国民医療推進協議会主催の「国民医療を守るための総決起大会」は、12月6日に東京・憲政記念館講堂で開催され、約1000名が参加。医療関係団体の決意表明と決議の採択が行われました。
国民医療推進協議会は、平成16年10月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健および福祉行政の拡充強化を目指し、積極的に諸活動を推進すること」を目的に、日本医師会が各医療関係団体等に呼びかけ、発足しました。現在、41団体で構成され、これまでの活動としては、国民皆保険制度を守るための活動や禁煙推進運動などを行ってきました。
<決議>
人生100年時代を迎えるなか、幸福な国民生活を将来にわたりおくるためには、必要な医療・介護を安心して受けられるようにしなければならない。
よって、持続可能な社会保障制度の確立に向けて、適切な財源を確保するよう、本大会参加者全員の総意として、強く要望する。
以上、決議する。
2019/12/10(火) 11:56
厚生労働省は、12月3日、「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」を更新し公表しました。
我が国全体で観光立国が推進される中、各都道府県においても訪日外国人旅行者の増加を捉えた地域の活性化に向けてそれぞれ取り組みが進められています。
そのような中、政府においては、「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」を取りまとめ、日本を訪れる旅行者に医療が必要となる場合に備え、安心して医療を受けられる環境の整備に取り組んでいます。
また、同時に、増加する在留外国人についても、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」が取りまとめられ、全ての居住圏において外国人患者が安心して受診できる体制の整備を進めています。
こうした状況を背景に、患者の利便性を高め、医療機関等及び行政のサービス向上を図ることを目的として、厚生労働省と観光庁が連携して一元化した「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」を更新したため公表したものです。
更新版のリストについては、年内の目処に医療機関リストの多言語化(英語・中国語(簡体字/繫体字)・韓国語)を行い、日本政府観光局(JNTO)ウェブサイトで公開する予定です。
日本政府観光局(JNTO)ウェブサイト:https://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/mi_guide.html
2019/12/04(水) 16:32
ファイザーは、11月28日、社会体験無料アプリ「ごっこランド」に「おくすりをとどけよう!」を出店したことを発表しました。医療用医薬品企業として初の出店です。
ファミリー向けデジタルコンテンツ事業を行うキッズスターが提供する、親子で遊んで学べる社会体験アプリ「ごっこランド」に、医療用医薬品の研究開発、製造、販売の仕事を体験できる新規パビリオン「おくすりをとどけよう!」を出店したものです。
ファイザーでは「患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生み出す」の企業目的のもと、革新的な医薬品やワクチンの研究開発とともに製造および販売を通じて患者さんに貢献するための取り組みを進めています。医薬品等の候補となる物質が発見されてから数々の試験を経て患者さんに届くまでには様々なプロセスをたどり長い年月がかかりますが、社員の一人ひとりは、医薬品の提供を通じて患者さんに貢献したいと思い、日々仕事をしています。
今回の出店を通じて、医薬品が研究開発される工程や、安全かつ安心してもらえる医薬品の製造について体験してもらうことで、お子さんが薬やサイエンスに興味を持ってもらい、同社を身近な存在として認識してもらうことを願っています。
「おくすりをとどけよう!」のパビリオンでは、①"薬のタネ"を見つけよう!②薬を試してみよう!③薬を作ってみよう!という3つのコンテンツとともに、医薬情報担当者(MR)からの情報提供を経て、医薬品における開発から患者さんに届くまでのプロセスを、お子さんたちが楽しく学べる内容です。
①
"薬のタネ"を見つけよう!:病気の元とその病気にあった"薬のタネ"をパズルで表しています。ピッタリ合うピースを見つけると「"薬のタネ"の発見」です。ここでは医薬品開発の難しさも合わせ示しています。
②
薬を試してみよう!:カプセルのキャラクターを迷路の中で、指で動かしてチェックポイントを通過させることで、薬が体内をめぐり病気の元に作用するというメカニズムについて学びます。薬の効果や安全性を確認するための試験は長い年月がかかることを、迷路に例えて表現しました。
③
