一般用医薬品販売制度定着状況調査結果で見解 日本薬剤師会
日本薬剤師会は、8月7日、「平成24年度一般用医薬品販売制度定着状況調査」結果について、都道府県薬剤師会会長宛に通知し、「調査結果によると、第一類医薬品販売時の薬剤師による情報提供について、過去の同調査に比して、その実施率は上昇しているものの、実施率は約6割であり、制度の定着に向けての努力は未だ不十分であると受け止めざるを得ません」とし、今回の調査結果を重く受け止め、次の見解をとりまとめたことを明らかにしました。
見解は次の通りです。
7月26日、厚生労働省から「平成24年度一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果が公表されました。
今回公表された調査結果では、全体として制度の定着が進みつつある傾向は示されているものの、第一類医薬品販売時の薬剤師による文書を用いた情報提供について、過去の同調査に比してその実施率は上昇しているものの、約6割でありました。
本会ではこれまで、都道府県薬剤師会における薬局体制の相互点検や、医薬品販売制度の遵守徹底と新しい医薬品販売制度の意義に関する国民理解の向上を目的とした会員薬局等でのポスターの掲示や、特に第一類医薬品の書面を用いた情報提供の徹底等、改善に向けて取り組んでまいりました。しかし、このような現状では、薬事法の遵守という観点のみならず、医薬品適正使用の確保を担う薬剤師としての職能発揮という側面からも重く受け止めなければなりません。
また本会では、こうした調査結果の背景には、薬局・店舗における実施状況が不十分であることはもとより、国民や生活者にその実施内容が「伝わっていない」という点も少なからずあるのではないかと受け止めております。
本会では今後、薬局・薬剤師の業務について、国民にそのメリットを実感していただけるよう、業務の「見える化」に着目した会員行動を展開していく予定です。一般用医薬品の販売時における症状などの確認や情報収集・提供をはじめ、疑義照会業務や薬歴・お薬手帳を活用した薬学的管理、後発医薬品に対する理解と使用促進などについて重点的に取り組み、国民が薬局・薬剤師から医薬品を受け取ることのメリットを実体験していただくための活動に取り組んでまいります。
去る6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」において、一般用医薬品のインターネット販売を認めるとの基本方針が示されましたが、本会としては、医薬品の供給においては、対面による観察・確認、適切な情報提供が最良の方法であると考えております。
また同戦略では、予防・健康管理に薬局・薬剤師の活用が取り上げられています。私たち薬剤師は、地域において薬局・店舗等が、健康づくりに関して身近で気軽に専門的な支援が受けられる拠点となり、地域住民のセルフメディケーションを推進するとともに、その重要なツールである一般用医薬品を、国民が安心・安全に使用できるよう、更なる努力をしていく所存です。