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革新的な医療技術の取扱いなど審議 中央社会保険医療協議会総会

中央社会保険医療協議会の第190回総会は、518日に開催され、診療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会からの報告、医療機器の保険適用、医療保険における革新的な医療技術の取扱いに関する考え方、精神医療などについて審議し、了承しました。

 この中で、「医療保険における革新的な医療技術の取扱いに関する考え方」については、「先進医療制度の手続、評価、運用の見直し」についての案で、「我が国における、いわゆるドラッグラグ、デバイスラグや、我が国発の新医薬品の開発及び実用化の促進等といった課題については、研究開発の支援や、薬事承認の迅速化等が直接のアプローチとなるが、これに加えて、医療保険制度における先進医療制度についても、こうした課題に資するよう、その運用の見直しを行う」としています。

主なものは下記のとおりです。

 

1.医療上の必要性の高い抗がん剤に関する先進医療の実施について

○原則に加え、海外の実績等から一定の安全性等が確認されている抗がん剤については、開発企業の公募中等、長期間治験が見込まれない場合に、これに係る技術を先進医療の対象とする。

○医療上の必要性が高いとされた抗がん剤については、海外における標準的使用状況の情報を活用し、先進医療としての適格性等を先進医療会議(仮称)において確認することにより、先進医療の対象技術として告示する。

○当該抗がん剤を用いた先進医療を実施可能な医療機関の属性をあらかじめ特定し(医療機関群)、これに該当する医療機関については、実施計画書を審査することにより、実施可能とする。

○実施医療機関において、当該先進医療のデータの質を確保することにより、薬事承認の一定の効率化を図る。

 

2.先進医療の申請に必要な国内での数例の実績の効率化について

○先進医療の対象技術の申請においては、国内において数例の実績があることが求められているが、これを満たさない場合であっても、申請された個々の技術や医療機関の特性に応じて、先進医療の実施を認める。

○申請書における実績の記載に替えて、当該技術を有効かつ安全に実施することができる旨の記載を行う。

 

3.現行の先進医療専門家会議及び高度医療評価会議における審査の整理について

○現行の先進医療専門家会議及び高度医療評価会議における審査の効率化、重点化を図ること、取扱いを迅速に行うことを目的として、両会議における審査を一つの会議において行う。

○新たな会議体:先進医療会議(仮称)は、医療技術に関し専門的学識を有する者、保険診療に精通した者、臨床試験・生物統計に精通した者、医療経済学的な評価に精通した者、法律学の専門家等により構成する。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001bu83.html

 

2011/05/20(金) 15:11

武田薬品がスイスNycomed社を買収

武田薬品工業は、519日、スイスのチューリッヒに本社を置くNycomed A/S96億ユーロ(株式価値+純負債ベース)で買収することについて、同社の株式保有者と株式譲渡契約を締結し、発表しました。

発表の内容は次の通り(要旨)です。

 

Nycomed社の買収(子会社化)について―グローバルでのさらなる成長に向けて 

 

 当社は、本日、スイスのチューリッヒに本社を置くNycomed A/S96億ユーロ(株式価値+純負債ベース)で買収することについて、同社の株式保有者と株式譲渡契約を締結しました。本買収は、両社の取締役会において全会一致で承認されたものであり、今後、必要な規制当局の承認を受け、当社はNycomed社の株式100%を取得し、90日から120日の間に同社を子会社化する予定です。

 

 本買収は、「11-13中期計画」における、持続的成長の実現に向けた当社の基本戦略を大きく前進させるものです。本買収によって、当社が高いプレゼンスを有する日本および米国の事業に、Nycomed社が広く自社販路を有する欧州および高い成長を続ける新興国の事業基盤が加わり、当社の開発力・販売力が強化され、当社の製品・パイプラインのポテンシャルが一段と高まることになります。さらに、当社は、将来の成長の源泉となり得るファーストインクラスの慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬「Roflumilast」(一般名、欧州製品名:Daxas)を獲得します。

 

Nycomed社は、業績を牽引するブランド品を中心とした医療用医薬品と、新興国でニーズが高い一般用医薬品を事業の柱に、各国・地域の市場環境や医療ニーズに合った多様な製品の提供を強みとして成功を収めています。同社の2010年の年間売上高は28億ユーロ(買収対象外である米国皮膚科事業を除く)であり、欧州での事業強化と新興国での事業拡大に加え、買収初年度から安定的なキャッシュフローを当社にもたらします。

