規制・制度改革に係る方針を閣議決定 調剤基本料一元化など外れる
政府は、4月8日の定例閣議で、「規制・制度改革に係る方針」を決定しました。ライフイノベーション分野において揚げられていた「調剤基本料の一元化」や「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」は盛り込まれていません。
規制・制度改革については、行政刷新会議に「規制・制度改革に関する分科会」が設置され、特定の分野に関して調査検討を行うため、「グリーンイノベーション」(環境・エネルギー分野)、「ライフイノベーション」(医療・介護分野)、「農林・地域活性化」の3ワーキング・グループ(WG)が設けられて検討が行われました。1月26日に「中間とりまとめ」を行い、3月6,7日に規制仕分けを実施。分科会中間とりまとめや規制仕分けの評価結果を踏まえ、政府内の調整を行っていましたが、現時点で調整が終了している事項について、「規制・制度改革に係る方針」を定めたものです。現時点で調整が終了していない事項については、今後調整を行い、別途閣議決定することとしています。
今回、定められた各分野における規制・制度改革事項は合計135項目で、1.グリーンイノベーション分野20項目、2.ライフイノベーション分野19項目、3.農林・地域活性化分野20項目、4.アジア経済戦略、金融等分野-人材分野7項目、物流・運輸分野19項目、金融分野13項目、IT分野24項目、住宅・土地分野10項目、その他1項目、5.消費者分野2項目です。
中間取りまとめにおいては、ライフイノベーションWGでは、改革に向けて基本的な考え方として、「社会保障改革の必要性・全分野横断的な方向性」とともに、「医療分野」「介護分野」「保育分野」における制度改革の方向性が示され、「地域主権医療への転換」など38項目が盛り込まれ、その中に「調剤基本料の一元化」や「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」が含まれていました。
今回定められたライフイノベーション分野の19項目は次の通りで、「調剤基本料の一元化」や「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」のほか、「地域主権の医療への転換」「病床規制の見直し」「高額療養費制度の見直し」「医療保険におけるリハビリの日数制限の見直し」など中間取りまとめの19項目が外れています。
① 医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し
② 医師不足解消のための教育規制改革
③ 医療行為の無過失補償制度の導入
④ 希少疾病用医療機器の市場導入促進に向けた制度の整備
⑤ 医療機器の改良改修に係る一部変更承認申請不要範囲の拡大
⑥ 医療機器における品目ごとのQMS調査制度の見直し
⑦ 医薬品・医療機器におけるイノベーションの適切な評価の実施
⑧ 施設・入所系サービスの再編
⑨ 居宅サービス事業所にける統合サービスの運営
⑩ 特別養護老人ホームの医療体制の改善
⑪ 介護保険の指定を受けた事業所の活用
⑫ 給付限度額を超えて利用する場合の利用者負担の見直し
⑬ 「介護サービス情報の公表」制度の見直し
⑭ 訪問介護など居宅サービスにおける運営基準等の解釈の標準化
⑮ 障害者自立支援法の移動支援事業(地域生活支援事業)を居宅介護事業者が行う際の人員要件の見直し
⑯ 障害者の雇用・就労促進のための多様な働き方の支援策の強化
⑰ 安心こども基金の補助対象範囲の拡大等
⑱ 放課後児童クラブの開所時間の延長
⑲ 駅中保育施設整備に係る規制緩和
なお、閣議決定で定められた方針については、内閣府がその実施状況に関するフォローアップを行うこととし、その結果を行政刷新会議に報告します。