使用に当たっては、患者さんの個々の状況・状態を十分に情報収集し把握した上で、販売すべきであり、医薬品は有効性と安全性を確保した上で、適正に使用することが肝要です。

インターネット等を用いた医薬品販売においては、対面販売に比べ患者さんの状態等十分な情報が得られず、患者さん個々の状態に応じた情報提供がなされるとは限りません。

 また、医薬品の販売における利便性の確保は安全性の確保が前提のもとで求めていかなければなりません。

薬剤師等の専門家による対面販売によって、個々の患者さんに応じた的確な医薬品の販売や医療機関への受診勧奨を行うことで、適切な医療を確保することができると考えます。

以上の理由で一般用医薬品のインターネット等販売規制緩和に反対しておりますので、皆様方のご理解とご協力をお願いいたします。

また、「全国薬害被害者団体連絡協議会」でも国民の安心、安全性確保の立場からインターネット販売の規制緩和を強く懸念し、本署名活動を行っております。

2011/02/25(金) 15:48

富山県が県HPに県内製薬企業の受託希望情報掲載

富山県は、「富山のくすり」として300年以上の歴史を持つ薬業県で、県くすり政策課では、最近では、「医薬品研究開発の支援」、「スイス・バーゼルとの薬を介した国際交流の支援」、「配置薬業の活性化」、「ジェネリック医薬品の利用促進」、「治験の推進」、「薬局機能充実・強化の支援」を施策の柱として事業展開していますが、このほど県内製薬企業の受託希望情報の県ホームページへの掲載を開始することになり発表しました。

これは、同県医薬品産業の更なる発展に向けて、県のホームページに県内製薬企業の受託製造希望を掲載し、情報発信することとしたものです。

現在、同県の医薬品産業は、平成17年の薬事法改正による医薬品製造のアウトソーシングの完全自由化に伴う受託製造の増加等から、医薬品生産金額が大幅に増加(全国順位:平成17年第8位→平成21年第2)するなど好調に推移しています。

県では、同県医薬品産業の更なる飛躍に向けて、受託製造の一層の増加を目指すため、県のホームページ(くすり政策課のページ)に県内製薬企業の受託製造希望情報を掲載し、県内外の製薬企業や関係機関に発信することにしたものです。

掲載内容(受託製造希望情報)は、県内の製薬企業(24)から提供を受けた情報で、具体的には①企業名、②分類(医薬品、医薬部外品等の別)、③剤形、④剤形の特徴等、⑤受託可能数量、⑥主要製造機器、⑦製造技術等、⑧各種情報で、検索しやすいように「企業別」と「剤形・分類別」の情報を掲載しています。

 

http://www.pref.toyama.jp/cms_press/2011/20110210/00006193.pdf

 

2011/02/25(金) 00:00

厚生労働省が医薬品生産動態調査発表

医薬品をめぐる話題が多い中で、「日本では、医薬品はどれくらい生産されているのだろうか」、このような疑問をもたれる人も少なくないのではないでしょうか。

厚生労働省は、毎月、薬事工業生産動態統計調査を実施しています。この調査は、医薬品、医薬部外品および医療機器に関する生産の実態などを明らかにすることを目的としたもので、全国の、薬事法により医薬品、医薬部外品、医療機器を製造販売する事務所(製造販売事務所)及び製造する製造所を対象とし、調査事項は、品目ごとの生産(輸入)金額及び数量、出荷金額及び数量、月末在庫金額及び数量と従業員数(製造所のみ)で、調査は、製造販売事務所に対しては厚生労働省が直接、製造所に対しては都道府県を経由して実施しています。

厚生労働省は、28日に平成21年薬事工業生産動態統計年報の概要を発表しました。

それによりますと、生産金額の合計は6,819,589百万円で前年度比3.0%の伸びとなっています。つまり、おおよそ68千億円ということです。この伸び率は平成20年の2.6%を上回っています。内訳は、医療用医薬品が6,174,202百万円で前年度比3.0%増、その他の医薬品が645,387百万円で前年度比2.9%増となっています。その他の医薬品の内訳は、一般用医薬品が616,601百万円で3.0%増、配置用家庭薬が28,786百万円で0.4%減です。構成比は医療用医薬品が90.5%、その他の医薬品が9.5%(一般用9.0%、配置用0.4%)となっています。

これを薬効大分類別に見ますと、①循環器官用薬1,418,993百万円(対前年比1.3%減、構成比20.8%)、②中枢神経系用薬700,136百万円(12.8%増、10.3%)、③その他の代謝性医薬品677,181百万円(4.4%増、9.9%)、④消化器官用薬612,881百万円(5.2%増、9.0%)、⑤血液・体液用薬433,228百万円(6.3%増、6.4%)の順です。