 

 当社は、Nycomed社のチャレンジ精神溢れる新しい企業文化を、創業以来200年以上の歴史の中で培ってきた当社の企業文化に融合することで、新たなタケダへと変革し、多様な人材が世界中でダイナミックに活躍する真のグローバル製薬企業として、引き続き、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」という経営理念の実現に向けて邁進してまいります。

 

     買収による当社への貢献

     当社の成長戦略(Growth)に大きく貢献

 ・欧州全域における事業基盤の強化

 ・医薬品市場の成長を牽引する新興国における事業拡大

 ・欧州および新興国における開発の専門性や販売力の強化による当社製品・パイプラインの価値向上

 COPD治療薬Daxas(欧州製品名)をドライバーとした力強い成長

     当社の業績に買収直後から貢献

 ・年間売上高を30%強改善

 ・買収に伴う特殊要因除きの営業利益を40%強改善

 ・買収に伴う特殊要因除きのEPS30%強改善

     グローバルでかつ多様な人材が加わることによる企業文化の変革推進

 

http://www.takeda.co.jp/

 

2011/05/20(金) 11:11

東日本大震災に伴う一部負担金免除でQ&A 厚生労働省

厚生労働省は、518日、東日本大震災による被災者に係る医療保険の一部負担金等(窓口負担)免除に関するQ&Aをまとめ、事務連絡を発しました。

 東日本大震災による被災者に係る医療保険の一部負担金等(窓口負担)免除に関しては、「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律等における医療保険関係の特例措置について」(平成2352日付)等において、特例措置の趣旨及び内容について通知するとともに、周知徹底を要請しましたが、今般、東日本大震災により被災した被災者に係る医療保険の一部負担金等の免除に関するQ&Aを作成したもので、保険局国民健康保険課・高齢者医療課が都道府県民生主管部()国民健康保険主管課()・後期高齢者医療主管課()及び都道府県後期高齢者医療広域連合事務局に対して、保険局保険課が全国健康保険協会に対して、それぞれ通知し、保険者や被保険者などへの周知を要請しています。

 なお、Q&Aは近日中に厚生労働省ホームページに掲載する予定です。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001cn29.html

 

2011/05/19(木) 14:40

甲状腺ホルモン薬供給再開への取組等で発表 日本医師会

日本医師会は、ホームページで東日本大震災関連情報を随時更新していますが、517日、医薬品関連の情報を更新しました。

 517日付の情報は、「甲状腺ホルモン薬供給再開への取組等について(8)」で、日本内分泌学会、日本甲状腺学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会、日本小児内分泌学会の関連5学会から、レボチロキシンナトリウム製剤(チラージンS錠等)の供給について、学会員、医療機関、患者家族に周知するものです。

内容は、1.レボチロキシンナトリウム製剤の在庫状況、2.新たな供給ルートの開発の進捗状況、3.長期処方の自粛の部分的解除のお願い、で、あすか製薬とサンドの社内在庫の合計は約2.25か月分となっていること、「有事」に際して承認品の国内生産だけで現時点で直ちにカバーすることはできないが、緊急輸入による供給も合わせれば、供給不足に陥らずにつないで行ける見通しになってきたことを明らかにして、次の通り「長期処方の自粛の部分的解除のお願い」を示しています。

 

◇長期処方の自粛の部分的解除のお願い

 第7(428日付)の時点よりも、2社の社内在庫量が約0.8か月分増加し、2.25か月分となりました。多くの方々のご協力により、さしあたりの供給不足は回避されましたので、3月中旬以来継続してお願いしてきた長期処方の自粛について、再検討すべき時期が来たと考えられます。

 約2か月間にわたる長期処方の自粛の結果、患者宅の家庭内在庫は減少しています。また、受診間隔も短くなっていますので、今後の1か月間には多くの方が受診される予定であると推測されます。この状況で長期処方を全面的に解禁しますと、一挙に大量の処方が行われ、短期間に在庫が底をつく恐れがあります。これを回避するためには、段階的な解除が適切と考えられます。

 すなわち、

 

518日以降のレボチロキシンナトリウム製剤の処方に関するお願い】

 学会員をはじめとする医療従事者は、被災地以外では2か月間(60日間)を限度として処方してくださいますよう、お願い申し上げます。

 

