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製薬協産業ビジョン2025を策定 日本製薬工業協会

日本製薬工業協会は、製薬協産業ビジョン2025「世界に届ける創薬イノベーション」を策定し、115日に発表しました。

日本製薬工業協会(製薬協)は、2025年に向け、研究開発志向型の製薬企業の団体として、製薬企業のあるべき姿とそれに向けた戦略の方向性を『製薬協産業ビジョン2025』として策定しました。

新薬開発の難度の高まり、研究開発費用の高騰、国際競争の激化に加え、社会保障費の歳出抑制強化により、事業リスクが増大している中、『製薬協産業ビジョン2025』は、研究開発志向型の製薬企業がその使命を果たすために、今後、どのような視点で何に取り組む必要があるのか等について取りまとめるととともに、全てのステークホルダーの方々にイノベーションの価値と重要性について、理解と協力を得ることを目的として策定したものです。

製薬協では、本ビジョンの実現に向けて具体的な活動を行っていきます。

 

ビジョンでは、「ビジョン策定の背景と目的」として、製薬産業の重要性、製薬産業をめぐる環境変化と直面する課題を示し、「研究開発型製薬企業への期待と責任を果たすためには、個別企業の主体的な取り組みに加えて、業界団体としても積極的に活動することが重要である。我々が目指す方向性を示し、創薬イノベーションの価値と重要性について全てのステークホルダーに認識していただくこと、我々が直面している問題や必要な改革への理解とその解決に向けて協力を得ることを目的として策定した」としています。

ビジョン1『先進創薬で次世代医療を牽引する~P41医療への貢献~』

  P4:個別化(Personalized)、予測的(Predictive)、予防的(Preventive)、参加型(Participatory

  +1:進歩的(Progressive

ビジョン2『世界80億人に革新的な医薬品を届ける』

ビジョン3『高付加価値産業として日本経済をリードする』

ビジョン4『健康先進国の実現を支援する~心おきなく健康で長生きできる社会に~』

ビジョン5『志高き信頼される産業となる』

 

http://www.jpma.or.jp/

2016/01/18(月) 15:51

平成28年度診療報酬改定で諮問 中医協総会

中央社会保険医療協議会の第322回総会が113日に開催され、厚生労働大臣より平成28年度診療報酬改定について諮問が行われました。

<診療報酬改定について>

平成28年度の診療報酬改定は、以下のとおりとする。

1. 診療報酬本体 +0.49%

各科改定率 医科 +0.56%

      歯科 +0.61%

      調剤 +0.17% 

2. 薬価等

    薬価  ▲1.22%

上記のほか、・市場拡大再算定による薬価の見直しにより、▲0.19%

           ・年間販売額が極めて大きい品目に対応する市場拡大再算定の特例の実施により、▲0.28%

    材料価格 ▲0.11%

 なお、上記のほか、新規収載された後発医薬品の価格の引下げ、長期収載品の特例的引下げの置き換え率の基準の見直し、いわゆる大型門前薬局等に対する評価の適正化、入院医療において食事として提供される経腸栄養用製品に係る入院時食事療養費等の適正化、医薬品の適正使用等の観点等からの1処方当たりの湿布薬の枚数制限、費用対効果の低下した歯科材料の適正化の措置を講ずる。

<平成28年度診療報酬改定の基本方針>

 改定に当たっての基本認識として、「地域包括ケアシステムと効果的・効率的で質の高い医療提供体制の構築」「経済成長や財政健全化との調和」を挙げ、改定の基本的視点と具体的方向性を示しています。

(1)    地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

(具体的方向性の例)

 ア 医療機能に応じた入院医療の評価

 イ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保

 ウ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化

 エ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

 オ 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化

(2)    患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

(具体的方向性の例)

 ア かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価

 イ 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進

 ウ 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進

(3)    重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

 (具体的方向性の例)

 ア 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価

 イ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価

 ウ 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価

 エ 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価

 オ 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実

 カ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進

 キ かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化

 ク 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価 等

(4)    効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点

 (具体的方向性の例)

