厚生労働省は、6月22日、平成23年度「無承認無許可医薬品等買上調査」の結果を発表しました。64製品から医薬品成分や指定薬物を検出しています。
いわゆる健康食品や違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)の疑いがある製品について、厚生労働省の委託事業により、各都道府県(今年度は46都道府県が実施)で購入し、国立医薬品食品衛生研究所で分析を行った結果、購入した353製品中、医薬品成分等が64製品(2製品:医薬品成分、62製品:指定薬物)から検出されました。指定薬物とは、中枢神経系への幻覚等の作用を有する可能性が高く、保健衛生上の危害が発生する恐れがあるとして厚生労働大臣が指定する成分で、現在、77物質が指定されています。
1.結果概要
(1)いわゆる健康食品
277製品中2製品から3種類の医薬品成分を検出(43道府県が買上を実施)
○強壮効果を目的として使用される製品から検出された医薬品成分
プソイドバルデナフィル、ヒドロキシホモシルデナフィル、アミノタダラフィル
○痩身効果を目的として使用される製品から検出された医薬品成分はなかった。
(2)違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)
前回の指定薬物施行日(平成23年10月20日)以降に買上を実施
76製品中62製品から10種の指定薬物を検出(15都道府県が買上を実施)
(a)12製品から買上以前より指定薬物として指定されていた成分を4種検出
(b)59製品から平成24年6月1日に指定薬物として指定された成分を6種検出
(なお、(a)(b)の両方に該当する製品が9製品存在)
2.国民の皆様への注意喚起
○これらの製品は、以下のような健康被害を起こす可能性がありますので、購入しないよう注意して下さい。また、これらの製品をお持ちの方は直ちに使用を中止して、健康被害が疑われる場合には医療機関を受診して下さい。
○これらの製品は、
・医薬品成分により、血圧低下、頭痛、動悸、胸痛、ほてりなどを生じることがあります。
・指定薬物及び違法ドラッグにより、めまい、嘔吐、錯乱、衝動行動等の有害作用を発症することや、死亡にいたることもあります。
3.監視・取締等の対応
○各都道府県で購入した製品に関する成分分析は、国立医薬品食品衛生研究所が実施し、すでに医薬品等の成分が検出された製品を購入した関係都道府県に対して分析結果を連絡しており、関係都道府県では、販売停止・回収等を行わせるなどの措置を終えています。
なお、違法ドラッグについては、関係都道府県警察とも連携を図り、監視指導・取締を行っています。
○今後も買上調査を継続し、流通実態の把握と指導取締を徹底していきます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002dk5t.html
2012/06/29(金) 15:37
本年4月、6年制教育課程を卒業した最初の薬剤師が社会に輩出されましたが、これを機に、薬学教育協議会、全国薬科大学長・薬学部長会議、国公立大学薬学部長(科長・学長)会議、日本私立薬科大学協会、日本薬学会、日本薬剤師会の6団体は、薬学生の実務実習や医療現場における薬剤師職能に対して、さらに国民からの理解を得ることが重要であると考え、国民及び医療関係者を対象とした「6年制薬剤師誕生キャンペーン」を実施することとしました。その一環として、8月5日に市民シンポジウムを開催します。
~6年制薬剤師誕生キャンペーン~
市民シンポジウム開催のご案内
本年4月、6年制教育課程を卒業した最初の薬剤師が社会に輩出されました。このことは、直接の教育の場である大学薬学部・薬科大学をはじめ、薬学教育モデル・コアカリキュラムの策定や薬学生の実務実習の要件となる薬学共用試験(CBT、OSCE)の構築に取り組んできた薬学関係団体、さらには医療現場での実務実習をサポートしてきた薬剤師関係団体にとって、まさに歴史的な出来事といえます。
そこで、これを機に、薬学生の実務実習や医療現場における薬剤師職能に対して、今後さらに国民からの理解を得ることが重要であると考え、関係6団体の共催により、国民及び医療関係者を対象とした「6年制薬剤師誕生キャンペーン」を実施することとしました。