 長期処方の自粛については、厚生労働省からの指導を受けて開始していますが、今回の自粛方法の変更について、当局においても了解をいただいています。

 この先の見通しですが、1か月余り経過したのちに在庫が十分に確保されているようであれば、その時には長期処方の完全解除に進めると期待されます。

 なお、これまで、「学会員をはじめとする医療従事者は、出来る限り必要最小限の最適な処方・調剤に努めて下さい」と繰り返しお願いしてきました。もし、必要量よりも少ない投与量の処方で維持して来られたケースがありましたら、最適な量に復帰していただくようにお願い申し上げます。

 

http://www.med.or.jp/

 

2011/05/18(水) 17:24

テバと大洋薬品工業が戦略的資本提携で合意

世界最大手のジェネリック医薬品メーカーであるテバファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)と大洋薬品工業が戦略的資本提携で合意に達し、516日に発表、両社がホームページ上で明らかにしました。「グローバルな経営資源と日本の経営基盤との融合による新たな成長段階へ」と強調しています。テバが、非上場会社の大洋薬品工業の株式の過半数を取得するものです。

両社の発表の概要は次の通りです。

 

本戦略的資本提携により、テバは、大洋薬品工業に対して、テバの原薬(API)、バイオシミラー、その他の製品ポートフォリオならびにグローバルの経営資源を活用出来るように致します。一方、大洋薬品工業は、国内の販売網、生産設備、研究開発、その他の経営基盤についてテバと融合を進めていくことになります。両社は、日本における企業価値を最大化し、共に日本のジェネリック市場をリードすることを目指します。

 

 テバの社長兼CEOであるシュロモ・ヤナイは、今回の戦略的資本提携に関して次のように述べています。

 「今回の戦略的資本提携により、テバは、急成長している日本のジェネリック市場においてリーダー的役割を果たすという、自社の戦略的目標を達成することが出来ます。実際、日本市場において2015年の売上目標である10億ドルも、当初の予定より前倒しで達成できるものと考えています。大洋薬品工業は、日本全国を広くカバーしているほか、最先端の生産設備、そして幅広い製品ポートフォリオを有しています。これらを、世界最大のジェネリックメーカーであるテバの規模や能力と一体化することにより、確かな品質の多様なジェネリック医薬品を、身近に、日本の多くのお客様に提供できることになります。」

 また、ヤナイは続けて「当社は、大洋薬品工業の歴史を尊重しており、経験豊かな現経営陣をテバに迎え入れることを楽しみにしています。」ともコメントしました。

 

 大洋薬品工業の代表取締役社長である島田誠は、本戦略的資本提携に関して次のように述べています。

 「テバとの戦略的資本提携により、規模の拡大を図ることができ、着実な成長を目指すという当社の戦略を後押しするだけでなく、販売、品質管理、生産を含む全ての事業分野を強化することになると考えています。私達は、この戦略的資本提携によって、ステークホルダーからの信頼を高め、これから、確固たるブランドを確立していくことができるものと確信しています。当社は、今後、テバ・グループでの日本における中核メンバーとして、テバとの強力なシナジーを生み出せるように努力して参ります。」

 

 テバは、総額約370億円(4.6億ドル)の現金を株主に支払うことで、非公開会社である大洋薬品工業の発行済株式総数の約57%を取得することについて最終合意しており、加えて、他の全ての株主からも、上限を定めることなく、株式の取得を進める予定です。大洋薬品工業の企業価値は、負債を含めて約1,040億円(13億ドル)になります。本件の買収資金は、手元資金と銀行借入により調達する予定です。

 なお、島田社長は、本件取引完了後も大洋薬品工業の代表取締役社長を務めます。

 テバは、2011年第3四半期末までに本件取引が完了すると想定しています。本件取引の完了は、大洋薬品工業の株主総会における承認と、一般的なクロージング条件の充足を前提としています。

 

 テバ:全世界における従業員は約40,000人、201年純売上高は161億ドル

 大洋薬品工業:従業員は約900人、20113月期売上高は約514億円(見込み)

 

http://www.taiyo-yakuhin.com/

http://www.teva.jp/

 

 

