matsuda's blog

田辺三菱製薬が難病患者団体支援活動

田辺三菱製薬は、1015日、「難病患者団体支援活動~手のひらパートナープログラム」の募集開始を発表しました。

田辺三菱製薬は、「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」を企業理念として事業活動を行っています。しかしながら、世界中の製薬会社が、その力を尽くし見つけ出した医薬品でも、治すことのできない難病が未だに数多く存在することも事実です。

田辺三菱製薬は、これら難病に対する新薬の開発に取り組むとともに、病気に苦しむ患者さんやそのご家族への支援を行うことも大切な使命であると考え、本年創立5周年を機に「田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム」を創設し、患者さんの療養・就労生活の改善等、QOL向上実現のために取り組んでいる難病患者団体およびその支援団体への助成を開始することにしました。

 

【募集概要】

応募受付期間:20121015~1130

助成対象活動:1.患者さんおよびそのご家族ならびにその支援者の方々の共通課題の解決に向けた活動。

2.当該団体の所属会員の社会参加を支援する、または啓発する活動。

3.積極的な社会への啓発活動や当該団体の所属会員の自己啓発活動など、社会との係わり合い継続的に進めている活動。

4.当該団体の自立や役員・リーダー・相談員の支援や育成が期待できる活動。

助成対象団体:難病(厚生労働省が定める難病性疾患克服研究事業対象疾患130疾患)の患者さんとそのご家族関係者が所属する団体であればどの団体でも応募できますが、日本国内に主たる活動拠点を有する団体とします。

助成金額・採択件数:助成総額1,000万円。1件の助成金額の上限は100万円。概ね10件から15件程度の採択を予定しています。(1団体1申請)

助成期間:201341~2014331日の1年間の活動に対する支援です。

応募方法:所定の申請書に必要事項を記載し、必要書類を添付の上、事務局宛に郵送。

申請書送付先・問い合わせ先:公益財団法人日本フィランソロピー協会

100-0004 東京都千代田区大手町221 新大手町ビル244 「田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム」」事務局宛

TEL0352057580(平日の9:30~17:30)FAX0352057585

E-mailtenohira@philanthropy.or.jp

 

http://www.mt-pharma.co.jp/index.php

2012/10/16(火) 16:44

エスエス製薬が鼻水・鼻づまり・くしゃみに関する実態調査

エスエス製薬では、誰もが経験したことのある鼻水・鼻づまり・くしゃみなど鼻炎症状についての意識と実態を探ることを目的に、全国の20代から60代の男女1000名を対象に調査を行いました。調査は、845日にインターネットにより行われ、1010日、その結果を発表しました。

鼻水・鼻づまり・くしゃみといった鼻炎症状は、カゼなどの急性鼻炎や、スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎がよく知られています。アレルギー性鼻炎の患者数は年々増加しており、39.4%の人がアレルギー性鼻炎とされ10年間で10ポイントも増加しています。特に、有病率が26.5%とされるスギ花粉症は影響の大きさからも社会問題として取り上げられますが、実は「通年性アレルギー性鼻炎」もほぼ同程度の23.4%の人々が罹患しているとされています。

本調査からは、「通年性アレルギー性鼻炎」の可能性がある人が多いことが明らかになり、また、アレルギー性鼻炎はカゼとの見分けが難しいことや、アレルギー性鼻炎が疑われる"カゼでもスギ花粉症でもない鼻の症状"の対処がなおざりになっている実態が明らかになりました。アレルギー性鼻炎に関する理解が広まり、適切な対処をすることで大勢の人の生活が改善する余地はまだまだ大きいようです。

 

"カゼでもスギ花粉症でもない鼻の症状"

     「くしゃみ」「鼻がむずむず」などを4(40.7%)が経験

 

4人に1人が通年性アレルギー性鼻炎の疑い?

