大阪府が薬物の濫用防止で条例制定へ 府民の意見等も募集
大阪府は、8月10日、9月府議会に提出予定の平成24年度一般会計補正予算要求書を公表するとともに、「(仮称)大阪府薬物の濫用防止に関する条例(案)」に関する府民意見等の募集を発表しました。
「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」などと称される違法ドラッグの販売店は年々増加し、近年では、違法ドラッグが原因とみられる健康被害や交通事故も発生しています。
厚生労働省は、麻薬、覚せい剤といった規制薬物のほか、人体に悪影響を及ぼす違法ドラッグを指定薬物として指定し、その流通規制を行っていますが、規制された成分の類似物質を含有する新たな製品が直ぐに流通するなど、規制が追い付いていない状況です。
このような状況を踏まえて、大阪府及び大阪府警察では、独自で違法ドラッグの流通及び使用などを規制する条例制定を検討しています。
このたび、条例の概要をまとめたため、大阪府パブリックコメント手続実施要綱に基づき、広く府民から意見等を募集するものです。
一方、補正予算は「違法ドラッグ対策事業費」で、条例制定に基づき評価委員会の運営等に関する経費を要求するものです。事業内容は①評価検討委員会開催経費、②知事指定薬物指定に係る分析経費、③濫用防止対策経費、予算額は3,411千円です。
条例(案)は、「条例制定の背景」「条例の趣旨・基本的な施策」「条例の概要」で構成されており、「条例の趣旨・基本的な施策」は次の通りです。
<条例の趣旨・基本的な施策>
薬物が濫用され被害が深刻化している状況を踏まえ、大阪府が違法ドラッグをはじめとする有害な薬物の濫用を防止するため、必要な方策を定め、推進することにより、青少年をはじめとする府民の健康と安全を守り、健全な社会を実現するため条例を制定する。
《薬物の濫用防止に関する基本的な施策》
○ 薬物濫用防止に関する施策の推進を図るための体制整備(府と府警が連携・協力)
○ 薬物の危険性に関する 情報の収集、整理、最新の科学的知見に基づく分析及び評価
○ 府民への情報提供
○ 薬物の危険性に関する正確な知識に基づき行動するための教育及び学習の推進に必要な措置
○ 薬物濫用防止のための監視及び指導体制の整備
○ 薬物濫用を防止するための施策推進のため、国・他府県等との連携
《薬物の濫用の規制》
○ 知事指定薬物の指定
○ 製造・販売等の禁止、
○ 立入調査
○ 警告、販売中止等の命令、緊急時の勧告