レアメタル回収事業化検証で森下仁丹が三菱商事と共同開発
森下仁丹は、11月30日、「レアメタル回収モジュールを使用した事業化検証-三菱商事との共同開発」に合意したことを発表しました。
森下仁丹は、合成高分子樹脂を皮膜とするシームレスカプセル技術応用の一環として、レアメタルや希少貴金属の効率的な回収が可能なバイオカプセルの開発に取り組んできました。その結果、独自のカプセル内部に吸着剤や特定の微生物を高濃度で保持させ、効率的にカプセル内部に非鉄金属イオンを取り込むことに成功し、本技術を平成22年11月に公立大学法人大阪府立大学と共同で特許出願しました。
この技術をより具体化するために大阪府立大学大学院工学研究科(小西康裕教授ら)を共同研究先とし、三菱商事と共にレアメタル回収モジュールを使用した事業化検証を開始します。
本モジュールは、レアメタルが溶けた液をバイオカプセルに通液し、レアメタルを回収する装置で、コンパクトな設計であることから、あらゆる現場に簡易に設置でき、工場排水等から、低エネルギー(低コスト)で環境への負荷が少なく、簡単にレアメタルを回収・濃縮できる画期的なプロセスとなることが期待されます。
本モジュールが普及することで、これまで廃棄されていた工場排水等から希少金属の大幅な回収が可能となり、わが国の海外資源依存率の低減を目指します。また、電子基盤等の固体廃棄物からのレアメタルや希少貴金属の回収プロセスに関しても別途開発を推進しており、都市鉱山等からの効率的な回収への利用も期待されます。
※都市鉱山:都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品やIT製品などの中に有用な資源が存在することから、地上に存在する工業製品を資源とみなし、都市鉱山と名づけられた。
2012/11/30(金) 13:05