     全体の4人に1人が「どのシーズンでも」症状に困る(24.9%)

 

カゼとアレルギー性鼻炎は似て非なるもの

     カゼとアレルギー性鼻炎を"見分けられない"人は41.4%

     カゼとアレルギー性鼻炎で対処法を分けない43.3%

 

"カゼでもスギ花粉症でもない鼻の症状"の鼻水、周囲も気にする「すすってやりすごす」

     鼻水が出た際に4(42.6%)が「鼻をすすってやりすごす」

周囲の鼻すすりが不快な人4(40.1%)

 ・女性の4(40.2%)が「口で息をして」その場をしのぐ

 

http://www.ssp.co.jp/

2012/10/12(金) 13:16

がん患者さん・ご家族の意識・実態調査 ファイザーが実施

ファイザーは、1011日、《がん患者さん・患者さんのご家族における意識・実態調査結果》を発表しました。患者さん・ご家族ともに7割以上が治療サポート制度の存在を知らない、セカンドオピニオン制度も8割以上は知っているが、活用は2割以下、ということを明らかにしています。

日本人の2人に1人ががんに罹り、3人に1人が亡くなる時代となりました。がんは国民病の一つとして、多くの人々に認知されています。しかし、がんはその種類や進行度合いにより、症状や治療プログラムなどが大きく異なり、未だ特別視される風潮・就労の問題など、がんに対する社会的理解やがん患者さん・患者さんのご家族を取り巻く環境は必ずしも十分とはいえません。

 

ファイザーは、こうした現状を鑑み、下記の通り調査を実施しました。

形式:インターネット調査

対象:がん患者さん・がん患者さんと同居しているご家族各1,000人、計2,000

目的:検診から診断・治療まで、どのような想いを持ち、どのような行動をとられているかを問い、がん治療・サポート体制の現状・課題を把握する。

調査期間:2012530~61

 

今回の調査により下記の点が明らかになりました。

1)満足度を左右する治療方法に対する説明

・約2割の患者さんが、治療方法の選択の際、「自分に相談なく医師が決定した」。治療満足度50ポイント未満の患者さんでは、その割合は約3割に増加。一方、治療満足度50ポイント以上の患者さんでは、2割未満。

2)認知不足の治療サポート体制

・患者さん、ご家族ともに7割前後の人が治療サポート制度の存在を知らない。実際に利用した経験のある人は1割未満。

・治療を受ける際、「治療サポート制度」について説明を受けていない割合は、患者さん、ご家族ともに半数以上。

3)認知は高いが活用されていないセカンドオピニオン制度

・患者さんの9割近くはセカンドオピニオンの存在を知っているが、利用は2割以下。ご家族でも8割近くは知っているが、患者さんに利用を勧めた経験は2割。

4)就労中止による家族・周囲との関係の影響

・がんの診断を受けてから「家族との関係が変化した」と回答した人は2割強。しかし、がんが原因で就労をやめた患者さんでは、「関係が変化した」割合が3割半ばに増加。

・診断結果を聞いてから、家族、周囲の人にサポートをお願いした経験  は3割半ば。一方、がんが原因で就労をやめた患者さんでは、5割半ばとサポートを必要とする割合が増加。

 

http://www.pfizer.co.jp/pfizer/index.html

2012/10/12(金) 12:50

「健康寿命をのばそう!Smart Life Project」施策展開 厚生労働省

厚生労働省では、国民の生活習慣を改善し、健康寿命をのばすための運動「Smart Life Project(スマートライフ プロジェクト)を実施します。

このプロジェクトは、趣旨に賛同する企業・団体に広く参加を呼びかけ、より多くの人々の健康づくりの意識を高め、行動を変えるよう働きかける機会とすることを目的とした取り組みで、平成232月からスタートしました。賛同企業・団体数は101日現在、561団体にのぼります。

今年度は、この取り組みをさらに広く啓発するために、会員企業・団体・自治体などの優れた取り組みを表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」を創設するほか、健康づくりイベントや公式ウェブサイトでの情報発信などの各種施策を行います。