2011/05/17(火) 17:38

お薬手帳の活用も効果 日本薬剤師会が東日本大震災にかかる2ヶ月間の救援活動を公表 

日本薬剤師会は、513日、ホームページに、プレスリリース「東日本大震災に係る薬剤師会の救援活動について」を掲載しました、

 日本薬剤師会では、東日本大震災が発生した311日、直ちに児玉孝会長を本部長とする災害対策本部を立ち上げるとともに、都道府県薬剤師会との連携のもと、被災地における医薬品の安全・安心な供給と使用を確保するため、継続的に薬剤師の派遣等を行っています。今回は、第2報として、2ヶ月間の活動状況の概要を、511日現在でまとめ、発表したものです。

 主な内容は次の通りです。

     派遣した薬剤師数

(1)   派遣薬剤師数

     岩手県:実人数220人、延べ人数 992

     宮城県:実人数843人、延べ人数3,450

     福島県:実人数403人、延べ人数1,417

     茨城県:実人数  4人、延べ人数   13

合計  実人数1,470人、延べ人数5,872

(2)   参加都道府県薬剤師会数

     44都道府県(被災3県を除く)

(3)   派遣種類別の人数

     薬剤師会の支援活動としての派遣(自県対応分を除く):実人数1,149人、延べ人数4,417

     都道府県医師会との連携に基づく派遣(JMATへの参加等):実人数124人、延べ人数521

     都道府県等、自治体からの支援要請に基づく派遣:実人数137人、延べ人数675

     その他による派遣:実人数60人、延べ人数259

この他に、日本病院薬剤師会にも57日現在で、228人の病院薬剤師から派遣協力申出があり、派遣先と活動開始の日程調整が済んだ者から順次、被災地の医療機関に向けて派遣されている。

また、日本チェーンドラッグストア協会および日本保険薬局協会等の関係団体からも、薬剤師派遣や医薬品・衛生用品等の提供がなされている。

     派遣先での活動内容例

(1)   医薬品集積所等での医薬品の仕分け・管理、並びに救護所・避難所への払い出し業務

(2)   救護所・仮設診療所等における被災者に対する調剤および服薬説明

(3)   派遣された医療チームに同行して、処方支援・医薬品の識別・代替医薬品の選択、それに伴う服薬説明等を通じた安全・適正使用の確保

(4)   各避難所を巡回し、避難された被災者からの医薬品に関する相談・服薬説明に加えて、一般用医薬品(OTC薬)の適切な使用とその相談(OTC薬で対応が可能と考えられる被災者に対しては、救護所等での診察の前に薬剤師が症状等を聞き、適切なOTC薬を供給している。これにより、医療チームは多くの患者への対応の診察が可能になっている)

(5)   避難所等における衛生管理並びに防疫対策への協力(ノロウイルス対策としての手指消毒など)

(6)   避難所生活の長期化に伴う、栄養バランスの悪化に対する総合ビタミン剤の供給

     お薬手帳等の服薬情報の活用

今回、救護所で活動している薬剤師は、避難所等へ避難されている糖尿病や高血圧等の慢性疾患の被災者から被災前に使用していた薬を聞き取り、「お薬手帳」に薬剤名等を記載する取り組みを行っている。これにより、医療チームの医師は効率的な診察を行うことができ、多くの患者の診察が可能となっている。

また、医療チームの一員として派遣された薬剤師が、救護所で処方された薬剤名等を「お薬手帳」に記載して配付することで、被災者の方々は処方薬を自己管理し、間違うことなく服用でき、さらにその後別の避難先で診療を受けた場合にも、継続した薬物療法を受けることが可能となっている。

このように、今回の震災では「お薬手帳」の活用が医薬品の安全な使用に効果を挙げているが、こうした実績を踏まえ、日本薬剤師会に対しては厚生労働省より「お薬手帳の配付」について依頼がなされた。

日本薬剤師会では、これまで約1万冊の「お薬手帳」を被災地の救護所などへ提供した。また、都道府県薬剤師会からは約5万冊の「お薬手帳」が提供されており、派遣薬剤師が被災地へ「お薬手帳」を持参し、配布している。その他、日本病院薬剤師からも約7,000冊の「お薬手帳」が提供されている。

日本薬剤師会等では今後も、被災地のニーズに合わせ、継続的に「お薬手帳」を提供する予定である。

 

