たばこ対策への評価 病院の禁煙実施で診療報酬算定要件見直し論議
中央社会保険医療協議会の第219回総会は、1月30日に開催され、診療報酬改定について論議しましたが、個別改定項目において、「充実が求められる分野」の「生活習慣病対策の推進」が提示され、「たばこ対策への評価」が盛り込まれています。
基本的な考え方としては、「受動喫煙による健康への悪影響は明確であり、公共の場においては原則として全面禁煙を目指しているが、屋内全面禁煙を実施していない病院がみられることを勘案し、生活習慣病患者、小児、呼吸器疾患患者等に対する指導管理にあたっては、緩和ケア病棟等の現状にも配慮しつつ、屋内全面禁煙を原則とするよう要件の見直しを行う」とし、具体的には、「生活習慣病、小児、呼吸器疾患患者等に対する入院基本料等加算及び医学管理等を算定する場合には、原則屋内全面禁煙を行うよう要件を見直す」としています。
対象となる入院基本料等加算及び医学管理等の例として、総合入院体制加算、乳幼児加算・幼児加算、がん診療連携拠点病院加算、悪性腫瘍特異物質治療管理料、小児特定疾患カウンセリング料、生活習慣病管理料、がん治療連携計画策定料など22項目が挙げられています。
施設基準としては、次の通り示されています。
① それぞれの施設基準に加え、当該保険医療機関の屋内が禁煙であること。
② 保険医療機関が建造物の一部分を用いて開設されている場合は、当該保険医療機関の保有又は借用している部分が禁煙であること。
③ 緩和ケア病棟入院料、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(精神病棟)、精神科救急入院料、精神急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、精神療養病棟入院料を算定している病棟においては分煙でも差し支えない。
④ 分煙を行う場合は、喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れないことはもちろんのこと、適切な受動喫煙防止措置を講ずるよう努めること。喫煙可能区域を設定した場合においては、禁煙区域と喫煙可能区域を明確に表示し、周知を図り、理解と協力を求めると共に、喫煙可能区域に未成年者や妊婦が立ち入ることがないように、措置を講ずる。例えば、当該区域が喫煙可能区域であり、たばこの煙への曝露があり得ることを注意喚起するポスター等を掲示する等の措置を行う。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html