<主なイベント、施策>

     「第13回健康日本21全国大会」の開催

「健康日本2121世紀における国民健康づくり運動)」の普及・推進、健康づくりに関する情報交換や関係者間の交流促進、具体的取り組みに関する情報発信を目的として、「健康日本21全国大会」を開催します。第13回東京大会では、平成25年度開始の「健康日本21(第二次)」に向け、生活習慣病予防に関するメッセージを発信します。

日時:平成24101910:00~15:00

会場:東京大学伊藤謝恩ホール(伊藤国際学術研究センター地下2)

テーマ:「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 健康寿命をのばそう!」

     「健康寿命をのばそう!フェスティバル」の開催

「第29回全国都市緑化フェアTOKYO(929~1028)と連携し、緑の中で身体を動かすことで健康に対する意識を高め、健康づくりのきっかけとなるようなイベントを開催します。

期間:平成241019~10219:30~16:30

場所:上野恩賜公園(第29回全国都市緑化フェアTOKYO内)

テーマ:「緑の力で健康寿命をのばそう!」

内容:健康診断・体力測定コーナー、野菜マルシェ出展、ウォーキングイベント&健康トークセミナー(1020日のみ)、関連団体・サポート企業展示

     「健康寿命をのばそう!アワード」創設

厚生労働省では、平成24年度から、自治体・団体・企業などでの健康増進、生活習慣病予防の啓発活動の奨励・普及を図るため、優れた取り組みを表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」を創設します。

目的:Smart Life Projectが推進する3つの分野(適度な運動、適切な食生活、禁煙)を中心とした健康増進、生活習慣病予防に貢献する、優れた取り組みの奨励・普及を図ること。

募集対象:生活習慣病予防の啓発活動および健康寿命をのばすことを目的とする優れた取り組みを行っている企業・団体

募集部門:1.自治体部門、2.団体部門、3.企業部門

募集期間:平成241019~1214

表彰:厚生労働大臣賞最優秀賞1社、部門ごとに厚生労働大臣賞優秀賞各1社、部門ごとに厚生労働省健康局長賞優良賞各5社以内ほか

表彰式:20133月上旬 東京都内にて実施(予定)

     ウェブサイトでの情報発信

公式ウェブサイトで、「Smart Life Project」についての情報を提供しています。

URLhttp://www.smartlife.go.jp「スマートライフ」で検索

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002lpyu.html
2012/10/12(金) 12:46

国立病院総合医学会とノバルティスファーマが神戸で市民公開講座

66回国立病院総合医学会とノバルティスファーマは、111714:00~16:30に神戸国際展示場で、第66回国立病院総合医学会市民公開講座「『たばこの煙のない社会を目指して』~大切な人がたばこで命を落とさないために」を開催します。参加費は無料で、参加者1,200名を115日まで募集しています。

この市民公開講座では、国立病院機構大阪医療センター臨床研究センター長是恒之宏先生を座長にお迎えし、大阪がん循環器病予防センター予防推進部長中村正和先生から喫煙の害や禁煙の方法をわかりやすく講演していただきます。また、スペシャルゲストの俳優・石田純一氏や淡路カントリー倶楽部支配人の岡本良一氏から禁煙の経験談を語っていただき、一般の方々に、受動喫煙の害や禁煙の大切さについて理解していただくことを目的としています。

 

申し込み方法

①郵便番号、②住所、③氏名(ふりがな)、④性別、⑤年齢、⑥参加希望人数(申込者含め4名まで)、⑦電話番号(日中連絡がつく番号)、⑧FAX番号をご記入のうえ下記宛先まで。

FAX0352275565

はがき:〒112-0014 東京都文京区関口1236 プラザ江戸川橋310 株式会社ストリームス内 「第66回国立病院総合医学会 市民公開講座」登録事務局宛

     禁煙サポートサイト「いい禁煙」(http://www.e-kinen.jp/index.html)

のフォームからも申し込めます。

 

http://www.novartis.co.jp/

 