都道府県別順位を見ますと、①埼玉682,545百万円、対前年比5.5%増、構成割合10.01%、②富山573,557百万円、11.0%増、8.41%、③静岡557,543百万円、0.4%減、8.18%、④大阪505,415百万円、0.4%減、7.41%、⑤栃木354,028百万円、4.7%減、5.19%、⑥東京327,676百万円、7.3%減、4.80%、⑦兵庫312,218百万円、3.8%減、4.58%、⑧神奈川308,436百万円、3.8%増、4.52%、⑨愛知268,958百万円、1.4%減、3.94%、⑩岐阜255,461百万円、15.9%増、3.75%の順になっています。これ以外にも、岩手が13位ながら208,136百万円で前年比36.9%増となっていることが目立っています。

 

 

http://www.mhlw.go.jp/topics/yakuji/2009/nenpo/index.html

 

 

2011/02/24(木) 00:00

セラペプターゼ製剤自主回収追加

共和薬品工業も、222日からセラペプターゼ製剤「ケジフェン錠5mg(旧販売名:ケジフェン錠)の製造販売の中止ならびに自主回収を行うことを決定しました。

2011/02/23(水) 17:20

日本薬剤師会が一般薬の販売規制緩和で反対署名活動

日本薬剤師会は、行政刷新会議で検討されている「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」に反対する署名活動を行うこととし、221日付で都道府県薬剤師会会長宛に通知しました。

通知では、「政府の行政刷新会議等において検討されています『一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和』等については、本会において関係者の理解を得ながら反対活動を展開しているところですが、今般、薬害被害者団体とともに、一般用医薬品のインターネット等販売規制緩和に反対する署名活動を実施することといたしました」として、都道府県薬剤師会に対して、支部薬剤師会及び会員薬局等に対し、店頭等における生活者等への署名活動につきまして、理解と協力を得るよう要請方を求めているものです。

なお、この件に関しては、日本薬剤師連盟とも連携して実施することとしており、都道府県薬剤師会も薬剤師連盟と連携・協力の上対応するよう求めています。

また、一般用医薬品販売制度に係る定着促進調査が3月末まで実習中であることから、より一層の対応を求めています。

 

「一般用医薬品のインターネット等販売規制緩和に反対する署名活動実施要領」は、「安全性より利便性を優先させる、医薬品のインターネット販売規制緩和反対」として、次の通り定めています。特に、「薬剤師の存在が問われている重要案件である」として協力を要請しています。

請願団体代表(218日現在)は全国薬害被害諸団体連絡協議会、日本薬剤師会で、署名対象者は、薬局等において一般消費者、会員、従業員、家族ほか制限はありません。

回収締め切りは第1回が32日、第2回が325日としています。

2011/02/23(水) 15:40

セラペプターゼのジェネリックもすべて自主回収

武田薬品工業は、221日、消炎酵素製剤「ダーゼン」(一般名:セラペプターゼ)を「有効性を証明するための再試験の実施が困難」との結論に至り、同日から自主回収することとし、発表しましたが、ジェネリック医薬品メーカーも22日、相次いで自主回収を発表しました。

ジェネリック医薬品は、先に紹介した田辺製薬販売の「セラペプターゼ錠10mg『タナベ』」以外に次の通りです。

沢井製薬=「ニコラーゼ錠5mg」「同10mg錠」(旧販売名:ニコラーゼ・ニコラーゼ錠10)

大洋薬品工業=「オムゼン錠」「セラペプターゼ錠5mg『タイヨー』」「同10mg『タイヨー』」

東和薬品=「バザロイン錠5mg」「同10mg(旧製品名:バザイロン錠、バザイロン錠10)

日医工(製造販売元;日医工ファーマ)=「イルザイム錠5mg」「同10

ニプロファーマ=「ヒシターゼ錠10mg」および「シマターゼ錠5mg」(製造販売:ニプロジェネファ)

2011/02/23(水) 10:39

国民医療推進協議会が日本の医療を守る国民運動展開

国民医療推進協議会は、「日本の医療を守るための国民運動」を展開しています。216日に開催した第6回総会で国民運動の展開を決めました。日本医師会のホームページでも明らかにされています。

国民医療推進協議会は、平成1610月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健および福祉行政の拡充強化をめざし、積極的に諸活動を推進する」ことを目的に、日本医師会が各医療関係団体等に呼びかけ、発足しました。これまでの活動としては、混合診療の導入反対、患者負担増反対など、国民皆保険制度を守るための活動や、禁煙推進運動などを行ってきました。

