奈良県が偽造処方せんによる向精神薬搾取で発表
奈良県は、6月18日、「向精神薬を偽造処方せんにより搾取した事件」について報道発表を行いました。
本年4月24日、カラーコピーにより偽造された複数の向精神薬処方せんが、奈良市内の薬局に持ち込まれ、向精神薬を不正入手される事件が発覚しました。近畿厚生局麻薬取締部及び奈良県薬務課において捜査を行い一連の犯罪事実を立証したため、この被疑者を6月18日、麻薬及び向精神薬取締法第72条第4号(向精神薬処方せん偽造)の疑いで奈良県地方検察庁に書類送致しました。
なお、県は4月26日付で県薬剤師会に対し、注意喚起に係る通知を発出し、さらに6月18日、県薬剤師会、県医師会等の医療関係団体に対し、再発防止に係る通知を発しました。
<概要>
4月24日、奈良市内の薬局から、提出された処方せんがカラーコピーだったことに気づき、県薬務課に報告があった。確認したところカラーコピーであることが判明し、捜査したところ、3つの医療機関から発行された処方せんを偽造し、今年2月13日から5月8日の間に、16薬局(奈良市内9、大和郡山市内2、京都府内2、大阪府内3)で28枚使用し、不正に入手されていた。
処方された薬剤は、ベンザリン錠とアモバン錠(一部同薬効含む)で、不正に入手された薬剤量は、各々744錠ずつ。
被疑者 奈良市内在住学生
被疑者は、若い頃からうつ病からくる不眠症に悩まされていたが、そのうち1つの医療機関から処方される量では足りなくなり、処方せんをコピーして不正に薬を入手するに至った。
ベンザリン錠:成分名ニトラゼパム 第3種向精神薬、睡眠誘導剤、抗痙攣剤
アモバン錠:成分名ゾピクロン 睡眠障害改善剤
県では、2回の通知のほか、今後、県薬務課、県薬剤師会連名で偽造処方せん防止のチラシを作成予定です。