 ア 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討

 イ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進

 ウ 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進

 エ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し

 オ 重症化予防の取組の推進

 カ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000108957.html
2016/01/15(金) 18:07

27年度第2四半期のジェネリック医薬品シェア分析結果を発表 日本ジェネリック製薬協会

日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は、15日、平成27年度第2四半期(平成277~9)のジェネリック医薬品(GE医薬品)のシェア分析結果を発表しました。

2四半期の数量シェア(速報値)54.7%。四半期ごとの数量シェア分析結果(速報値)の推移をみると、平成27年度第1四半期は54.4%です。

因みに、平成26年度は第1四半期49.8%、第2四半期51.3%、第3四半期53.2%、第4四半期54.2%で、26年度通年は52.0%です。

数量は製販業者からの出荷数量で、四半期ごとのシェア数値は、GE薬協理事・監事会社等のデータ及び一部IMSのデータを基に推計した速報値です。年度の数値は、GE薬協全会員会社のデータ及び一部IMSのデータに基づく数値です。

なお、シェアは「GE医薬品のある先発医薬品の数量+GE医薬品の数量」における「GE医薬品の数量」の割合で計算しています。

 

http://www.jga.gr.jp/

2016/01/06(水) 12:05

28年度薬価制度改革の骨子案を承認 中医協総会

中央社会保険医療協議会の321回総会は、1225日に開催され、平成28年度薬価制度改革の骨子(案)を承認しました。

基本的考え方としては、前回薬価制度改革と同様、革新的新薬の評価に重点を置き、特許の切れた新薬については後発医薬品への置き換えが着実に進むような薬価制度としていくこととし、具体的には、新規収載医薬品及び既収載医薬品に係る現行の薬価算定方式を基本とし、前回薬価制度改革以降これまで薬価専門部会で審議してきた点等を踏まえ、平成28年度薬価制度改革を行うこととしています。

<具体的内容>

「新規収載医薬品の薬価算定」

1.先駆け審査指定制度加算

2.外国平均価格調整

3.新規性の乏しい医薬品

4.新医療用配合剤

5.新規後発医薬品

「既収載医薬品の薬価改定」

1.後発医薬品

2.長期収載品

3.基礎的医薬品

4.新薬創出・適応外薬解消等促進加算

5.市場拡大再算定

 

新規後発医薬品:現行ルールでは、新規後発医薬品の薬価は「先発医薬品の100分の60を乗じた額(内用薬については、銘柄数が10を超える場合は100分の50を乗じた額)」とすることとされているが、「先発品の100分の50を乗じた額(内用薬については、銘柄数が10を超える場合は100分の40を乗じた額)」とする。なお、バイオ後続品については従前どおりとする。あわせて、既に価格帯が形成されている成分に遅れて後発医薬品が収載される場合は、原則として最低の価格帯に合わせることとし、改定後に価格帯が増えない制度にする。

市場拡大再算定:①年間販売額が1,000億円を超え1,500億円以下、かつ予想販売額の1.5倍以上の場合、②年間販売額が1,500億円を超え、かつ予想販売額の1.3倍以上の場合のいずれかの要件を満たす品目に対しては、イノベーションの評価と国民皆保険の維持を両立する観点から、特例的に市場拡大再算定(特例再算定)の対象とし、それぞれの基準倍率に応じた算定式にする。その際、再算定による価格の引下げの率の限度については、①の場合は現行と同じ水準(最大25%)、②の場合は最大50%とする。なお、特例再算定の類似品は特例対象品を根拠に算定された品目に限ることとするが、特例再算定の在り方については、平成28年度薬価制度改革後も引き続き検討する。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000108103.pdf