2012/10/10(水) 15:58

乳がん患者と医療スタッフとのコミュニケーションを円滑にするための冊子を作成 日本イーライリリーなど

特定非営利法人キャンサーネットジャパン、日本イーライリリー株式会社、株式会社毎日放送、アメリカンホーム保険会社は、近年の乳がん治療法の多様化に対応するため、乳がんに関する基礎知識や、医師に質問すべきことなどをまとめた冊子『もっと知ってほしい乳がんのこと』を作成しました。104日に発表しました。

本冊子を活用することで、乳がん患者さんが納得のいく治療を受けられるようになることを目的としています。今後、本冊子をがん診療連携拠点病院397施設、その他がん患者相談窓口を含む医療機関などに送付するほか、各団体・企業を通じて配布します。また、がん医療情報サイト「キャンサーチャンネル」(URLhttp://www.cancerchannel.jp/)や、各企業のホームページなどからも入手できます。

乳がんは、女性がかかりやすいがんの第1位です。乳がんは30代から急増し、40~50歳代の女性に特に多くみられます。その後ゆるやかに減少しつつも80代まで高い確率で推移していきます。日本人で1年間に新たに乳がんと診断された人の数は2005年には50,695人、その数はこの10年の間に、1995年の31,174人から、おおよそ2万人も増加しています。乳がんで死亡した人の数は、2008年には11,797人です。

本冊子は、独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床腫瘍部研究部長大野真司先生の監修のもと、乳がんそのものや標準的な治療などについて、患者さんやご家族などの支援される方が知っておきたいことを全20ページにまとめています。また、冊子には、MBSのニュース番組VOICEが展開している、がん検診啓発キャンペーン"Jump over Cancer"の協力のもと、患者さんと支援されるご家族などの体験談をPatients Voice(患者の声)として掲載しています。

 

https://www.lilly.co.jp/

 

2012/10/10(水) 15:03

ジェネリック体験談入賞21作品を選定 沢井製薬が発表

沢井製薬は、201274日から810日まで「『わたしとジェネリック』エピソードキャンペーン」を実施し、このたび、応募1,355作品の中から入賞21作品を選定、109日よりコーポレートサイトにおいて掲載を開始しました。

本キャンペーンは、沢井製薬が行うジェネリック医薬品啓発活動の一環として、ジェネリック医薬品にまつわる患者さんや、その周りのご家族、ご友人などの声をより多くの方々にお届けしたいという思いのもと、2008年より実施しており今年で4回目となります。今回、全国より1,355作品という多数の応募をいただき、厳正なる審査の結果、<ジェネリックエピソード大賞>1作品、<優秀賞>5作品、<ジェネちゃん賞>15作品が決定しました。

寄せられた作品には、ジェネリック医薬品を介した家族や医療関係者とのコミュニケーションなどの心温まるエピソードや、自己負担額の軽減や国の医療費削減に寄与できた喜びのエピソード、価格だけではない製剤工夫などジェネリック医薬品ならではの特徴を実感したエピソードなど、実体験を通じたさまざまな声がありました。

 

入賞作品

【大賞】 「お母さんの、七夕のお願いは・・・」:サイフにやさしいジェネリック

【優秀賞】 「病院嫌いが、克服できた理由は?」:ジェネリックが生んだコミュニケーション

「医師のひとことに、あわてた後に。」「薬局のポスターが、きっかけです。」「誠意を感じた言葉でした。」「5種類のうち、4種類が!」:意外と知らないジェネリックのこと

【ジェネちゃん賞】 「長期休職中、救われました。」「ジェネリックは、若者の味方!」「家計を圧迫していた薬代。」「浮いたお金で、買うものは・・・。」「ベビーちゃんへのプレゼント!」:サイフにやさしいジェネリック

「家庭菜園、始めました。」「家族でお願いカードを!」「待ち時間、長引く?誤解です!」「また、お会いしたいです。」「きっかけは、『薬局なら!』」「『がんばる』気持ちをくれました。」「健康管理のパートナーは・・・」:ジェネリックが生んだコミュニケーション

