2012年度診療報酬・介護報酬同時改定で5項目を国に要請 日本医師会
日本医師会は、5月12日、記者会見で、2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定について5項目を国に要請することを発表しました。
日本医師会は、国の政策や様々な問題・事象に対する見解や、新たな行動指針・活動計画・成果報告などを紹介するため、役員が報道各社に対して定例記者会見を行っており、ホームページで会見の内容や提出した資料を紹介していますが、5月12日の記者会見では、(1)2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に関する日医の方針、(2)地域医療再生基金の活用に関する要望、(3)文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における暫定的な考え方」に対する日医の見解、について発表しました。
この中で、「2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に関する日医の方針」、「地域医療再生基金の活用に関する要望」については次の通りです。
◇ 2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定についての日本医師会の申し入れ(要請)
日本医師会は、以下の5項目を国に対して要請する。
1.2012年度の診療報酬、介護報酬同時改定を見送ること。
2.今年度の医療経済実態調査、薬価調査・保険医療材料価格調査を中止すること。
3.介護報酬の改定は見送るが、介護保険料の決定のために必要なことは行なうこと。
4.不合理な診療報酬、介護報酬については、留意事項通知や施設基準要件の見直しなどを行なうこと。
5.必要な医療制度改革は別途行なうこと。
◇ 東日本大震災からの地域医療再生に向けての日本医師会の要望―地域医療再生基金の活用について―
今回の東日本大震災による被災地の医療の再生、復興支援のためには、大規模な予算措置が求められる。日本医師会は、その一環として、地域医療再生基金の活用の見直しと、新たな基金の創設を要望する。
1.地域医療再生基金の柔軟な活用
(1) 被災地の県に対しては、交付上限額を超えて十分な財源を投入すること。
(2) 被災地の県においては、対象地域の医療圏に限定せず、また事業内容が限定されることなく、柔軟に個別の医療機関に対する復興支援に活用できるようにすること。
2.被災地の医療の復興と全国の医療機関の防災対策のための基金の創設
(1) 地域医療の確実な再生を図るため、相当の予算規模を確保し、かつ中長期的な期間にわたり活用できるようにすること。
(2) 被災地以外の都道府県においても、防災対策のために活用できるようにすること。
要望には、「参考」として、地域医療再生基金の活用例―被災地の要望を踏まえた日本医師会の提案も示されています。