厚生労働省が経腸栄養剤の適正使用で事務連絡 東日本大震災で
厚生労働省医政局経済課・保険局医療課は、4月1日、地方厚生(支)局医療課に対して、「経腸栄養剤の適正使用に関するお願いについて」の事務連絡を発しました。
事務連絡の内容は次の通りです。
東北地方太平洋沖地震の影響により、経腸栄養剤「エンシュア・リキッド」(250mL缶入)及び「エンシュア・H」(250mL缶入)(製造販売:明治乳業株式会社、4月1日から株式会社明治、販売:アボット ジャパン株式会社)については、同製剤の缶容器を製造・供給する企業の仙台工場が被災したため、同製剤の製造が一時中断しております。
同社は、現在、製造再開に向けた準備(出荷開始は5月下旬予定)、被災の影響のなかった「エンシュア・リキッド」(500mLバッグ入)の増産、海外からの「エンシュア・H」の輸入・販売を進めております。
また、国内で代替医薬品となる「ラコール配合経腸用液」を製造販売しているイーエヌ大塚製薬株式会社においても増産を行っています。
上記のような対応により、遅くとも6月以降は震災前と同じ量が供給されますが、4月及び5月は、現時点における在庫(約1ヶ月分)を含めても経腸栄養剤(医薬品)全体として、最大2割程度分の不足となる状況が想定されています。
このような状況の下、一時的な供給量減少による患者への影響を最小限とするため、下記につきご協力をお願いしたく、貴管下の保険医療機関及び保険薬局への周知をお願いいたします。
記
1.医療機関及び薬局におかれましては、経腸栄養剤(医薬品)の通常時を上回る在庫を控えていただきたいこと。
2.経腸栄養剤については薬事法上の医薬品として承認は得ているもののほか、いわゆる医療食としての扱いを受けている類似の製品があります。
在宅療養患者等の場合には、いわゆる医療食への切り換えにより自己負担が増大することから、当面、経腸栄養剤(医薬品)については、外科手術後の患者など真に必要な患者への使用を最優先していただきつつも、入院患者でいわゆる医療食等を用いた食事療養が可能な患者については、出来る限り院内での食事療養費で対応していただくこととし、在宅患者等へ医薬品を優先的に使用することとしていただきたいこと。
3.医療機関及び薬局においては、患者への最適な医療を確保しつつも、当面、医薬品の長期処方の自粛あるいは分割調剤の考慮など、必要最小限の最適な処方・調剤を行っていただきたいこと。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017i28.html
なお、政府は、4月1日の持ち回り閣議で、3月11日の東北地方太平洋沖地震がもたらした災害の呼称を「東日本大震災」とすることを決めました。