「小さな差額でも、国民が取り組めば・・・」「ふたつの嬉しいデビュー!」「価格も安く、飲みやすい!」:意外と知らないジェネリックのこと

 

沢井製薬は今後も企業理念"なによりも患者さんのために"のもと、一般・患者さんに向けたジェネリック医薬品の啓発を進めるとともに、医療関係者の皆様に対してジェネリック医薬品の理解を深めていただけるよう積極的な情報提供を行い、日本においてジェネリック医薬品がさらに普及するよう努めていきます。

 

http://www.sawai.co.jp/

2012/10/10(水) 13:12

奈良県が漢方薬シンポジウム2012開催

奈良県は、1118日、「漢方薬シンポジウム2012」を開催します。

今回は、伝統ある漢方薬や生薬と最新の情報通信技術(ICT)を利用した具体的な取り組みを紹介し、今後の健やかな生活や優れた医療のあり方を考えます。

内容は次の通りで、参加費無料。参加申し込みは郵便番号、住所、氏名、連絡先を記入の上、ハガキ・ファクシミリ・E-mailのいずれかで。申込締切りは119日。

<問い合わせ先・参加申し込み先>

奈良県医療政策部薬務課

630-8501 奈良市登大路町30

TEL0742278673

FAX0742273029

E-mailnarayaku@office.pref.nara.lg.jp

 

<日時>

111810~12

<場所>

奈良県立医科大学大講堂(橿原市四条町840番地)

<プログラム>

ICT時代の漢方の活用」:慶應義塾大学准教授渡辺賢治氏

ICTを利用したヘルスケアマネージメントの推進」:

奈良女子大学教授城和貴氏

奈良女子大学特任准教授梅田智広氏

パネルディスカッション「伝統あるモノと新しいモノで元気で長生きを実現」

コーディネーター:奈良県立医科大学附属病院病院長古家仁氏

パネラー:慶應義塾大学准教授渡辺賢治氏

  奈良女子大学教授城和貴氏

  奈良女子大学特任准教授梅田智広氏

  日本生薬連合会技術参与嶋田康男氏

 

http://www.pref.nara.jp/

 

2012/10/04(木) 17:29

日本医師会が野田第3次改造内閣発足で見解

日本医師会は、103日の定例記者会見で、「野田第3次改造内閣発足を受けて」のコメントを発表しました。

内容は次の通りです。

 

101日に野田第3次改造内閣が発足いたしました。今回の厚生労働大臣、副大臣、政務官には5名中3名が医療専門職の経験のある方が就任されました。三井大臣、櫻井副大臣、梅村政務官におかれましては、医療現場の経験を生かされ、厚生労働行政をリードして行かれることを望みます。

さて、発足以来50年を経過した我が国の国民皆保険制度は、世界に冠たる制度であります。我が国の公的医療保険制度の基本理念として、①すべての国民が同じ医療を受けられる制度、②すべての国民が支払能力に応じて公平な負担をする制度、③将来にわたって持続可能性のある制度、の3点が必要です。

公的医療保険制度をさらに充実させるためには、地域医療の再興が必要であります。地域医療は、それぞれの地域で必要とされる医療を適切に提供していく仕組みが重要であり、都道府県や市町村等地域の実態に基づいたものとすべきです。

具体的には、ボトムアップ型としての地域医療提供体制の再構築に向けて、地域の医療・介護から福祉まで全体を見据えたニーズを見極め、急性期だけではなく、予防、亜急性期、回復期、慢性期、在宅医療まで、「切れ目のない医療・介護体制」という視点が必要です。地域の実情が充分に反映され、家族のあり方に考慮した多様な提供体制、地域の自由度の高い制度の設計をすべきであります。