本キャンペーンでは、8月5日、東京にて、薬剤師の社会的なニーズや今後期待される医療現場での役割等を念頭に市民シンポジウムを開催し、大学教員や医療現場で活躍している薬剤師らが期待される薬剤師像について語り合います。また、その模様を収めたDVDを全国の大学薬学部・薬科大学におけるオープン・キャンパス等で見学者に視聴いただくこと等も予定しています。
名称:6年制薬剤師誕生キャンペーン 市民シンポジウム
「命と暮らしを支える~医療と地域をつなぐ これからの薬剤師像~」
日時:8月5日 開場午後1時、開演1時30分、終演4時
会場:イイノホール(東京都千代田区内幸町2丁目1番1号)
定員:500名
出演者:中村明弘昭和大学薬学部薬物療法学講座薬剤学部門教授、笠貫宏東京女子医科大学名誉教授、松井礼子国立がん研究センター東病院薬剤部調剤主任、安部好弘日本薬剤師会常務理事、山口育子NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長
コーディネーター:町永俊雄元NHK福祉ネットワークキャスター
入場は無料ですが、事前の申し込みが必要です。
問い合わせ・申し込みは、〒150-0047 東京都渋谷区神山町4-14 第三共同ビル NHKエンタープライズ「薬剤師市民シンポジウム」係 (TEL03-3460-2021、FAX03-3481-2088)まで。
http://www.forum-nep.com/yakuzaishi/
2012/06/22(金) 14:46
日本OTC医薬品協会は、「2012春みんなスマイルキャンペーン」アンケートの結果を発表しました。
これは、協会のウェブサイト「上手なセルフメディケーション」で2012年2月~3月に実施したアンケートの結果をまとめたものです。
有効応募者数は8,414名に達しましたが、昨年(9,050名)からは636名減少しました。応募者のプロフィールをみると、男女別では女性が2/3以上を占めました。男性の比率は31.6%で前回の34.5%より下がりましたが、連続して30%を超えており男性応募者の定着が考えられます。年代別では、女性は30代、男性は40代の応募が多く、男女合わせると前回に引き続き20代、30代が増加するなど若年層の応募が増加しました。
職業別では、会社員(37.7%)と主婦(37.2%)に集中しており、前回同様にこの2つで全体の75%を占めています。また、無職は前回と比べ6.9%→5.9%と1ポイント下がりました。
このサイトを知ったきっかけは、「懸賞サイトまたはメールマガジン」が、61.6%と昨年の65.3%から4ポイントほど下がっているものの圧倒的多数となり、懸賞サイトへの掲載効果が現れています。2番目は「製薬会社のトップページの告知や健康関連サイトの広告」18.1%で前回の17.4%から増加しました。また、「WEB検索の結果」も増加しており、インターネットを介した3つの流入経路が全体の87.7%となりました。
OTC医薬品の分類表示(第1類~第3類医薬品)については、「知っている」と答えた方が50.2%となり過半数を超えました。前回の47.8%から2.4ポイント増加しており、認知が進んでいると考えられます。
かぜをひいた時や胃腸の調子が悪い時など軽い病気のケアについては、「医薬品を使用せず様子をみる」と答えた方が減少し、「OTC医薬品を服用する」が51.4%と過半数を超えました。「医療機関に行く」と答えた方は前回とほとんど変わっていません。
OTC医薬品を選んだ理由は、「症状が軽かったから」が75.0%を占めました。「時間がなかったから」と答えた方は18.3%と昨年とほぼ同じでした。この事から、生活者は症状の程度をしっかり認識したうえで、OTC医薬品の購入を検討していると考えられます。
第1類医薬品の薬剤師説明義務に関しては、7割近くの方が「知っている」と答えています。OTC医薬品の3分類について「知らない」と答えた方が過半数ありましたが、少なくとも第1類医薬品の存在だけは認知されているようです。
薬剤師からの説明を受けることについては、71.2%の方が「説明を受け、相談できることはありがたい」と答えており、ここ数年連続で微増しています。その反面、「説明を受けるのは煩わしい」方は微減が続いており、薬剤師に対する期待が生活者の間で徐々に高まっていると考えられます。
OTC医薬品の購入に関しては、「コンビニ・スーパーが増え便利になった」と「効き目や副作用の説明をしてくれる機会が増えて安心できる」が多く、「不便」や「面倒」と答えた方が少ない結果となりました。改正薬事法の施行後、生活者にとっては利便性が上がっていると考えられます。
