厚生労働省医政局指導課は、4月8日、都道府県医療主管課に対して、「停電に係る在宅医療患者への対応」についての事務連絡を発しました。
これは、4月7日に発生した東日本大震災の余震と思われる地震の後、東北電力管内の地域が停電となっている時間帯に、山形県尾花沢市で人工呼吸器と酸素濃縮装置を使用中の患者が死亡する事案が発生したことから、「停電と死亡の因果関係については不明」ですが、関係課に対して対応を求めているものです。
内容は次の通りです。
貴管下の医療機関及び訪問看護ステーションに対し、人工呼吸器や酸素濃縮装置等の在宅医療機器を使用している患者に対する停電時の対応について、必要に応じ医療機器メーカーと協議を行った上で、
・ 人工呼吸器の内蔵バッテリーの有無と持続時間、作動の再確認
・ 人工呼吸器の外部バッテリーの準備及び事前の充電
・ 酸素濃縮装置を在宅で使用している患者に対し、必要な酸素ボンベが配布されているかの再確認
・ 人工呼吸器や酸素濃縮装置を使用している患者に対する停電時の対応の周知
・ 停電等電源異常時のアラームが正しく作動するかの再確認
・ 携帯用酸素ボンベセットの使用方法の再確認
・ 患者の状態を踏まえた適切な在宅医療機器への代替や貸出などの対応
・ 在宅患者との緊急時連絡体制の再確認
等により、在宅医療患者への医療の提供が、停電時においてもできるだけ支障なく行われるよう、適切な指導の実施について特段のご協力をお願いいたします。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000018lba.html
2011/04/09(土) 13:28
厚生労働省は、4月8日、全国医療費適正化計画の進捗状況に関する評価(中間評価)を公表しました。内容は次の通りです。
【医療費適正化計画の概要】
○国は、5年を1期として医療費適正化計画を定め、中間年度(平成22年度)に進捗状況に関する評価(中間評価)を行う。
【目標・施策の進捗状況】
(1)国民の健康の保持の増進
○特定健康診査実施率:38.9%(平成20年度:確定値) → 40.5%(平成21年度:速報値)
※平成24年度において70%とすることを目標としている。
○特定保健指導実施率:7.7%(平成20年度:確定値) → 13.0%(平成21年度:速報値)
※平成24年度において45%とすることを目標としている。
(2)医療の効率的な提供の推進
○平均在院日数は減少。32.2日(平成18年度) → 31.3日(平成21年度)
※医療の効率的な提供の推進により、平成24年度において29.8日とすることを目標 としている。
○療養病床数(回復期リハビリテーション病棟を除く)は減少。
療養病床全体:35.2万床(平成18年10月) → 32.0万床(平成21年7月)
うち医療療養:23.4万床(平成18年10月) → 22.7万床(平成21年7月)
介護療養:11.8万床(平成18年10月) → 9.3万床(平成21年7月)
※療養病床に係わる目標は凍結。機械的削減は行わない。
【今後の取組】
○中間評価の内容を踏まえ、特定健診等実施率向上に有効な取組を推進。
○特定健診等の実績に基づくインセンティブ制度のあり方や特定健診の項目等について、本年より、検討会で議論を開始。
○病院・病棟の役割分担を更に進めるとともに、急性期医療の機能を強化し、リハビリ・在宅医療などの充実・連携を図ることにより、継ぎ目のない医療提供体制を推進。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000018ein.html
2011/04/09(土) 12:51
政府は、4月8日の定例閣議で、「規制・制度改革に係る方針」を決定しました。ライフイノベーション分野において揚げられていた「調剤基本料の一元化」や「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」は盛り込まれていません。
規制・制度改革については、行政刷新会議に「規制・制度改革に関する分科会」が設置され、特定の分野に関して調査検討を行うため、「グリーンイノベーション」(環境・エネルギー分野)、「ライフイノベーション」(医療・介護分野)、「農林・地域活性化」の3ワーキング・グループ(WG)が設けられて検討が行われました。1月26日に「中間とりまとめ」を行い、3月6,7日に規制仕分けを実施。分科会中間とりまとめや規制仕分けの評価結果を踏まえ、政府内の調整を行っていましたが、現時点で調整が終了している事項について、「規制・制度改革に係る方針」を定めたものです。現時点で調整が終了していない事項については、今後調整を行い、別途閣議決定することとしています。