2015/12/26(土) 15:27

28年度診療報酬改定について発表 厚生労働省

厚生労働省は、1221日、平成28年度診療報酬改定について発表しました。

1. 診療報酬本体 +0.49%

 各科改定率 医科 +0.56%

       歯科 +0.61%

       調剤 +0.17%

2. 薬価等

    薬価   ▲1.22%

上記のほか、

・市場拡大再算定による薬価の見直しにより、▲0.19%

     ・年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施により、▲0.28%

    材料価格 ▲0.11%

 なお、上記のほか、新規収載された後発医薬品の価格の引下げ、長期収載品の特例的引下げの置き換え率の基準の見直し、いわゆる大型門前薬局等に対する評価の適正化、入院医療において食事として提供される経腸栄養用製品に係る入院時食事療養費等の適正化、医薬品の適正使用等の観点等からの1処方当たりの湿布薬の枚数制限、費用対効果の低下した歯科材料の適正化の措置を講ずる。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107575.html

2015/12/25(金) 16:00

全国の薬剤師数は288,151人 平成26年調査の概要発表 厚生労働省

厚生労働省は、1217日、平成26年(2014年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概要を発表しました。

本調査は、平成261231日現在における全国の届出「医師」311,205人、「歯科医師」103,972人、「薬剤師」288,151人を各々取りまとめたものです。

<薬剤師>

平成261231日現在における全国の届出「薬剤師数」は288,151人で、「男」112,494人(総数の39.0%)、「女」175,657人(同61.0%)となっている。平成26年届出薬剤師数を平成24年(前回)と比べると8,099人、2.9%増加している。また、人口10万対薬剤師数は226.7人で、前回に比べ7.1人増加している。

(1)  施設・業務の種別にみた薬剤師数

主に従事している施設・業務の種別をみると、「薬局の従事者」は161,198人(総数の55.9%)で、前回に比べ8,186人、5.3%増加している。「医療施設の従事者」は54,879人(同19.0%)で、2,175人、4.1%増加している。そのうち、「病院の従事者」は48,980人(同17.0%)、「診療所の従事者」は5,899人(同2.0%)となっている。「大学の従事者」は5,103人で、前回に比べ146人減少し、「医薬品関係企業の従事者」は43,608人で1,504人減少し、「衛生行政機関又は保健衛生施設の従事者」は6,576人で133人増加している。

年齢階級別にみると、「30~39歳」が73,470人(25.5%)と最も多く、次いで、「40~49歳」68,511人(23.8%)となっている。

施設の種別に年齢階級をみると、「薬局」「病院」「大学」では「30~39歳」、「診療所」では「50~59歳」、「医薬品関係企業」では「40~49歳」が最も多い。

平均年齢をみると、「薬局」では46.3歳、「病院」40.8歳、「診療所」55.7歳、「医薬品企業」46.3歳となっている。

(2)  薬局・医療施設に従事する薬剤師数

1)施設の種別にみた薬剤師数

薬局・医療施設(病院・診療所)に従事する薬剤師を施設の種別にみると、「薬局」が161,198人、「医療施設」が54,879人となっており、これを年次推移でみると、「薬局」は大幅に増加しており、「医療施設」は増加傾向が続いている。

2)性・年齢階級別にみた薬剤師数

薬局・医療施設に従事する薬剤師を性別にみると、「男」が73,212人で、前回に比べ4,268人(6.2%)増加し、「女」は142,865人で、6,093人(4.5%)増加している。

年齢階級別にみると、「30~39歳」が55,708人(25.8%)と最も多く、次いで「40~49歳」50,738人(23.5%)となっている。これを性別にみると、「男」は「30~39歳」(28.0%)が最も多く、「女」は「40~49歳」(24.9%)が最も多い。

 

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/14/index.html

2015/12/22(火) 14:49

全国の医師数は311,205人 平成26年調査の概要発表 厚生労働省

厚生労働省は、1217日、平成26年(2014年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概要を発表しました。

本調査は、平成261231日現在における全国の届出「医師」311,205人、「歯科医師」103,972人、「薬剤師」288,151人を各々取りまとめたものです。

<医師>

平成261231日現在における全国の届出「医師数」は311,205人で、「男」247,701人(総数の79.6%)、「女」63,504人(同20.4%)となっている。平成26年届出医師数を平成24年(前回)と比べると7,937人、2.6%増加している。また、人口10万対医師数は244.9人で、前回に比べ7.1人増加している。

