電力制限・計画停電に伴う医療機関等への通電で要望 日本医師会など
日本医師会は、6月6日の記者会見で、「電力使用制限令及び計画停電発動に伴う医療機関等への通電に関する要望」を5月25日付で提出したことを発表、各電力会社の対応を報告しました。
要望は、電力会社9社に対して日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)が連名で提出したもので、内容は次の通りです。
<電力使用制限令及び計画停電発動に伴う医療機関等への通電に関する要望>
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う大規模な電力供給不足により、東北電力及び東京電力管内では、計画停電の実施や電力使用制限令が発動されました。
こうした広範囲にわたる計画停電の実施による、電力供給停止によって、医療機関や在宅における医療活動が停止し、地域住民の生命と健康が大きく脅かされました。憲法が保障する国民の生存権に鑑みれば、医療を必要とする国民が、計画停電によって生命の危機に晒される事態は絶対にあってはならないことであり、政府始め関係者は、その回避のために最善の対策を講じる責務を負っていると考えます。
また、電気事業法第27条に基づく電力使用制限令の発動に際しては、日本医師会のデータに基づく働きかけにより、大口需要家である医療機関における電力の使用制限は緩和されたものの、計画停電が実施された場合に通電される医療施設は、根拠不明なまま、政府により東北電力・東京電力管内合計で505の医療施設に限定されました。これにより、救急患者のほとんどを受け入れている民間を中心とした救急医療施設が通電対象から外され、国民の生命に重大な危険を及ぼす恐れが生じました。
今夏は、昨年にも増して、全国的な電力供給の逼迫が予測されており、北海道電力・関西電力・四国電力・九州電力管内においては、計画停電の実施の可能性があります。
つきましては、今夏、電力使用制限令の発動や計画停電が実施される場合においては、電力供給が生命線となる全ての医療及び介護施設、並びに居宅における患者や被介護者等(弱者)の生命や健康が脅かされることが無きよう、電力供給を行うことにつき、特段のご配慮をお願い申し上げます。