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平成28年度診療報酬改定の基本方針を発表 厚生労働省

厚生労働省は、127日、「平成28年度診療報酬改定の基本方針」を発表しました。社会保障審議会医療保険部会・医療部会が決定したものです。

改定に当たっての基本認識として、「超高齢社会における医療政策の基本方向」「地域包括ケアシステムと効果的・効率的で質の高い医療提供体制の構築」「経済成長や財政健全化との調和」を示し、改定の基本的視点と具体的方向性として4つの視点を挙げ、「将来を見据えた課題」も示しています。

<改定の基本的視点と具体的方向性>

(1)    地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

(基本的視点)

○ 医療を受ける患者にとってみれば、急性期、回復期、慢性期などの状態に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護サービスと連携・協働するなど、切れ目ない提供体制が確保されることが重要である。

○ このためには、医療機能の分化・強化、連携を進め、在宅医療・訪問看護などの整備を含め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築していくことが必要である。

(具体的方向性の例)

ア 医療機能に応じた入院医療保評価

イ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保

ウ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化

エ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

オ 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化

(2)    患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

(基本的視点)

○ 患者にとって、医療の安心・安全が確保されていることは当然のことであるが、今後の医療技術の進展や疾病構造の変化等を踏まえれば、第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら、適切な情報に基づき、患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることや、病気を治すだけでなく、「生活の質」を高める「治し、支える医療」を実現することが重要である。

(具体的方向性の例)

ア かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価

イ 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進

ウ 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進

(3)    重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

(基本的視点)

○ 国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがんや心疾患、肺炎、脳卒中に加え、高齢化の進展に伴い今後増加が見込まれる認知症や救急医療など、我が国の医療の中で重点的な対応が求められる分野については、国民の安心・安全を確保する観点から、時々の診療報酬改定においても適切に評価していくことが重要である。

(具体的方向性の例)

ア 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価

イ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価

ウ 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価

エ 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価

オ 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実

カ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進、

キ かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化

ク 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価、等

(4)    効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点

(基本的視点)

○ 今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取組が必要である。医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図ることが求められる。

(具体的方向性の例)

ア 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討

イ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進

ウ 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進

エ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し

オ 重症化予防の取組の推進

カ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000106248.html

2015/12/09(水) 14:03