(1)  施設・業務の種別にみた医師数

主に従事している施設・業務の種別をみると、「医療施設の従事者」は296,845人(総数の95.4%)で、前回に比べ7,995人、2.8%増加している。「介護老人保健施設の従事者」は3,230人(同1.0%)で、前回に比べ41人、1.3%増加し、「医療施設・介護老人保健施設以外の従事者」は8,576人(同2.8%)で49人、0.6%減少している。

(2)  医療施設に従事する医師数

1)性・年齢階級別にみた医師数

医療施設(病院・診療所)に従事する医師を性別にみると、「男」が236,350人で前回に比べ4,180人、1.8%増加し、「女」は60,495人で、3,806人、6.7%増加している。

年齢階級別にみると、「40~49歳」が67,880人(22.9%)と最も多く、次いで「50~59歳」67,815人(22.8%)、「30~39歳」64,942人(21.9%)となっている。

また、男女の構成割合を年齢階級別にみると、すべての年齢階級で「男」の占める割合が多くなっているが、「女」の割合は、年齢階級が低くなるほど高く、「29歳以下」では34.8%となっている。

2)施設の種別にみた医師数

施設の種別にみると、「病院(医育機関附属の病院を除く)」142,655人が最も多く、「診療所」101,884人、「医育機関附属の病院」52,306人となっており、これを年次推移でみても、昭和61年以降「病院(医育機関附属の病院を除く)」が最も多い。

施設の種別に年齢階級をみると、「病院(医育機関附属の病院を除く)」及び「医育機関附属の病院」では「30~39歳」が最も多く、「診療所」では「50~59歳」が最も多い。

平均年齢をみると、「病院(医育機関附属の病院を除く)」では46.2歳、「医育機関附属の病院」38.7歳、「診療所」59.2歳となっている。

平均年齢の年次推移をみると、病院では上昇傾向が続いている。また、診療所では平成22年から引き続き上昇している。

3)診療科別にみた医師数

    主たる診療科別にみた医師数

従事する主たる診療科別にみると、「内科」が61,317人(20.7%)と最も多く、次いで「整形外科」20,996人(7.1%)、「小児科」16,758人(5.6%)となっている。

主たる診療科の構成割合を性別にみると、「男」は「内科」(21.8%)が最も多く、次いで「整形外科」(8.5%)、「外科」(6.1%)となっており、「女」は「内科」(16.0%)が最も多く、次いで「小児科」(9.5%)、「臨床研修医」(8.3%)となっている。

また、主たる診療科別に平均年齢をみると、「内科」「肛門外科」が57.6歳と最も高く、「臨床研修医」を除くと「救急科」が40.7歳と低くなっている。

主たる診療科を施設の種別にみると、病院では「内科」が21,591人(11.1%)と最も多く、次いで「臨床研修医」15,321人(7.9%)、「整形外科」13,182人(6.8%)となっている。主たる診療科の構成割合を性別にみると、「男」は「内科」、「女」は「臨床研修医」が最も多い。

一方、診療所」では「内科」39,726人(39.0%)が最も多く、次いで「眼科」8,245人(8.1%)、「整形外科」7,814人(7.7%)となっている。主たる診療科の構成割合を性別にみると、男女ともに「内科」が最も多い。

主たる診療科が、「小児科」と「産婦人科」・「産科」及び外科(呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺外科、気管食道外科、消化器外科(胃腸外科)、肛門外科、小児外科)の医師数をみると、「小児科」は16,758人となっており、「産婦人科」は10,575人、「産科」は510人(合わせて11,085人)となっている。また、外科は、28,043人となっている。

    診療科(複数回答)別にみた医師数

従事する診療科別にみると、「内科」が89,234人(30.1%)と最も多く、次いで「消化器内科(胃腸内科)」30,738人(10.4%)、「小児科」29,878人(10.1%)となっている。