薬を作ってみよう!:薬の製造、品質チェック、包装を体験します。不良品は取り除いて、良品にはマークを付けるという遊びをスコア化して遊ぶことで、医薬品の品質保証や製造工程について学びます。
なお、「ごっこランド」は想定対象年齢を2~9歳とした、無料で遊べる知育アプリで、2019年6月末現在300万ダウンロード。iPhone/iPad子供向け・教育、GooglePlay子供向けの無料アプリで1位を獲得しています。
2019/11/29(金) 16:51
キッセイ薬品工業・第一三共・鳥居薬品は、11月18日、医療関係者向けに「ユリーフ」と「ユリノーム」の販売名類似による取り違えで注意喚起を行いました。
「ユリーフ錠2㎎・4㎎、ユリーフOD錠2㎎・4㎎(一般名:シロドシン):前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬」(製造販売元:キッセイ薬品工業、販売元:第一三共)と「ユリノーム錠25㎎・50㎎(一般名:ベンズブロマロン):尿酸排泄薬」(製造販売元:鳥居薬品)の「販売名類似による取り違え」については、既に2011年9月に注意喚起していますが、注意喚起発出後も2019年9月20日までに「販売名類似による処方誤り及び調剤時の取り違え」事例が19件報告されており、発生年月不明の事例が1件報告されていることから、「これらの薬剤を処方又は調剤いただく際には薬効及び販売名等を今一度ご確認いただき、処方間違いや薬剤取り違えに十分ご注意くださいますようお願い申し上げます」と要請しています。
2019/11/19(火) 17:43
公益財団法人日本医療機能評価機構は、11月15日、医療事故情報収集等事業
医療安全情報No.156「鎮静に使用する注射薬の誤投与」を提供しました。
検査・治療時の鎮静に使用する注射薬の指示が適切に伝わらず、タイミングや投与量を誤った事例が3件報告されています(集計期間:2015年1月1日~2019年9月30日)。この情報は、第57回報告書「分析テーマ」で取り上げた内容をもとに作成しました。
検査・治療時の鎮静の際、医師が投与量を決めて注射薬を投与する予定であったが、指示が適切に伝わらず、看護師がタイミングや投与量を誤って投与した事例が報告されています。
事例1:医師は、気管支鏡検査のためミタゾラム注射液10㎎1Aと生理食塩液20mLをオーダした際、「気管支鏡検査室に持参」とコメントを入れ忘れた。その後、検査室から連絡があり、看護師は注射指示を確認して検査前投薬と思い、ミタゾラム1A+生理食塩液20mLを調製した。病室で全量投与したところ、患者の自発呼吸が止まった。
事例2:16時に胆道シンチグラフィを予定していた。14時30分頃、検査室から連絡があり、看護師は医師に伝えず患児を検査室に連れて行った。10分後、検査室から鎮静が必要と連絡があった。看護師は医師のオーダを確認し、病棟に届いていたイソゾール注射用0.5g1Vを注射用水20mLで溶解して全量を生理食塩液100mLに混注し、検査室に持って行き投与を開始した。16時前に医師が検査の状況を聞いた際、看護師は検査室に行きイソゾールを投与していると答えた。医師が急いで検査室に行ったところ、患児の自発呼吸は微弱であった。
<事例が発生した医療機関の取り組み>
・鎮静に使用する注射薬は、指示画面の薬剤名に「医師施行」と表示させる。
・鎮静に使用する注射薬は、検査・治療の直前に医師が患者の状態から投与量を判断して投与することを理解する。
<事例のポイント>
・鎮静に使用する注射薬は、医師の立会いのもとで投与し、投与後の観察を確実に実施する。
2019/11/19(火) 10:17
11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間ですが、日本医師会と日本製薬工業協会は、11月22日14:00~17:00に日本医師会館小講堂で薬剤耐性(AMR)セミナー「センメルヴェイスからの学び」を開催します。
【講演】
①
感染症の歴史と現在の課題~センメルヴェイスの教えから学ぶ~:黒川清(日本医療政策機構代表理事、政策研究大学院大学名誉教授)
②
AMR(薬剤耐性)を取り巻く諸課題:大曲貴夫(国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長)
③
感染症対策における日本製薬工業協会の取組み:川原章(日本製薬工業協会専務理事)
④
感染症対策にかかる主な課題とその対応-行政の立場から-:日下英司(厚生労働省健康局結核感染症課課長)
【パネルディスカッション】
モデレーター:乗竹亮治(日本医療政策機構理事/CEO)、松澤香(同アドジャンクト・フェロー、弁護士)
パネリスト:大曲貴夫、川原章、日下英司、釜萢敏(日本医師会常任理事)、鈴木里和(国立感染症研究所薬剤耐性研究センター室長)
2019/11/13(水) 13:19