OTC医薬品が医療費控除の対象となることの認知については、「いいえ」(知らない)が60.4%と依然高い傾向にありますが、前回65.2%と比較すると5ポイント近く下がっており、OTC医薬品が医療費控除の対象となることの認知が徐々に高まっていると考えられます。
http://www.jsmi.jp/
2012/06/22(金) 12:42
奈良県は、6月18日、「向精神薬を偽造処方せんにより搾取した事件」について報道発表を行いました。
本年4月24日、カラーコピーにより偽造された複数の向精神薬処方せんが、奈良市内の薬局に持ち込まれ、向精神薬を不正入手される事件が発覚しました。近畿厚生局麻薬取締部及び奈良県薬務課において捜査を行い一連の犯罪事実を立証したため、この被疑者を6月18日、麻薬及び向精神薬取締法第72条第4号(向精神薬処方せん偽造)の疑いで奈良県地方検察庁に書類送致しました。
なお、県は4月26日付で県薬剤師会に対し、注意喚起に係る通知を発出し、さらに6月18日、県薬剤師会、県医師会等の医療関係団体に対し、再発防止に係る通知を発しました。
<概要>
4月24日、奈良市内の薬局から、提出された処方せんがカラーコピーだったことに気づき、県薬務課に報告があった。確認したところカラーコピーであることが判明し、捜査したところ、3つの医療機関から発行された処方せんを偽造し、今年2月13日から5月8日の間に、16薬局(奈良市内9、大和郡山市内2、京都府内2、大阪府内3)で28枚使用し、不正に入手されていた。
処方された薬剤は、ベンザリン錠とアモバン錠(一部同薬効含む)で、不正に入手された薬剤量は、各々744錠ずつ。
被疑者 奈良市内在住学生
被疑者は、若い頃からうつ病からくる不眠症に悩まされていたが、そのうち1つの医療機関から処方される量では足りなくなり、処方せんをコピーして不正に薬を入手するに至った。
ベンザリン錠:成分名ニトラゼパム 第3種向精神薬、睡眠誘導剤、抗痙攣剤
アモバン錠:成分名ゾピクロン 睡眠障害改善剤
県では、2回の通知のほか、今後、県薬務課、県薬剤師会連名で偽造処方せん防止のチラシを作成予定です。
http://www.pref.nara.jp/
2012/06/20(水) 16:31
日本ジェネリック製薬協会は、平成23年度ジェネリック医薬品シェア分析結果を発表しました。数量ベースで23.3%、金額ベースで9.6%です。
平成23年4月~24年3月のシェアは、数量ベースが23.3%で前年度の23.0%から0.3ポイントの上昇、金額ベースが9.6%で前年度の9.4%から0.2ポイントの上昇となっています。
ジェネリック医薬品の国内シェアの過去5年間の年次推移を見ろと、数量ベースでは18年度16.9%、19年度17.2%、20年度17.6%、21年度20.3%、22年度23.0%、23年度23.3%、金額ベースでは18年度5.7%、19年度6.2%、20年度6.8%、21年度8.5%、22年度9.4%、23年度9.6%です。
数量は出荷数量、金額は薬価ベースで、21年度より調査方法が変わっているため、20年度以前と21年度以降の数値は単純に比較できません。
投与経路別データは、数量シェアでは、平成21年度(全医薬品20.3%)が内用薬20.5%、注射薬23.2%、外用薬16.9%、平成22年度(全医薬品23.0%)が内用薬23.4%、注射薬25.1%、外用薬17.5%、平成23年度(全医薬品23.3%)が内用薬23.7%、注射薬26.5%、外用薬16.7%。
また、金額シェアでは、平成21年度(全医薬品8.5%)が内用薬8.4%、注射薬8.0%、外用薬10.2%、平成22年度(全医薬品9.4%)が内用薬9.6%、注射薬8.3%、外用薬10.9%、平成23年度(全医薬品9.6%)が内用薬10.0%、注射薬8.6%、外用薬10.1%となっています。
http://www.jga.gr.jp/
2012/06/18(月) 11:54
厚生労働省は、6月8日、「がん対策推進基本計画」の変更について、発表しました。
「がん対策推進基本計画」については、がん対策基本法(平成18年法律第98号)に基づき策定するものであり、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の基本的方向について定めるとともに、都道府県がん対策推進計画の基本となるものです。
基本計画の変更については、これまで、がん対策推進協議会の意見を聴きつつ、検討を進めてきたところですが、8日、閣議決定されるとともに、国会に報告されたことを踏まえ、その内容を公表したものです。