 なお、発表では、今後の活動予定、被災地における機能的・総合的な医療・介護の復興の必要性も示されていますが、「今回の震災で、医療・介護における薬局・薬剤師の必要性が再認識されたものと認識している。したがって、そのスキームには、必ず薬局を組み込むことが不可欠である」と強調しています。

 

http://www.nichiyaku.or.jp/

 

2011/05/16(月) 15:06

日本薬剤師会がボランティア派遣状況発表

日本薬剤師会は、511日、ホームページにボランティア派遣状況調査(2)の集計結果を掲載しました。511日時点で、延べ派遣人数は4,417名に達しています。派遣先内訳は、宮城県2,576名、福島県1,259名、岩手県578名、茨城県4名です。自県内の対応は除いています。

 薬剤師の派遣状況は、実人数が1,470(薬剤師会1,149名、JMAT124名、自治体137名、その他60)、延べ人数が5,872(薬剤師会4,417名、JMAT521名、自治体675名、その他259)となっています。

 都道府県別派遣人数は、東京都が実人数112名、延べ人数536名、茨城県が実人数104名、延べ人数172名、長野県が実人数93名、延べ人数405名、山形県が実人数81名、延べ人数192名、兵庫県が実人数72名、延べ人数304名、福岡県が実人数57名、延べ人数226名、千葉県が実人数56名、延べ人数220名、神奈川県が実人数54名、延べ人数246名、大阪府が実人数52名、延べ人数255名、新潟県が実人数51名、延べ人数191名、などとなっています。

 

http://www.nichiyaku.or.jp/

2011/05/13(金) 16:28

2012年度診療報酬・介護報酬同時改定で5項目を国に要請 日本医師会

日本医師会は、512日、記者会見で、2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定について5項目を国に要請することを発表しました。

日本医師会は、国の政策や様々な問題・事象に対する見解や、新たな行動指針・活動計画・成果報告などを紹介するため、役員が報道各社に対して定例記者会見を行っており、ホームページで会見の内容や提出した資料を紹介していますが、512日の記者会見では、(1)2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に関する日医の方針、(2)地域医療再生基金の活用に関する要望、(3)文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における暫定的な考え方」に対する日医の見解、について発表しました。

 この中で、「2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に関する日医の方針」、「地域医療再生基金の活用に関する要望」については次の通りです。

 

     2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定についての日本医師会の申し入れ(要請)

 

日本医師会は、以下の5項目を国に対して要請する。

1.2012年度の診療報酬、介護報酬同時改定を見送ること。

2.今年度の医療経済実態調査、薬価調査・保険医療材料価格調査を中止すること。

3.介護報酬の改定は見送るが、介護保険料の決定のために必要なことは行なうこと。

4.不合理な診療報酬、介護報酬については、留意事項通知や施設基準要件の見直しなどを行なうこと。

5.必要な医療制度改革は別途行なうこと。

 

     東日本大震災からの地域医療再生に向けての日本医師会の要望―地域医療再生基金の活用について―

 

今回の東日本大震災による被災地の医療の再生、復興支援のためには、大規模な予算措置が求められる。日本医師会は、その一環として、地域医療再生基金の活用の見直しと、新たな基金の創設を要望する。

1.地域医療再生基金の柔軟な活用

(1)   被災地の県に対しては、交付上限額を超えて十分な財源を投入すること。

(2)   被災地の県においては、対象地域の医療圏に限定せず、また事業内容が限定されることなく、柔軟に個別の医療機関に対する復興支援に活用できるようにすること。

2.被災地の医療の復興と全国の医療機関の防災対策のための基金の創設

(1)   地域医療の確実な再生を図るため、相当の予算規模を確保し、かつ中長期的な期間にわたり活用できるようにすること。

(2)   被災地以外の都道府県においても、防災対策のために活用できるようにすること。

 

 要望には、「参考」として、地域医療再生基金の活用例―被災地の要望を踏まえた日本医師会の提案も示されています。

 

http://www.med.or.jp/
2011/05/13(金) 15:36

福祉医療機構が東日本大震災に係る災害復旧資金

独立行政法人福祉医療機構は、52日、平成23年度第1次補正予算成立に伴う東日本大震災に係る「災害復旧資金」について発表しました。

 福祉医療機構は、社会福祉・医療事業団の事業を継承し、平成15101日に福祉の増進と医療の普及向上を目的として設立された独立行政法人で、福祉施設や医療施設に対する融資や経営支援など福祉・医療に関する多種多様な商品・サービスを一体的に実施しています。

