震災から1年を経ての心のケア 塩野義製薬がHBを制作・配布
塩野義製薬は、医療従事者を対象としたハンドブック「震災から1年を経ての心のケア」を制作しました。
当ハンドブックは、東日本大震災から1年余りを経過した現在の被災者の方々に必要な心のケアについてまとめた内容で、福島県でメンタルケアに携わっておられる福島県立医科大学丹羽真一教授と、阪神・淡路大震災ほか複数の大規模災害での臨床経験が豊富な神戸赤十字病院村上典子医師の監修により、実際の症例や実践的な対処法を紹介しています。昨年、制作したハンドブック(阪神・淡路大震災等の大災害に学ぶ心のケア:村上典子氏監修)と同様、被災者の方々の心のケアに対して活用していただけるよう、8月21日から全国の医療従事者を対象に無料配布しています。
東日本大震災の被災地では、被災者の方々の心理的回復が遅れている状態にあります。特に、自然災害に加え原発事故に起因する被害を抱える福島県では、いまも約15万人の方々が避難生活を余儀なくされており、将来の見通しが立ちにくい状況の中、ストレスにより心身症や抑うつ症状などを引き起こすケースが見られ、きめ細かな支援や心のケアが求められています。
当ハンドブックは、現在、そしてこれからの被災者の方々に必要な心のケア、症例や実践的な対処法等をまとめたもので、「震災から1年を経た、被災地の精神状況の実態」「これから起こりうる疾患や症状(人災と自然災害後の心の変化の違い)」「被災者(県内・県外避難)に必要とされる心のケア(対処法)」などで構成されています。県外に避難されている被災者の方々が多いこと、また、身体症状での受診が医療機関へのファーストコンタクトとなり得ることなどから、被災地の医師や専門医の方々だけでなく、全国のかかりつけ医や一般内科医の方々にとっても心得としていただけるように制作しています。
A4判、4色、中綴じ20ページで、3万部を発行。国内各地の病院、診療所などの医療従事者の方々に無料配布します。
塩野義製薬は、本社のある大阪において阪神・淡路大震災を経験した企業として、さらには精神科領域で医療の一翼を担う企業として、東日本大震災の被災者の方々の心のケアに対してサポートしていきます。