がん対策推進基本計画は、がん対策基本法に基づき政府が策定するものであり、平成19年6月に策定され、基本計画に基づきがん対策が進められてきました。今回、前基本計画の策定から5年が経過し、新たな課題も明らかになっていることから、見直しを行い、新たに平成24年度から28年度までの5年間を対象として、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する基本的な方向を明らかにするものであり、これにより「がん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」を目指します。
第1 基本方針
○ がん患者を含めた国民の視点に立ったがん対策の実施
○ 重点的に取り組むべき課題を定めた総合的かつ計画的ながん対策の実施
○ 目標とその達成時期の考え方
第2 重点的に取り組むべき課題
1.放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とこれらを専門的に行う医療従事者の育成
2.がんと診断された時からの緩和ケアの推進
3.がん登録の推進
4.(新)働く世代や小児へのがん対策の充実
第3 全体目標(平成19年度からの10年間)
1.がんによる死亡者の減少
(75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少)
2.全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の向上
3.(新)がんになっても安心して暮らせる社会の構築
第4 分野別施策と個別目標
1.がん医療
(1)放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とチーム医療の推進
(2)がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成
(3)がんと診断された時からの緩和ケアの推進
(4)地域の医療・介護サービス提供体制の構築
(5)(新)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組
(6)その他(希少がん、病理診断、リハビリテーション)
2.がんに関する相談支援と情報提供
3.がん登録
4.がんの予防
5.がんの早期発見
6.がん研究
7.(新)小児がん
8.(新)がんの教育・普及啓発
9.(新)がん患者の就労を含めた社会的な課題
第5 がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
1.関係者等の連携協力の更なる強化
2.都道府県による都道府県計画の策定
3.関係者等の意見の把握
4.がん患者を含めた国民等の努力
5.必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化
6.目標の達成状況の把握とがん対策を評価する指標の策定
7.基本計画の見直し
「がんの予防」に関しては、平成34年度までに、成人喫煙率を12%、未成年者の喫煙率を0%、受動喫煙については、行政機関及び医療機関は0%、家庭は3%、飲食店は15%、職場は平成32年までに受動喫煙の無い職場を実現する。
「がんの早期発見」については、がん検診の受診率を5年以内に50%(胃、肺、大腸は当面40%)を達成する。
「小児がん」については、5年以内に小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を開始する。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002bp3v.html
2012/06/14(木) 15:29
日本薬剤師会は、6月7日の記者会見で、「東日本大震災におけるお薬手帳の活用事例」の取りまとめについて発表しました
日本薬剤師会では、平成23年9月27日付通知で「東日本大震災におけるお薬手帳の活用事例」の報告を依頼しましたが、このほど報告された活用事例を取りまとめました。「これらの事例が広く周知されることにより、お薬手帳がより一層、医薬品の安全・安心な供給と使用のために有用なツールとして普及・活用されることを期待いたします」としています。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、津波被害等により医療機関や薬局、カルテや薬歴等の医療インフラが大きな被害を受けました。
