OTC医薬品の有力メーカーによって創設された日本大衆薬懇談会を前身として1985年に設立された日本OTC医薬品協会(JSMI)は、1月19日、ホームページで「2011年みんなスマイルキャンペーンアンケート結果報告」を掲載しました。
この報告書は、JSMIのウェブサイト「上手なセルフメディケーション」で2011年7月~8月に実施したアンケートの結果を取りまとめたものです。
応募者のプロフィールでは、応募者数は9,050名に達し、過去最高の応募となりました。男女別では、女性が2/3(65.5%)を占めますが、過去のキャンペーンと比較すると、男性の応募者が大幅に増加しました。懸賞サイトで告知をしたことによるものと考えられます。年代別では、女性は30~40歳代、男性は40~50歳代の応募が多い結果となりました。男女併せると20~30歳代で全体の半数を超えており、若年層の応募が増加しました。職業別では、会社員(40.7%)と主婦(36.1%)に集中しており、前回同様この2つで全体の8割近くを占めます。また、無職も4.0%→6.9%と増加しています。
問1 このサイトをどこで知りましたか?
今回は「懸賞サイトまたはそのメールマガジン」が、65.3%という圧倒的多数となりました。2番目に多い「製薬会社のトップページの告知や健康関連サイトの広告」も過去最多となりました。「WEB検索の結果」も増加しており、インターネットを介したこの三つの流入経路で全体の89.4%を占めます。
問2 『OTC』もしくは『OTC医薬品』という言葉をどこで知り(聞き)ましたか?
「テレビ・新聞・雑誌」は減少し、「薬局・薬店・コンビニエンスストア」「当協会のサイトと「製薬企業のホームページ」がそれぞれ微増しています。薬事法改正関連のニュースが収束して、マスコミで取り扱われることが少なくなったことが原因だと考えられます。
一方、OTC医薬品という言葉を「知らない」という回答は未だに30%近くありますが、前回と比較して少しずつ認知が広まっていることも確認できました。
問3 OTC医薬品が「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の3つのグループに分類されたことをご存知ですか?
医薬品の分類表示について、「知らない」と答えた方が過半数(52.2%)で、前回の45.8%より増えてしまったのは新規応募者が増えたことによるものと考えられます。
問4 かぜをひいた時や胃腸の調子が悪い時に、あなたはどうしますか?
軽い病気のケアに、「医療機関に行く」と答えた方が30%近くあり、前回より大幅に増加しました。「OTC医薬品を服用する」と「医薬品を使用せず様子を見る」が減少しました。
問5 問4で「OTC医薬品を服用する」を選んだ方は、その理由は何ですか?
OTC医薬品を選んだ理由は、「症状が軽かったから」が75%を占めました。「時間がなかったから」は予想に反して20%以下という結果です。このことから、生活者は症状が重い場合、たとえ時間的余裕がなくても医療機関で受診することを優先していると考えられます。
問6 「第1類医薬品」は購入する際、薬剤師からの説明が義務づけられていますが、ご存知ですか?
「第1類医薬品」の説明義務に関しては、7割近くの方が「知っている」と答えています。問4で、OTC医薬品が3つのグループに分類されたことを「知らない」と答えた方が過半数ありましたが、少なくとも「第1類医薬品」の存在だけは認知されているようです。
問7 薬剤師から説明を受けることについて、どのように感じますか?
薬剤師から説明を受けることについては、70%近くの方が「説明を受け、相談できることはありがたい」と答えています。今回は新規の応募者数が増加しましたが、ほぼ前回と同様の結果となっていますので、老若男女の広い層が薬剤師の説明を求めていることが考えられます。
問8 OTC医薬品の購入についてどのように感じますか?(複数回答可)
「コンビニ・スーパーが増え便利になった」と「効き目や副作用の説明をしてくれる機会が増えて安心できる」が多く、「不便」や「面倒」と答えた方が少ない結果となりました。改正薬事法の施行後、生活者にとっては利便性が上がっていると考えられます。
問9 OTC医薬品も医療費控除の対象となることをご存知でしたか?
「いいえ」の回答が65%と、前回とほぼ同様の結果となりました。OTC医薬品が医療費控除の対象となることについて認知が広がっていないことが分かりました。
http://www.jsmi.jp/