今回、定められた各分野における規制・制度改革事項は合計135項目で、1.グリーンイノベーション分野20項目、2.ライフイノベーション分野19項目、3.農林・地域活性化分野20項目、4.アジア経済戦略、金融等分野-人材分野7項目、物流・運輸分野19項目、金融分野13項目、IT分野24項目、住宅・土地分野10項目、その他1項目、5.消費者分野2項目です。
中間取りまとめにおいては、ライフイノベーションWGでは、改革に向けて基本的な考え方として、「社会保障改革の必要性・全分野横断的な方向性」とともに、「医療分野」「介護分野」「保育分野」における制度改革の方向性が示され、「地域主権医療への転換」など38項目が盛り込まれ、その中に「調剤基本料の一元化」や「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」が含まれていました。
今回定められたライフイノベーション分野の19項目は次の通りで、「調剤基本料の一元化」や「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」のほか、「地域主権の医療への転換」「病床規制の見直し」「高額療養費制度の見直し」「医療保険におけるリハビリの日数制限の見直し」など中間取りまとめの19項目が外れています。
① 医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し
② 医師不足解消のための教育規制改革
③ 医療行為の無過失補償制度の導入
④ 希少疾病用医療機器の市場導入促進に向けた制度の整備
⑤ 医療機器の改良改修に係る一部変更承認申請不要範囲の拡大
⑥ 医療機器における品目ごとのQMS調査制度の見直し
⑦ 医薬品・医療機器におけるイノベーションの適切な評価の実施
⑧ 施設・入所系サービスの再編
⑨ 居宅サービス事業所にける統合サービスの運営
⑩ 特別養護老人ホームの医療体制の改善
⑪ 介護保険の指定を受けた事業所の活用
⑫ 給付限度額を超えて利用する場合の利用者負担の見直し
⑬ 「介護サービス情報の公表」制度の見直し
⑭ 訪問介護など居宅サービスにおける運営基準等の解釈の標準化
⑮ 障害者自立支援法の移動支援事業(地域生活支援事業)を居宅介護事業者が行う際の人員要件の見直し
⑯ 障害者の雇用・就労促進のための多様な働き方の支援策の強化
⑰ 安心こども基金の補助対象範囲の拡大等
⑱ 放課後児童クラブの開所時間の延長
⑲ 駅中保育施設整備に係る規制緩和
なお、閣議決定で定められた方針については、内閣府がその実施状況に関するフォローアップを行うこととし、その結果を行政刷新会議に報告します。
2011/04/08(金) 15:45
厚生労働省医薬食品局は、4月5日付で、日本薬剤師会と日本病院薬剤師会に対して、「継続的な薬剤師派遣とお薬手帳の配布」を依頼する局長名の文書を発しました。
文書では、「被災地への薬剤師ボランティアの派遣については、広範なご支援をいただいているところであり、これまでにも、薬剤師の活躍により、薬物療法の適正化や医薬品の適正な仕分け・管理などに、大きく貢献いただいており、各界から高い評価が寄せられております。また、今般の震災においては、慢性期医療に係るニーズが高く、避難所等の方々の服薬管理のためにお薬手帳の活用が効果的であることから、お薬手帳の配布やそれらを用いた服薬管理などにご支援をいただいているところであります」とし、
「今回の震災の規模からも被災地への支援が長期化することも想定されることから、貴会におかれては、引き続き、避難所等の方々への薬物療法の適正化のため、薬剤師ボランティアを派遣するほか、お薬手帳の確保・配布について御配慮をいただけますようお願い申し上げます」と依頼しています。
また、4月6日に発表した東日本大震災の被害状況及び対応(第40報)では、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会の両団体から約5万冊のお薬手帳を用意し、被災地を支援すると回答があったことを報告しています。
2011/04/07(木) 11:46
3月11日に発生した東北太平洋沖地震(東日本大震災)に対する支援のため、大日本住友製薬株式会社とロート製薬株式会社は、「震災復興支援室」の新設を発表しました。
大日本住友製薬株式会社は、地震による被災地の復興を支援するため、5月1日付で震災復興支援室(仮称)を新設することを検討しています。その準備のため、4月1日付でコーポレート・コミュニケーション部内に準備チームを発足させました。
震災復興支援室(仮称)を新設することにより、被災地のニーズを十分に把握し、社員によるボランティア活動、寄付活動、物資支援、自治体や災害支援NPO・NGOなどへの支援活動など、必要とされる支援活動を推進することを目指します。