そのような環境の中、お薬手帳の活用により、スムーズかつ適切に医薬品が供給され、適切に医療が提供される場面が多く見受けられました。
今般の災害で、お薬手帳が医療情報を集積・共有する媒体として有用であったこと、またお薬手帳による患者への医療情報の開示により納得・安心して医療を受けることにつながるなど、お薬手帳の有用性が改めて経験として得られたことから、日本薬剤師会では、お薬手帳の活用を一層推進するため、震災時におけるお薬手帳の活用事例を収集しました。
事例収集時期は平成23年9月~11月、対象者は被災地で支援活動を行った薬剤師ほか医療・保健関係者で、都道府県薬剤師会を通じて対象者へ報告用紙を配布し、日本薬剤師会へ直接、または都道府県薬剤師会で取りまとめの上、日本薬剤師会へ報告する方法で収集しました。報告事例件数は849件です。
東日本大震災の被災地の状況
・ 津波により医療機関・薬局そのものも、カルテ・薬歴も失われている
・ 医療スタッフが短期間で交代する
・ 薬の量、種類が乏しい(短期間処方、頻回受診にならざるを得ない)
・ 在庫される薬の種類や規格が頻繁に変わる
・ 避難所移動などが頻繁
・ 直接的な被災地ではなく通常の医療体制がある場合でも、交通手段が無いために(ガソリン不足)いつも通っている医療機関を受診できない
・ 遠方への避難
活用された主な場面については、
(1)被災直後~混乱期
直接的に津波被害を受けた地域では多くの方がお薬手帳も流されていた。被災前に使用していたお薬手帳を持参された方は、手帳の記載情報が処方や使用医薬品の選択、代替薬の提案に非常に役立った。
(2)中長期(避難所等)
救護所、仮設診療所で受診された方へのお薬手帳交付や、薬剤師の避難所巡回活動等により服薬内容等を聞き取ってお薬手帳に記載してお渡しすることができるようになった。医薬品使用者の多くにお薬手帳が普及し、受診や健康相談の際に活用され、医療関係者等の重要な情報共有ツールとなったとともに、使用者本人の薬剤管理に役立った。
(3)他地域への移動(2次避難、転居)
被災地の避難所から、2次避難先など、通常の医療提供体制がある地域に移られた際にも、お薬手帳の情報によりその後の医療にスムーズに引き継がれた。
(4)個別事例
お薬手帳について、様々な場面で情報共有ツール、情報開示ツールとして有効に活用され、また「手帳」というアナログな媒体であったことがむしろ、電力供給に左右されることなく、特別な読取装置などがなくても活用でき、即時に閲覧や記入が可能であるという利点を発揮。また、本人が所有する手帳に情報が蓄積されることが、医療スタッフの交代や受診先の変更があっても即時かつ確実に情報を伝達することを可能にしました。
医療スタッフの間では、カルテ・薬歴代わりとしても活用され、検査値や体調などを書き込んでいくことで、医療スタッフの申し送り・伝言板的な役割も果たしました。
同時に、患者自身にとってのお薬手帳の意義も改めて明らかになりました。
http://www.nichiyaku.or.jp/
2012/06/13(水) 16:35
日本薬剤師会は、6月7日の記者会見で、「一般用医薬品のインターネット販売に対する日本薬剤師会の見解」を発表しました。
<意見>
「一般用医薬品のインターネット販売の規制緩和については、以下の理由により、反対します。」
<理由>
1.医薬品の副作用による健康被害を最小限に抑えるためには、適切な服薬指導、情報提供とともに、副作用の発症後の適切な指導、措置、受診勧告など、悪化防止のための迅速な対応が不可欠であるが、インターネット販売ではそうした対応は困難であると考えられる。
2.「対面」の最も重要な意味は、販売者の実態・実存を、購入者が確認できることにある。生命関連商品である医薬品の安全性を確保するためには、「責任者の所在の確認が可能である」ことが、絶対不可欠の要素である。先般のバスツアー事故を見ても、インターネット販売については責任の所在が大きな問題であると考えられる。
3.また、インターネット販売では、脱法ドラッグ、脱法ハーブ、偽造医薬品、不良健康食品など、犯罪や健康被害が続発しているが、その主な原因は、インターネット販売の「匿名性」である。販売責任者をパソコン上しか確認できないインターネット販売サイトは、生命関連商品である医薬品の販売の場として不適当と言わざるを得ない。