特に高齢者人口は、首都圏をはじめとする都市部を中心に増加することが見込まれており、あわせて疾病構造も変わり、疾病予防や介護予防が重要になると考えられます。地域によって医療資源は異なっており、地域において予測された医療ニーズをもとに、かかりつけ医機能を中心としたそれぞれの地域の医療提供体制を構築する必要があります。

一方、社会保障・税一体改革関連法は本年810日に成立しましたが、国が現在進めている社会保障・税一体改革につきましては、消費税率の引き上げにより社会保障の安定的財源が確保されたこと、消費税収を年金、医療、介護、少子化のために充当することが明確化されたことを評価いたします。

また、控除対象外消費税の解消につきましては、法律に明記されているように、税制に関する決定権限を持つ検討の場を早急に設置すること、社会保険診療報酬等に対する消費税の非課税制度を仕入税額控除が可能な制度に改め、かつ患者負担を増やさない制度に改善することを求めたいと思います。

なお、社会保障制度改革推進法には、公的医療保険制度について、「原則として全ての国民が加入する仕組みを維持する」とされており、例外をつくる可能性が示唆されています。国民皆保険は、経済力によって受けられる医療に格差が生じることなく、すべての国民が加入することが大前提であり、かつ、①公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること、②混合診療を全面解禁しないこと、③株式会社を医療機関経営に参入させないこと、が重要であります。給付範囲の縮小や、国民が受けられる医療の格差拡大につながらないよう、しっかりと注視していきたいと思います。

なお、特例公債法案につきましては、政府が今年度一般会計予算の執行を抑制している現状であり、国民の生命、健康、さらには生活が脅かされることのないよう、決められる政治により早期に成立することを望みます。

今後、社会保障に関する具体的な検討は社会保障制度改革国民会議で進められます。社会保障は、国民の生命と安全を守るためにあります。政府は、国民の生命と健康を守る専門家集団である日本医師会を社会保障制度改革国民会議に参画させ、意見を真摯に取り入れるべきです。

どのような政治状況になろうとも、日本医師会は国民の生命と健康を守る医療現場の意見を述べていきます。

 

 

http://www.med.or.jp/

 

2012/10/04(木) 15:49

日本薬剤師会が野田第三次改造内閣発足で見解

日本薬剤師会は、101日、野田第三次改造内閣発足に伴う見解を発表しました。

内容は次の通りです。

 

本日、野田内閣総理大臣は内閣改造を行い、野田第三次内閣が発足しました。今回の内閣改造は、18の閣僚枠のうち10名が新たに入閣するなど、大規模な改造となっております。

 

また、今回、薬剤師として初めて、三井辨雄氏が厚生労働大臣に就任されました。三井氏は、三井薬品株式会社代表取締役、医療法人理事長等の経験を有して代議士となられ、これまで、衆議院厚生労働委員会筆頭理事など、厚生労働行政のエキスパートとして活躍されてきました。本会として、同じ薬剤師の資格を有する三井氏が厚生労働大臣に就任されましたことは歴史的なことであり大変誇らしく、今後の厚生労働行政のさらなる発展のため、そのリーダーシップを遺憾なく発揮されるものと期待しております。

同時に、約1年にわたり厚生労働行政に大変なご尽力をされてきた、小宮山洋子前厚生労働大臣に心より敬意を表するものであります。

 

文部科学省においても、新たに田中眞紀子氏が大臣に就任されました。薬学教育六年制は、本年、最初の卒業生が社会に巣立つなどその緒についたばかりであり、また、学校薬剤師による薬物乱用防止・ドーピング防止活動等の社会的な必要性も高まっております。本会では、引き続き文部科学省と連携して、薬学教育・学校薬剤師活動等の発展に努力していきたいと考えております。

 

新内閣におかれては、国民の安全・安心のため、一丸となって各種医療政策などに取り組まれることを期待しますとともに、本会では今後とも、国民の健康のため、厚生労働行政・薬学教育等の展開などを注視し、薬剤師の視点で国の政策に意見等を示して参りたいと思います。

 

http://www.nichiyaku.or.jp/

 

2012/10/04(木) 15:46