なお、同社は、このたびの地震による被害に対する同社グループの支援について、義援金の拠出、従業員有志での寄付活動、医薬品等の提供などの状況を発表していますが、その後、英国の子会社でも義援金の寄付活動を開始したほか、グループ会社のDSファーマバイオメディカル株式会社やDSファーマアニマルヘルス株式会社が関連団体を通じて製品を無償提供したり、義援金を拠出することを決定しています。
一方、ロート製薬株式会社では、3月25日付で、震災孤児支援のために、ロート社員による震災復興の専任支援チームを編成し、「震災復興支援室」を新設することとしました。
同社では、既に被災者の救済および被災地の復興に役立てていただくため、義援金として総額1億円を「ジャパンプラットフォーム」及び「あしなが育英会」に寄付、またOTC医薬品協会を通じて商品提供を行う予定であるのに加えて、約1,600名の社員による義援金につきましても1,100万円以上となり、全額を「ジャパンプラットフォーム」に寄付します。
しかし、今回の震災の被害の甚大さを鑑み、一時的な支援をするだけでは企業の社会的責任を果たすことができないと考え、長期的な視点で支援を行うために、「震災復興支援室」を設置することとしました。「震災復興支援室」の重点課題としては、同社のCSR活動の方針である「次世代支援」を実現するため、震災孤児の長期的な生活と勉学の支援を行いたいと考えており、具体的なプランにつきましては、現状把握後、検討していきます。
また、企業の社会的責任として、震災復興に本格的、継続的に取り組むにあたり、平成23年4月より1年間、取締役の月例報酬の10%を自主返上し、危機対応にあてることにしました。
なお、「震災復興支援室」のメンバーは、社内からの数十人の応募者の中から、福島市出身の女性社員も含め6名が選ばれました。
http://www.ds-pharma.co.jp/
http://www.rohto.co.jp/
2011/04/04(月) 18:04
厚生労働省は、4月3日、同日14時00分現在の「平成23年東日本大震災の被害状況及び対応について(第37報)を発表しましたが、薬剤師の派遣が800名を超え、849名に達しています。
薬剤師の派遣については、日本薬剤師会及び日本病院薬剤師会において、被災した各県からの要請に応じて、避難所等に薬剤師を派遣し支援する対応を調整していますが、北海道、宮城、東京等の各薬剤師会、日本薬剤師会及び病院薬剤師会から派遣し、3日13時00分現在、岩手県で15人、宮城県で49人、福島県で23人が活動中です。これまでの累計は849人に達しています。派遣の内訳は岩手県へ97人、宮城県へ551人、福島県へ199人、茨城県へ2人です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017swl.html
なお、薬剤師の活動状況につきましては、日本薬剤師会のホームページの「ボランティア活動報告」で掲載されています。
http://www.nichiyaku.or.jp/
2011/04/04(月) 12:55
日本薬剤師会は、4月1日、本年10月9,10日の両日にかけて宮城県仙台市で開催を予定していました第44回学術大会(宮城大会)を、東北太平洋沖地震の影響により、やむなく中止することとしました。
宮城県薬剤師会では、3年以上の年月をかけて準備に当たってきましたが、3月27日開催の緊急理事会で正式に決定しました。
日本薬剤師会では、「今般の地震による被害は過去に例のない大規模かつ広範囲に及んでおり、開催地である宮城県も、仙台市内の開催予定施設が大きな損傷を受けた他、周辺市町村においても甚大な被害を受けており、その都市機能を回復するには相当の年月がかかるものと推測されます。何よりも、宮城県薬剤師会会員の多くの皆さまが被害にあわれており、そのような状況の中、学術大会の開催という過大なご負担をおかけするわけにはまいりません。まずは、お一人おひとりの生活再建を最優先にお考えいただきたいと存じます」とし、「以上のような理由から、本年10月に開催を予定しておりました宮城大会は、中止させていただくことといたしました」としています。
なお、日本薬剤師会では、代替地での開催を模索・検討してきましたが、近年の学術大会は1万人規模の大会に成長してきており、簡単に代替地・代替施設が見つからない状況であるため、本年度は学術大会の開催自体を中止することとしました。
日本薬剤師会では、「本年の学術大会に参加を予定・検討されておられました会員各位におかれましては、是非とも大会参加費相当額を義援金としてご支援・ご協力賜りたく、切にお願い申し上げます」と要望しています。
http://www.nichiyaku.or.jp/
2011/04/04(月) 12:52
厚生労働省医政局経済課・保険局医療課は、4月1日、地方厚生(支)局医療課に対して、「経腸栄養剤の適正使用に関するお願いについて」の事務連絡を発しました。
事務連絡の内容は次の通りです。