また、我が国の現状と鑑みれば、現実論として法整備の遅れのため、インターネット犯罪を取り締まるどころか、コントロールが困難な状態である。このような状況は、ネット先進国でも同様であり、世界共通の問題になっている。
4.インターネットによる医薬品販売は、そもそも規制緩和の一環であり、規制緩和は生活者自らの自己責任を基本としている。しかし、我が国における消費者トラブルの内容から見ても、日本では自己責任という考え方について、まだまだ国民の理解は十分に得られていない。
このような現状では、医薬品インターネット販売の規制緩和は問題である。
http://www.nichiyaku.or.jp/
2012/06/13(水) 14:51
日本医師会は、第14回「生命(いのち)を見つめる」フォトコンテストを実施します。
日本医師会と読売新聞社は、生命の尊さ、大切さを考えてほしいとの願いを込めて、「生命(命)を見つめる」フォトコンテストを開催しています。周囲の生きとし生けるものすべてが被写体で、レンズを通して「生命」を感じた作品を募集します。
審査委員は、田沼武能(日本写真家協会会長)、椎名誠(作家)、ロザンナ(歌手)、織作峰子(写真家)各氏ほかで、最優秀賞(1点)に30万円、日本医師会賞(1点)、讀賣新聞社賞(1点)、審査員特別賞(1点)に各10万円、入選(5点)に5万円、佳作(20点)に図書カード5,000円分が贈られます。
応募規定は、応募作品(プリント)は、本人が撮影したフィルムの未発表作品に限ります。デジタルカメラで撮影したもの、及びデジタルプリントまたは500万画素以上のデジタルデータでも応募可能です。作品のプリントサイズはキャビネ判(2L)、応募作品は原則として応募日から3年以内に撮影したものに限ります。1人3点まで応募できます。
締切は11月16日(必着)で、2013年2月に讀賣新聞紙上で発表する予定です。
応募・問い合わせ先は、〒104-8325 東京都中央区京橋2-9-2 読売新聞東京本社事業開発部「フォトコン」係(TEL:03-5159-5886)、またはHPまで。
http://www.med.or.jp/
2012/06/13(水) 14:49
日本医師会は、6月6日の記者会見で、「電力使用制限令及び計画停電発動に伴う医療機関等への通電に関する要望」を5月25日付で提出したことを発表、各電力会社の対応を報告しました。
要望は、電力会社9社に対して日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)が連名で提出したもので、内容は次の通りです。
<電力使用制限令及び計画停電発動に伴う医療機関等への通電に関する要望>
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う大規模な電力供給不足により、東北電力及び東京電力管内では、計画停電の実施や電力使用制限令が発動されました。
こうした広範囲にわたる計画停電の実施による、電力供給停止によって、医療機関や在宅における医療活動が停止し、地域住民の生命と健康が大きく脅かされました。憲法が保障する国民の生存権に鑑みれば、医療を必要とする国民が、計画停電によって生命の危機に晒される事態は絶対にあってはならないことであり、政府始め関係者は、その回避のために最善の対策を講じる責務を負っていると考えます。
また、電気事業法第27条に基づく電力使用制限令の発動に際しては、日本医師会のデータに基づく働きかけにより、大口需要家である医療機関における電力の使用制限は緩和されたものの、計画停電が実施された場合に通電される医療施設は、根拠不明なまま、政府により東北電力・東京電力管内合計で505の医療施設に限定されました。これにより、救急患者のほとんどを受け入れている民間を中心とした救急医療施設が通電対象から外され、国民の生命に重大な危険を及ぼす恐れが生じました。
今夏は、昨年にも増して、全国的な電力供給の逼迫が予測されており、北海道電力・関西電力・四国電力・九州電力管内においては、計画停電の実施の可能性があります。
つきましては、今夏、電力使用制限令の発動や計画停電が実施される場合においては、電力供給が生命線となる全ての医療及び介護施設、並びに居宅における患者や被介護者等(弱者)の生命や健康が脅かされることが無きよう、電力供給を行うことにつき、特段のご配慮をお願い申し上げます。
http://www.med.or.jp/
2012/06/07(木) 15:46