日本イーライリリーは、インスリン療法を受けている糖尿病患者さんの治療費負担について、患者さんと医師双方の意識・実態を把握するため、医師200名及び患者200名を対象にインターネット調査を実施、11月28日にその結果を発表しました。
厚生労働省が発表する「国民医療費の概況」によると、平成21年度の糖尿病の医療費は1兆2149億円(前年度1兆1854億円)で、前年度に比べ295億円増加しています。今回の調査を通じて、治療費に悩みつつ、医師に相談できないでいる患者さん方の実情が浮き彫りになりました。
主な調査結果は以下の通りです。
<調査①糖尿病患者さんの治療費負担に関する調査>
調査対象:1型糖尿病患者、及びインスリン療法を受けている2型糖尿病患者
有効回答数:200名(1型糖尿病患者100名、インスリン療法を受けている2型糖尿病患者100名)
調査時期:2012年8月1日~8月2日
1.インスリン療法を受けている糖尿病患者さんにとって、治療の一番の不満は「治療費が高いこと」
2.糖尿病の治療費の負担から約5割の患者さんが「趣味・娯楽費」を抑制し、3割の患者さんは「食費・生活費」も切り詰めている。
3.治療費の負担について、4割の患者さんが「(医師に)相談してみたいと思ったことはあるが、相談したことはない」と回答した。「相談したことがある」患者さんは全体の1割に留まる。治療費について相談したいと思ったとしても、実際に医師に話すのは躊躇する患者さんが多いと思われる。
4.「インスリンが製剤によって価格に違いがあることを知っている」患者さんは3割に留まる。
5.より安価なインスリン製剤の処方を医師に依頼したことはあるか聞いたところ、全体の93.5%の患者さんが「依頼したことはない」と回答。「医師から提案され、依頼したことがある」患者さんも3%に留まる。
6.現在使用しているインスリン製剤よりも安価なインスリン製剤があれば、「使用したい」と回答した患者さんは9割にも上る。(同等の効果が期待でき、かつ副作用のリスクも同等の場合)
7.より安価なインスリン製剤を医師に推奨されたら、8割以上の患者さんが「切り替えたいと思う」と回答。
<調査②インスリン製剤を処方している医師の、患者さんの治療費負担に関する調査>
調査対象:全国の糖尿病患者にインスリン製剤を処方している医師
有効回答数:200名
調査時期:2012年9月14日~9月17日
1.インスリン製剤を処方している医師の7割は、治療費が高いことが患者さんの不満になっていることを認識している。
2.インスリン製剤の切り替えなど患者さんに薬剤費を軽減するための提案をしたことがある医師は全体の半数以下。
3.患者自身からの要望があれば、より安価なインスリン製剤の処方をしたいと考えている医師は8割に上る。
この調査結果から、日本イーライリリーでは次の通りコメントしています。
今回の調査からは、患者さんはインスリン療法を経済的に負担に感じており、医師もまたそれを理解していながらも、治療費について双方の間で話し合われることが少ない実情が浮き彫りになりました。忙しい外来で、時間が限られた診療時間内では、医師が治療費に関してまで言及する余裕がない可能性も考えられます。また、患者さんがインスリンは製剤によって価格差があることを知らないことも、治療費について話し合われない一因となっていると考えられます。
医師は患者さんから要望があれば、患者さんは医師から推奨があれば、より安価なインスリン製剤を積極的に使用したいと思っており、今後、双方がよりオープンにコミュニケーションを図ることができれば、患者さんの治療費負担の軽減にも繋がっていくと考えられます。
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