東北地方太平洋沖地震の影響により、経腸栄養剤「エンシュア・リキッド」(250mL缶入)及び「エンシュア・H」(250mL缶入)(製造販売:明治乳業株式会社、4月1日から株式会社明治、販売:アボット ジャパン株式会社)については、同製剤の缶容器を製造・供給する企業の仙台工場が被災したため、同製剤の製造が一時中断しております。
同社は、現在、製造再開に向けた準備(出荷開始は5月下旬予定)、被災の影響のなかった「エンシュア・リキッド」(500mLバッグ入)の増産、海外からの「エンシュア・H」の輸入・販売を進めております。
また、国内で代替医薬品となる「ラコール配合経腸用液」を製造販売しているイーエヌ大塚製薬株式会社においても増産を行っています。
上記のような対応により、遅くとも6月以降は震災前と同じ量が供給されますが、4月及び5月は、現時点における在庫(約1ヶ月分)を含めても経腸栄養剤(医薬品)全体として、最大2割程度分の不足となる状況が想定されています。
このような状況の下、一時的な供給量減少による患者への影響を最小限とするため、下記につきご協力をお願いしたく、貴管下の保険医療機関及び保険薬局への周知をお願いいたします。
記
1.医療機関及び薬局におかれましては、経腸栄養剤(医薬品)の通常時を上回る在庫を控えていただきたいこと。
2.経腸栄養剤については薬事法上の医薬品として承認は得ているもののほか、いわゆる医療食としての扱いを受けている類似の製品があります。
在宅療養患者等の場合には、いわゆる医療食への切り換えにより自己負担が増大することから、当面、経腸栄養剤(医薬品)については、外科手術後の患者など真に必要な患者への使用を最優先していただきつつも、入院患者でいわゆる医療食等を用いた食事療養が可能な患者については、出来る限り院内での食事療養費で対応していただくこととし、在宅患者等へ医薬品を優先的に使用することとしていただきたいこと。
3.医療機関及び薬局においては、患者への最適な医療を確保しつつも、当面、医薬品の長期処方の自粛あるいは分割調剤の考慮など、必要最小限の最適な処方・調剤を行っていただきたいこと。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017i28.html
なお、政府は、4月1日の持ち回り閣議で、3月11日の東北地方太平洋沖地震がもたらした災害の呼称を「東日本大震災」とすることを決めました。
2011/04/04(月) 11:45
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、3月31日、ホームページに「医薬品使用状況(平成22年12月)」を掲載しました。中小企業等で働く従業員やその家族が加入している健康保険(政府管掌健康保険)は、従来、国(社会保険庁)で運営していましたが、平成20年10月1日、新たに全国健康保険協会が設立され、協会が運営することになりました。この協会が運営する健康保険の愛称を「協会けんぽ」と言います。
今回発表しました12月のジェネリック医薬品の使用は、数量ベースで23.0%、金額ベースで8.6%となっています。
平成22年度の状況を見ますと、数量ベースでは4月21.6%、5月22.0%、6月22.3%、7月22.2%、8月22.2%、9月22.4%、10月22.7%、11月22.8%、12月23.0%となっており、金額ベースでは4月8.0%、5月8.2%、6月8.3%、7月8.3%、8月8.3%、9月8.3%、10月8.4%、11月8.5%、12月8.6%です。
前年同期との比較は、数量ベースでは、4月4.2ポイント増、5月4.4ポイント増、6月4.6ポイント増、7月4.5ポイント増、8月4.4ポイント増、9月4.3ポイント増、10月4.3ポイント増、11月4.4ポイント増、12月4.5ポイント増。金額ベースでは、4月1.4ポイント増、5月1.5ポイント増、6月1.6ポイント増、7月1.6ポイント増、8月1.5ポイント増、9月1.4ポイント増、10月1.5ポイント増、11月1.7ポイント増、12月1.6ポイント増となっています。
12月における使用状況を都道府県別に見ますと、数量ベースでは、沖縄県37.6%、鹿児島県27.4%、岩手県26.4%、青森県26.2%、宮城県25.1%、山形県25.1%、熊本県25.0%、北海道24.8%、新潟県24.7%、富山県24.5%、宮崎県24.3%、福島県24.0%の順。金額ベースでは沖縄県12.7%、岩手県11.6%、青森県10.8%、鹿児島県10.3%、北海道10.0%、山形県9.9%、宮城県9.8%、新潟県9.8%、奈良県9.5%、熊本県9.4%、栃木県9.2%、富山県9.1%の順になっています。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/
2011/04/01(金) 15:32