参加団体は、健康・体力づくり事業財団、全国公私病院連盟、全国腎臓病協議会、全日本病院協会、日本医師会、日本栄養士会、日本学校保健会、日本看護協会、日本歯科医師会、日本病院会、日本薬剤師会、認知症の人と家族の会など40団体で、会長には日本医師会会長、副会長には日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会の会長が就任しています。

「日本の医療を守るための国民運動」は、国民皆保険制度の崩壊を招きかねない医療への市場原理主義の導入を断固阻止し、恒久的な国民皆保険制度の堅持を求める国民の声を政府に届けることを目的として展開するもので、具体的には、(1)国民医療推進協議会総会において、本国民運動展開の承認と決議を採択、(2)都道府県医療推進協議会に対して依頼=①都道府県医療推進協議会主催の集会を開催し、本国民運動の目的に沿った内容の決議を採択、②地方議会会期中の都道府県においては、地方議員・議会に対し、地方自治法第99条に則った意見書を国会等に提出するよう要望、(3)全国各地からの決議文をもって、政府関係各方面へ上申、という活動を実施する計画になっています。期間は2月中旬~3月中旬です。

総会で、採択された決議は次の通りです。

 

決議

 

医療に市場原理主義が導入され、営利産業化されれば、わが国の優れた公的医療保険制度は崩壊し、二度と取り戻すことができなくなる。

そのため、国民皆保険制度の下、いつでも、どこでも、だれもが公平に受けることができる医療を、これからも断固守り続けていく。

 以上、決議する。

 

http://www.med.or.jp/

 

 

2011/02/23(水) 00:00

セラペプターゼ錠も製造販売中止・自主回収 田辺三菱製薬グループ

田辺三菱製薬のグループ会社である長生堂製薬は、消炎酵素製剤「セラペプターゼ錠10mg「タナベ」(旧販売名:セフラターゼ錠10)」について、222日より製造販売を中止するとともに、自主回収することとしました。同剤は、田辺三菱製薬の連結子会社である田辺製薬販売が販売しています。

セラペプターゼ製剤につきましては、先発メーカーがプラセボを対象とした二重盲検比較試験を実施した結果、有効性においてプラセボとの間に有意差を示すことができず、製造販売中止・自主回収に至ったことを受け、同成分のジェネリック医薬品である同剤も同様の対応を行うこととしたものです。

なお、現行販売名では20099月に薬価収載となり、旧販売名は20106月末に薬価削除となっています。

2011/02/22(火) 15:10

武田薬品がダーゼンを自主回収販売中止

武田薬品工業は、221日、日本で販売している消炎酵素製剤「ダーゼン5mg錠、同10mg錠、同顆粒1%」(一般名:セラペプターゼ)を同日から自主回収することとし、発表しました。同剤の有効性を証明するための再試験の実施が困難との結論に至ったためです。

同剤については、プラセボを対照とした二重盲検比較試験を実施しましたが、プラセボとの間に有意差を示すことができませんでした。当該結果を踏まえ、2011119日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会において、再度の再評価指定の可否とそのために今後実施する試験の内容について議論が行われました。

同部会では、再試験の実施にあたり、現在の医療環境において使用実態に則した有効性を検証するよう指摘があり、厚生労働省よりその指摘を検討するよう指示がありました。その指示に基づき、同剤の有効性を検証するための再試験の実施可能性について、検討を重ねてきました。同社では、臨床試験デザインを見直した上で再試験を実施することで、同剤の有効性を証明できるものと考えておりましたが、最終的に再試験の実施は困難との結論に至りました。

同剤は、1968年から40年以上にわたって日本で販売されており、これまで多くの患者、医療関係者に使用されてきましたが、同社では、自主回収に当たって、医療現場や患者に混乱をもたらすことのないよう医療関係者に迅速かつ正確に情報伝達していくこととしています。

なお、ダーゼンの09年度国内販売実績は67億円で、同社では、今回の回収が今年度実績に影響は現時点では軽微であると見込んでいます。

同剤は、1995年に厚生省(当時)から再評価結果が通知され、現在の効能・効果が承認されました。その際、次の再評価指定までの資料整備を条件とされていたため、慢性気管支炎を対象とした1試験と、足関節捻挫を対象とした2試験を実施し、その結果を厚生労働省に提出していました。厚生労働省に提出した試験結果の概要については、財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)のウェブサイトに掲載されています。

 

http://www.takeda.co.jp/press/article_41340.html

 

2011/02/22(火) 00:00