また、診療科の割合を施設の種別にみると、「病院」では「内科」(17.5%)が最も多く、次いで「外科」(8.4%)、「臨床研修医」(7.9%)となっており、診療所では「内科」(54.1%)が最も多く、次いで「小児科」(18.8%)、「消化器内科(胃腸内科)」(17.0%)となっている。

 

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/14/index.html

2015/12/22(火) 14:46

平成28年度診療報酬改定について意見提出 中央社会保険医療協議会

中央社会保険医療協議会は、911日の第319回総会において平成28年度診療報酬改定について意見を提出しました。

中央社会保険医療協議会は、医療経済実態調査の結果、薬価調査及び材料価格調査の結果等を踏まえつつ、平成28年度診療報酬改定について審議を行ってきましたが、その結果を整理し、厚生労働大臣に意見を提出したものです。

<平成28年度診療報酬改定について>

○ 我が国の医療については、2025年(平成37年)に向けて、制度の持続可能性を確保し、国民皆保険を堅持しながら、高齢化の進展に伴うニーズの変化に対応して、国民がその状態に応じた安全で安心な質の高い医療を受けられるよう、医療提供体制の再構築、地域包括ケアシステムの構築等に取り組むことが重要な課題である。

○ 社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において取りまとめられた「平成28年度診療報酬改定の基本方針」(基本方針)でも、重点的に取り組む課題として、医療機能の分化・強化、連携を含め、在宅医療や訪問看護の整備を進め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することが示された。

○ 本協議会は、この基本方針に基づき、全ての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取組についての協議を真摯に進めていく。こうした基本認識については、支払側委員と診療側委員の意見の一致をみた。

○ しかし、このような基本認識の下で、どのように平成28年度診療報酬改定に臨むべきかについては、次のような意見の相違が見られた。

まず、支払側は、政府の掲げる強い経済の実現は未だ道半ばであり、医療保険者の財政は深刻な状況に陥っている一方で、医療経済実態調査の結果では、医療機関等の経営は全体としておおむね堅調に推移していること、足下で賃金・物価に改善傾向が見られるとしても、長年に亘り賃金・物価の伸びを上回る診療報酬改定が行われてきていることを考慮すれば、患者負担や保険料負担の増加につながる診療報酬の引上げを行うことは、到底、国民の理解と納得が得られないことから、28年度改定において、診療報酬はマイナス改定とすべきとの意見があった。また、26年度改定と同様、薬価・特定保険医療材料価格の引下げ分を診療報酬本体に充当せず、国民に還元すべきとの意見であった。

○ 一方、診療側は、医療経済実態調査の結果等から、医療機関等は総じて経営悪化となったこと、超高齢社会に対応し、地域包括ケアシステムの確立を含め、国民の安心・安全の基盤を整備するためには、過不足ない財源投入が必要であること、医療には経済波及効果、雇用創出効果もあり、アベノミクスの成果による賃金上昇を医療従事者にももたらす必要があることから、必要な財源を確保し、診療報酬本体はプラス改定とすべきとの意見であった。

また、薬剤と診察等とは不可分一体で、その財源を切り分けることは適当でなく、薬価等の引下げ分は本体改定財源に充当すべきとの意見であった。

○ 本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を法定されており、医療保険制度を構成する当事者である支払側委員と診療側委員、そして公益委員が、医療の実態や医療保険財政等の状況を十分考慮しつつ、診療報酬改定の責任を果たしてきた。

診療報酬改定は、基本方針に沿って、診療報酬本体、薬価及び特定保険医療材料価格の改定を一体的に実施することにより、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられるよう、医療費の適切な配分を行うものである。そのために、本協議会においては、これまでも医療制度全体を見渡す幅広い観点から、膨大な時間を費やしデータに基づいた真摯な議論を積み重ね、診療報酬改定に取り組んできており、これからもそのように取り組み続けていく。

○ 厚生労働大臣におかれては、これまでの本協議会の議論を踏まえ、平成28年度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求めるものである。