 東日本大震災に係る「災害復旧資金」等に関しては、被災した医療施設、薬局、社会福祉施設等の復旧の支援として、52日に成立した第1次補正予算で、貸付利率を一定期間無利子とし、融資率を100%とするなどの更なる優遇を行っております。

 厚生労働省医政局総務課では、52日、各都道府県、指定都市、中核市の衛生主管部局に対して、「独立行政法人福祉医療機構による医療施設等に対する融資について(平成23年度第一次補正予算における措置)」の事務連絡を発しました。

 事務連絡では、「今回の東日本大震災においては、医療施設、薬局等が全半壊する等の被害も多数発生しており、その復旧を図ることは喫緊の課題であります」として、福祉医療機構の医療貸付優遇措置について紹介、自治体に対して「被害に関する証明書の発行等、関係機関等に対する周知について、特段の配慮をお願いします」と要請しています。

 

東日本大震災に係る災害復旧資金(医療貸付)については、被災された医療関係施設の開設者であって、その旨が確認できる被害に関する証明書等(市町村長その他相当の機関が発行)の提出が可能な人を対象としています。

 貸付対象施設は病院、診療所、介護老人保健施設、医療従事者養成施設、助産所、指定訪問看護事業及び薬局((調剤部門に限る・新規追加)。貸付金の種類は建築資金、機械購入資金、長期運転資金で、融資率は100%(通常は70~80%)です。

建築資金については所要額の100%とし、他の資金についてはそれぞれ上限額の引き上げ等の措置を講じています。1,000万円まで無担保の融資が可能です。(建築資金は、通常は病院と介護老健が72,000万円、診療所が5億円となっています)

 機械購入資金は、病院が高額144,000万円(通常72,000万円)、一般2億円(通常はなし)、診療所が5,000万円(通常2,500万円)、介護老健が1億円(通常5,000万円)。長期運転資金は診療(介護)報酬の3か月分(通常は病院1,500万円、診療所300万円、介護老健1,000万円)です。

 償還期間(据置期間)については、建築資金に係る据置期間について最長5年間まで延長(従来は最長3年間)。また、機械購入資金(先進医療機器に係るものを含む)及び長期運転資金について償還期間と据置期間を延長しています。

 

http://hp.wam.go.jp/

 

2011/05/13(金) 12:42

学生・生徒のボランティア活動に関する単位付与で通知 東日本大震災で文部科学省や厚生労働省が

文部科学省初等中等教育局、同高等教育局、厚生労働省医政局、同健康局などは、511日、都道府県教育委員会や国公私立大学、都道府県医務主幹部局、地方厚生局健康福祉部などに対して、「東日本大震災に伴う各学校養成施設等における学生・生徒のボランティア活動に関する単位付与について」の事務連絡を発しました。

 この事務連絡の対象職種は看護師、準看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士など21職種で、内容は次の通りです。

               ◇

今般の東日本大震災の発生に伴い、各学校養成施設等における学生・生徒のボランティア活動について、下記のとおり考えておりますので、各都道府県及び地方厚生局におかれましては、管内の学校養成施設等に対し、この旨周知いただきますようお願いいたします。

なお、国公私立の各大学に対しては、別途平成2341日付け23文科高第7号「東北地方太平洋沖地震に伴う学生のボランティア活動について(通知)」において周知を行ったものと同旨ですので、念のため申し添えます。

              記

ボランティア活動に関する単位付与について

各学校養成施設等の学生・生徒が行うボランティア活動が授業の目的と密接に関わる場合は、各学校養成施設等の判断により、ボランティア活動の実践を授業の一環として位置づけ、基礎分野の科目(準看護師養成所にあっては、基礎科目の「その他」の科目。理容師養成施設及び美容師養成施設にあっては、選択必修科目。保育士養成施設にあっては、教養科目)として単位を付与することとして差し支えない。

なお、各学校養成施設等においては、証明書を取得するなどして学生・生徒が行ったボランティア活動の把握をしておくこと。

 

因みに、41日付の「東北地方太平洋沖地震に伴う学生のボランティア活動について」の通知では、ボランティア活動のための就学上の配慮、ボランティア活動に関する安全確保及び情報提供について要請しています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001btla.html

 

2011/05/11(水) 17:05