公益財団法人日本医療機能評価機構は、11月11日、Mindsフォーラム2020「診療ガイドラインが開く医療を未来~患者さんと医療者の意思決定を支えるために~」開催を発表しました。2020年2月8日13:00~16:30に東京国際フォーラム ホールDSで開催されます。定員は200名で参加費は無料です。
日本では、1990年代後半から診療ガイドラインの作成が始まり、関係団体の尽力によって数多くのガイドラインが発行されてきました。
Mindsは、厚生労働省の委託を受けて、日本医療機能評価機構が運営するEBM(根拠に基づく医療)普及推進事業で、厚生労働科学研究費補助金を受けて平成14年度から準備を開始し、平成16年5月から一般公開を開始。平成23年度からは、厚生労働省委託事業「EBM普及推進事業」として継続しています。
診療ガイドラインは患者アウトカムの向上を目的に作成されますので、医療現場で活用されなければ本来の目的が達成されません。
今年のMindsフォーラムでは、「診療ガイドラインの様々な立場・職種における普及活用」をテーマとして、病院やクリニック、看護や患者・市民という様々な立場から診療ガイドラインの活用について講演が行われます。
〇Mindsの活動について:日本医療機能評価機構EBM医療情報部部長奥村晃子
〇基調講演・私たちが「診療ガイドライン」を通して目指すもの:京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授・EBM医療情報事業運営委員会委員長中山健夫
〇講演1(病院における活用)・がん患者さんのライフを支える診療ガイドライン:順天堂大学医学部乳腺腫瘍学講座教授齊藤光江
〇講演2(クリニックにおける活用)・Fantastic Guideline~素敵な診療ガイドラインを患者さんと共に~:宮川内科小児科医院院長・神奈川県医師会副会長宮川政昭
〇講演3(看護における活用)・看護における診療ガイドラインの活用:佛教大学保健医療技術学部看護学科老年看護学教授松岡千代
〇講演4(患者・市民の立場から)・診療ガイドラインにおけるPPI(患者・市民参画):一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン理事長、一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長天野慎介
〇パネルディスカッション:座長日本医療機能評価機構執行理事福岡敏雄
https://jcqhc.or.jp/
2019/11/11(月) 16:43
厚生労働省は、11月1日、「上手な医療のかかり方アワード」初開催を発表しました。
厚生労働省では、平成30年度に「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」を開催し、議論の取りまとめとともに「いのちをまもり、医療をまもる」国民プロジェクト宣言が行われましたが、これを踏まえ、「上手な医療のかかり方」の啓発や、医師をはじめとする医療従事者の負担軽減、若年層に対する医療受診の教育などに関して優れた取り組みを表彰する「上手な医療のかかり方アワード」を開催するものです。
同アワードを通じて、その理念や取り組み内容などを広く発信し、国民の「上手な医療のかかり方」に関する理解を深め、取り組み主体の意識向上を目的とします。
また、アワード開催に合わせて「上手な医療のかかり方」に関する総合ページkakarikata.jpを開設しました。アワードの応募についても、当該ホームページ内で募集を行っています。
本表彰制度は、保険者・医療機関・企業・関連団体・自治体等において、「いのちをまもり、医療をまもる」国民プロジェクトで掲げる5つの方策((1)患者・家族の不安を解消する取組を最優先で実施すること、(2)医療の現場が危機である現状を国民に広く共有すること、(3)緊急時の相談電話やサイトを導入・周知・活用すること、(4)信頼できる医療情報を見やすくまとめて提供すること、(5)チーム医療を徹底し、患者・家族の相談体制を確立すること)を中心に、医療のかかり方の改善に資する優れた取り組みの奨励・普及を図ることを目的としたものです。
募集部門は、
(1)保険者:市町村国保、国保組合、協会けんぽ、組合健保、共済組合、後期高齢者医療制度
(2)医療関係者:病院、診療所、医師会・病院団体等の関連団体
(3)企業:一般企業
(4)民間団体:市民団体等
(5)自治体:都道府県、市町村
(6)チラシ部門特別賞:(1)~(5)共通で募集テーマに合致したPRチラシのうち特に秀でたものを表彰
表彰の対象は厚生労働大臣賞:最優秀賞1件、厚生労働省医政局長賞:各部門2件以内。
実施期間は11月1日~12月20日で、表彰式は来年2月~3月頃の予定です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07644.html
2019/11/06(水) 14:30
厚生労働省は、10月31日、平成30年度衛生行政報告例の概要を公表しました。平成30年度末現在の薬局数は59,613施設です。
