26年度診療報酬改定答申 中医協総会
中央社会保険医療協議会は、2月12日、第272回総会を開催し、26年度診療報酬改定に関して改正案を答申しました。
個別改定項目については、重点課題は、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」で、「入院医療」「外来医療の機能分化・連携の推進」「在宅医療を担う医療機関の確保と質の高い在宅医療の推進」「医療機関相互の連携や医療・介護の連携の評価」を挙げています。
「入院医療」については、①高度急性期と一般急性期を担う病床の機能の明確化とそれらの機能に合わせた評価、②長期療養患者の受け皿の確保、急性期病床と長期療養を担う病床の機能分化、③急性期後・回復期(亜急性期入院医療管理料等)の病床の充実と機能に応じた評価、④地域の実情に配慮した評価、⑤有床診療所における入院医療の評価、を示しています。
また、「充実が求められる分野を適切に評価していく視点」として、①緩和ケアを含むがん医療の推進、②精神疾患に対する医療の推進、③認知症への対策の推進、④救急医療、小児医療、周産期医療の推進、⑤リハビリテーションの推進、⑥歯科医療の推進、⑦的確な投薬管理・指導の推進、⑧手術等の医療技術の適切な評価、⑨医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションの適切な評価、⑩DPCに基づく急性期医療の適切な評価。
「患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高い医療を実現する視点」として、①患者に対する相談指導、医療安全対策、明細書無料発行、患者データ提出等の推進、②診療報酬点数表の平易化・簡素化、③入院中のADL(日常生活動作)低下の予防と褥瘡対策。
「医療従事者の負担を軽減する視点」として、①救急外来の機能分化を含む医療従事者の負担を軽減する取組の評価、②チーム医療の推進。
「効率化余地がある分野を適正化する視点」として、①後発医薬品の使用促進策、②長期収載品の薬価の特例的な引下げ、③平均在院日数の減少等、④医薬品、医療機器、検査等の適正な評価、⑤大規模薬局の調剤報酬の適正化等。
このほか、「消費税率8%への引上げに伴う対応」も示しています。
また答申書の附帯意見も15項目にわたって纏められており、薬剤関係では⑫後発医薬品の使用促進策、いわゆる門前薬局の評価の見直し、妥結率が低い保険薬局等の適正化等の影響を調査・検証し、調剤報酬の在り方について引き続き検討すること、⑬残薬確認の徹底と外来医療の機能分化・連携の推進等のため、処方医やかかりつけ医との連携を含めた分割調剤について引き続き検討すること、⑭医薬品や医療機器等の保険適用の評価に際して費用対効果の観点を導入することについて、イノベーションの評価との整合性を踏まえつつ、データ・分析結果の収集、評価対象の範囲、評価の実施体制等を含め、平成28年度診療報酬改定における試行的導入も視野に入れながら、引き続き検討すること、を挙げています。