院外処方せん使用期間4日間の周知を 日本病院薬剤師会が会員に要請
日本病院薬剤師会は、8月15日、会員に対して「院外処方せんの使用期間は4日間であることを周知してください!」と要請しました。
通知は次の通りです。
院外処方せんには、「使用期間は4日間」であることが記載されていますが、総務省の「行政苦情処理委員会」から「院外処方せんの使用期間の表示は小さく十分に周知されているとは言い難い」との意見がありました。
今般、総務省は、この意見を受けて東海北陸厚生局に対して、医療機関に院外処方せんの使用期間の周知徹底について指導するよう要請しました。
しかしながら、この問題は全国共通の問題であることから、今回、会員に対して情報提供を行うこととしました。
会員施設におかれましては、患者に院外処方せんを交付する際には、下記の例を参考にして患者に使用期間について周知する方法を御検討くださるようお願いいたします。
記
1.「院外処方せんの使用期間は4日間」であることを院内掲示する
2.連休の場合には、使用期間に関する注意喚起の文書を患者に交付する。
この件については、総務省中部管区行政評価局が、「院外処方せんの交付を受けたが、持病薬であったこと等から、当日は薬局に行かなかった。翌日は祝日、次は土・日曜日であったたため、4日間の院外処方せんの使用期間を徒過するところであった。土曜日の午前中の気付き、ことなきを得たが、院外処方せんの使用期間を高齢者にも分かるように周知してほしい」との行政相談を受けました。
申出を受け、行政苦情処理委員会に諮り、同委員会の意見を踏まえて、平成24年7月20日、東海北陸厚生局に対して、医療機関に院外処方せんの使用期間の周知徹底について指導するようあっせんしました。
行政苦情処理委員会の意見
医薬分業は、薬品の過剰投与の抑制、重複投与の回避等のため、一層の推進を図るべき施策と考えるが、院外処方せんの使用期間について、国民に十分に周知されているとは言えず、医療機関における周知のための措置も十分とは言いがたい。
医療機関の中には、使用期間を徒過した場合、改めて受診が必要とするものもあり、使用期間の不知は不要の医療費負担を国民に強いることにもなることから、なお一層の使用期間の周知を図るべきものと考える。
周知の方策については、①患者の立場、特に使用期間を徒過する可能性が高い高齢者への配慮が必要なこと、②平成22年の総務省のあっせんを踏まえた所要の改善が十分に図られていないことに配慮することが必要と考える。
つまり、現在、医療機関においてこれら事項に配慮し、創意工夫した対応(例:患者への声掛け及び待合室や会計窓口のモニターのテロップを活用した使用期間の周知、使用期間の具体的日付の記載、処方せんと一体化した注意事項に使用期間を大きく表記等)を具体的に例示し、その普及を図ることが即効性のある対応と考える。
当局の対応
当局では、平成24年7月20日に、東海北陸厚生局に対し、次の事項をあっせんしました。
各医療機関が創意工夫して行っている効果的な周知方法を例示するなどして、医療機関に対して、高齢者にも配慮し、院外処方せんの使用期間(医師の判断によりその成長が可能であることを含む)が患者に分かりやすく伝わるよう、周知の徹底を指導すること。