衛生行政報告例は、衛生関係諸法規の施行に伴う各都道府県、指定都市及び中核市における衛生行政の実態を把握し、衛生行政運営の基礎資料を得ることを目的とするもので、報告事項は、精神保健福祉関係、栄養関係、衛生検査関係、生活衛生関係、食品衛生関係、乳肉衛生関係、医療関係、薬事関係、母体保護関係、難病・小児慢性特定疾病関係、狂犬病予防関係です。
薬事関係では、平成30年度末現在の薬局数は59,613施設で、前年度に比べ475施設(0.8%)増加しています。
都道府県別にみた薬局数は、東京都6,702施設(29年度末6,646施設)、大阪府4,170施設(4,092施設)、神奈川県3,888施設(3,836施設)、愛知県3,368施設(3,321施設)、福岡県2,914施設(2,891施設)、埼玉県2,888施設(2,829施設)、兵庫県2,640施設(2,632施設)、千葉県2,448施設(2,429施設)、北海道2,323施設(2,344施設)、静岡県1,857施設(1,813施設)の順。対前年度増減率は、増加は奈良県3.1%、富山県2.5%、静岡県2.4%、滋賀県2.3%、埼玉県2.1%、大阪府1.9%、香川県・栃木県1.7%、神奈川県・愛知県・熊本県1,4%、減少は福島県△2.2%、高知県△2.0%、鹿児島県△1.2%、山口県△1.1%、佐賀県△1.0%、北海道・秋田県△0.9%、岩手県△0.7%です。
また、人口10万人当たりの薬局数は47.1施設で、都道府県別にみると、佐賀県が63.4施設と最も多く、次いで山口県が58.5施設、広島県が57.3施設、福岡県が57.1施設、香川県が56.0施設、宮崎県が55.7施設、高知県が55.4施設、山梨県55.2施設、鹿児島県が55.1施設、長崎県が55.0施設となっており、一方、福井県が37.9施設と最も少なく、次いで千葉県が39.1施設、埼玉県・沖縄県が39.4施設、奈良県が41.7施設、京都府が41.9施設、神奈川県が42.4施設、滋賀県が43.3施設、富山県が43.4施設、岡山県が43.8施設北海道43.9施設となっています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/18/
2019/10/31(木) 15:26
厚生労働省は、10月23日、令和元年度の医師臨床研修マッチング結果を公表しました。
医師臨床研修マッチング協議会が実施した令和元年度(令和2年度研修開始)の医師臨床研修マッチングにより、臨床研修を受けようとする者(医学生等)と臨床研修を行う病院の組み合わせが決定し、医師臨床研修マッチング協議会より情報提供があったため、公表したものです。
医師臨床研修マッチングは、平成16年度に医師の臨床研修が義務化されたことに合わせ導入され、臨床研修を受けようとする者(医学生等)と臨床研修を行う病院の研修プログラムを、お互いの希望を踏まえて、一定の規則(アルゴリズム)に従って、コンピュータにより組み合わせを決定するシステムで、臨床研修を行う病院等の団体で構成される医師臨床研修マッチング協議会により行われています。
<医師臨床研修マッチング結果>
1. 概要
〇マッチングの募集定員 11,109人(昨年度11,253人)
〇希望順位登録者数
9,784人(昨年度 9,816人)
〇内定者数
9,042人(昨年度 9,202人)
〇内定率 92.4% (昨年度 93.7%)
※内定者とは、今回のマッチングにより、希望順位を登録した研修希望者のうち、臨床研修を受ける病院が内定した者(医学生等)。
2. 地域別の内定者数の状況
〇大都市部のある6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)を除く道県における内定者数は5,284人(昨年度5,381人)であり、内定者の割合は58.4%(昨年度58.5%)で昨年度と比較し微減であった。
〇内定者が増えた県(対前年度比上位5県)
滋賀県:平成29年度102人→平成30年度92人→令和元年度104人(対前年度+13.0%)
大分県:75人→81人→90人(+11.1%)
岡山県:200人→184人→204人(+10.9%)
青森県:81人→84人→93人(+10.7%)
栃木県:133人→131人→143人(+9.2%)
3. 臨床研修病院と大学病院別の内定者数の状況
〇臨床研修病院の内定者数は昨年度から増加し、大学病院の内定者数は昨年度から減少した。
〇大学病院の内定者数の割合は昨年度から減少した。
全体:平成30年度9,202人→令和元年度9,042人
臨床研修病院:5,461人→5,529人
大学病院:3,741人→3,513人
大学病院の割合:40.7%→38.9%
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000180824_00002.html
2019/10/23(水) 16:04