○ また、我が国の医療が抱える様々な課題を解決するためには、診療報酬のみならず、都道府県に設置された地域医療介護総合確保基金の活用や予防・健康づくりの取組など、幅広い医療施策を講じていく必要があり、この点についても十分な配慮が行われるよう望むものである。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000106235.html

2015/12/14(月) 15:50

持続可能な社会保障制度の確立を求める決議を採択 国民医療を守るための総決起大会

国民医療推進協議会は、129日、「国民医療を守るための総決起大会」を開催し、約2,000名の参加者を得て、国民に将来の安心を約束する持続可能な社会保障制度の確立を求める決議を満場一致で採択しました。

国民医療推進協議会は、平成1610月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健および福祉行政の拡充強化をめざし、積極的に諸活動を推進すること」を目的に、日本医師会が各医療関係者団体等に呼びかけ発足しました。40団体が加盟し、これまでの活動としては、国民皆保険制度を守るための活動や禁煙推進運動などを行ってきました。

決議は次の通りです。

<決議>

国民の健康への願いは、「国民皆保険」を実現させ、我が国は世界最高の健康水準を達成した。

今後さらなる超高齢社会を迎えるなかで、我が国が自信を取り戻し、発展をし続けていくためには、社会保障を充実させ、国民に将来の安心を約束していくことが重要である。

よって、本大会参加者全員の総意として、次のとおり要望する。

一、国民に必要かつ充分な医療・介護を提供するための適切な財源の確保

一、国民と医療機関等に不合理な負担を生じさせている医療等に係る消費税問題の抜本的な解決

以上、決議する。

 

http://www.med.or.jp/

2015/12/10(木) 15:30

平成28年度診療報酬改定の基本方針を発表 厚生労働省

厚生労働省は、127日、「平成28年度診療報酬改定の基本方針」を発表しました。社会保障審議会医療保険部会・医療部会が決定したものです。

改定に当たっての基本認識として、「超高齢社会における医療政策の基本方向」「地域包括ケアシステムと効果的・効率的で質の高い医療提供体制の構築」「経済成長や財政健全化との調和」を示し、改定の基本的視点と具体的方向性として4つの視点を挙げ、「将来を見据えた課題」も示しています。

<改定の基本的視点と具体的方向性>

(1)    地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

(基本的視点)

○ 医療を受ける患者にとってみれば、急性期、回復期、慢性期などの状態に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護サービスと連携・協働するなど、切れ目ない提供体制が確保されることが重要である。

○ このためには、医療機能の分化・強化、連携を進め、在宅医療・訪問看護などの整備を含め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築していくことが必要である。

(具体的方向性の例)

ア 医療機能に応じた入院医療保評価

イ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保

ウ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化

エ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

オ 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化

(2)    患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

(基本的視点)

○ 患者にとって、医療の安心・安全が確保されていることは当然のことであるが、今後の医療技術の進展や疾病構造の変化等を踏まえれば、第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら、適切な情報に基づき、患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることや、病気を治すだけでなく、「生活の質」を高める「治し、支える医療」を実現することが重要である。

(具体的方向性の例)

ア かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価

イ 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進

ウ 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進

(3)    重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

(基本的視点)

○ 国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがんや心疾患、肺炎、脳卒中に加え、高齢化の進展に伴い今後増加が見込まれる認知症や救急医療など、我が国の医療の中で重点的な対応が求められる分野については、国民の安心・安全を確保する観点から、時々の診療報酬改定においても適切に評価していくことが重要である。

(具体的方向性の例)

ア 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価

イ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価

ウ 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価

エ 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価

オ 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実

カ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進、

キ かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化

ク 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価、等

(4)    効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点

(基本的視点)

○ 今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取組が必要である。医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図ることが求められる。

(具体的方向性の例)

ア 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討

イ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進

ウ 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進

エ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し

オ 重症化予防の取組の推進

カ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000106248.html

2015/12/09(水) 14:03