厚生労働省では、このほど、平成23年の「薬事工業生産動態統計年報」をとりまとめ、8月21日に公表しました。
「薬事工業生産動態統計年報」は、医薬品・医薬部外品・衛生材料・医療機器の生産などの実態を明らかにすることを目的に、薬事法による許可を受けて医薬品などを製造販売または製造する全ての事業所を対象として毎月実施している「薬事工業生産動態統計調査」の結果を、年間分として集計したものです。
結果の概要の中から、医薬品についてみますと、平成23年における医薬品最終製品の国内での生産金額は6兆9,874億円、外国からの輸入金額は2兆5,313億円で、合計金額は9兆5,187億円でした。
これに対し、国内への出荷金額は9兆3,105億円、外国への輸出金額は1,384億円でした。
平成23年における医薬品最終製品の生産金額6兆9,874億円は、前年の6兆7,791億円と比較すると、2,083億円(3.1%)の増加となっています。
用途区分別に見ますと、医療用医薬品の生産金額は6兆3,445億円で3.2%の増加、その他の医薬品の生産金額は6,429億円で2.0%の増加となりました。また、構成比で見ますと、医療用医薬品が全体の90.8%を占め、その他の医薬品は9.2%を占めています。
過去10年の推移を見ますと、14年は0.8%の減少、15年は0.5%の増加、16年は0.8%の減少、17年は4.4%の増加、18年は0.7%の増加、19年は0.2%の増加、20年は2.6%の増加、21年は3.0%の増加、22年は0.6%の減少、23年は3.1%の増加となっています。
薬価基準改定が実施された年は減少する傾向があり、平成22年は減少、平成23年は増加となっています。なお、薬価基準改定は、薬剤費ベースで、平成14年以降では、14年(-6.3%)、16年(-4.2%)、18年(-6.7%)、20年(-5.2%)、22年(-5.75%)に実施されています。
最近10年の医薬品生産金額の推移(単位百万円)は、平成14年:6,144,801、15年:6,173,374、16年:6,121,169、17年:6,390,722、18年:6,438,082、19年:6,452,166、20年:6,620,091、21年:6,819,589、22年:6,779,099、23年:6,987,367です。
医薬品薬効大分類別生産金額(単位百万円)は、①循環器官用薬1,347,996、②中枢神経系用薬849,373、③その他の代謝性医薬品679,786、④消化器官用薬570,135、⑤血液・体液用薬463,919、⑥外皮用薬375,805、⑦生物学的製剤315,352、⑧抗生物質製剤265,932、⑨アレルギー用薬263,709、⑩感覚器官用薬234,058で、上位10分類で5兆3,661億円、76.8%を占めています。
地域別生産金額を都道府県別にみます(単位百万円)と、①埼玉760,079、②静岡589,524、③富山575,412、④大阪478,174、⑤栃木360,309、⑥東京335,442、⑦神奈川328,218、⑧兵庫317,262、⑨岐阜284,110、⑩愛知260,152で、47都道府県のうち31都道府県が前年と比較して増加しています。増加額が最も大きいのは富山県で1,017億円(21.5%)、減少額が最も大きいのは東京都で1,112億円(24.9%)となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002hbgc.html