matsuda's blog

2011年7月

医薬品の安全性情報の提供で通知 厚生労働省

厚生労働省は、715日、都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部()長宛に、「医薬品の安全性情報の提供」について、医薬食品局安全対策課長名の通知を発しました。また、各都道府県衛生主管部()長宛に「緊急安全性情報等の提供に関する指針」について通知し、管内関係医療機関及び関係業者に周知方を要請しました。

 

医薬品の安全性情報の提供について

 

医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、調査、検討等を踏まえ、使用上の注意の改訂が必要な場合、使用上の注意の改訂指示について、当職から関係者に対し通知してきたところである。

今般、安全対策の一層の充実を図る観点から、下記の情報については、使用上の注意の改訂等の安全対策措置に繋がりうる事前情報として、随時、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のHPに掲載し、情報配信サービス(PMDAナビ)により情報提供することとしたので、お知らせする。

                          記

1 使用上の注意の改訂等に繋がりうるものとして注目しているリスク情報

副作用報告の一定の集積、市販直後調査等において示唆されるリスク情報で、厚生労働省及びPMDAにおいて、医薬品との関連性を評価中であるが、使用上の注意の改訂等に繋がるものとして注目しているものについて、医薬品名及び副作用名等を情報提供する。

2 外国規制当局や学会等が注目し、厚生労働省及びPMDAが評価を始めたリスク情報

  研究論文等の結果に基づき、外国規制当局や学会等が注目し、我が国で使用されている製品にも影響がるものとして厚生労働省及びPMDAにおいて評価を始めたリスク情報について、概要等を情報提供する。

 

緊急安全性情報の提供に関する指針について

 

 医薬品の製造販売業者は、薬事法第77条の4に基づき、医薬品等の使用による保健衛生上の危害の発生又は拡大するおそれを知った場合は、これを防止するため、情報の提供を含めた必要な措置を講じなければならないとされている。また、昭和55410日付け薬発第483号薬務局長通知において、医薬品等の販売、授与の一時停止のほか応急の措置の具体的内容として、「ドクターレター等による医師等に対する緊急の情報伝達の指示、広報機関を利用した一般へのPR」が例示されているところである。

 緊急安全性情報の作成基準については昭和611127日付け薬安第227号厚生省薬務局安全課長通知により、医薬関係者等への情報提供基準・様式について平成元年102日付け薬安第160号薬務局安全課長通知により示されたところである。

 近年、緊急安全性情報や、医薬関係者等に対する一般的な添付文書改訂の情報伝達のみならず、迅速に注意情報を伝達することが必要となる場合があること、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から電子媒体による情報提供を行うことや、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」が配布されるなどの情報提供をとりまく環境が著しく変化している。

同時に、医薬関係者だけでなく、患者や一般国民に対してもわかりやすい情報の提供が求められていることや、後発医薬品、一般用医薬品及び医療機器の製造販売業者も含めて実施可能な情報提供の在り方も考慮しなければならない。

以上のことから、今般、医薬品・医療機器に係る緊急安全性情報等の作成、配布にあたり、指針を定める。

なお、この通知に伴い、昭和61年課長通知及び平成元年課長通知は廃止する。

2011/07/21(木) 15:52

田辺三菱製薬に業務改善命令 厚生労働省

厚生労働省は、719日、田辺三菱製薬()に対する薬事法に基づく行政処分(業務改善命令)を発表しました。

厚生労働省では、本年1月に田辺三菱製薬()から、同社が製造販売しているリプル等について、製造業者である田辺三菱製薬工場()足利工場で出荷判定に必要な品質試験の一部が実施されていなかった旨の報告があったことを受け、栃木県、大阪府と共同で事実関係等の調査を行ってきたところですが、14日、調査結果に基づき、田辺三菱製薬()に対して、薬事法第72条の41項の規定に基づき業務改善を命じました。

違反行為は、○田辺三菱製薬()が製造販売するリプル等について、製造業者である田辺三菱製薬工場()足利工場において、少なくとも平成194月から平成224月までの間、出荷判定に必要な品質試験の一部が実施されておらず、製造販売業者である田辺三菱製薬 ()は、製造業者に適切に製造・品質管理を行わせていなかった(薬事法第12条の21:GQP及び第18条第1項違反)、○田辺三菱製薬()は、改善命令を受けて策定した改善計画により、GQPGMP違反の再発防止に取り組んでいるところであるが、本件においても違反発見・原因究明の遅れ等が見られるなど、なお再発防止の取組が不十分である、というものです。違反品目はリプル(プロスタグランジン製剤)、パズクロス(ニューキノロン系抗菌製剤)、リメタゾン(合成副腎皮質ホルモン剤)で、いずれも注射剤です。

処分内容は次の通りです。

業務改善命令(薬事法第72条の41)

メドウェイ注の事案()を受けて策定したGQPGMP違反の再発防止策について、さらに実効性のあるものとなるよう見直しを行い、その結果を厚生労働省に報告するよう命じる。

       田辺三菱製薬()が製造販売するメドウェイ注(遺伝子組み換え人血清アルブミン製剤)について、製造業者である()バイファで承認申請資料データ及び市販製品の品質管理データの差し替えがあり、承認申請に係る法令違反及びGQPGMP違反により、昨年4月、田辺三菱製薬()は業務停止処分及びGQPGMPの改善命令を受けた。田辺三菱製薬()は改善命令を受け、昨年6月、再発防止等についての改善計画を策定し、厚生労働省に提出している。

なお、田辺三菱製薬工場()足利工場に対しては、同日、栃木県が薬事法第75条第1項に基づく業務停止(720日から29日までの10日間)を命じています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jfpc.html
2011/07/21(木) 14:35

透析食レシピ クッキング&セミナー バイエル薬品が全国5都市で開催

バイエル薬品は、透析患者のより良い食生活への一助となることを目的に、社団法人全国腎臓病協議会(全腎協)の加盟組織と共催で、「透析食レシピ クッキング&セミナー」を20097月より全国各地で開催していますが、2011年度は、731日の静岡県浜松市を皮切りに、福岡・佐賀・新潟・秋田各県の5都市で開催します。

国内で透析療法を受けている患者数は、20101231日現在で297126人となり、前年度より6,465人増加しています。

透析患者は日常の食生活において、エネルギー、たんぱく質、塩分、リン、カリウムといった数多くの栄養素や水分の摂取量を管理しなくてはならず、日々の負担は決して小さくありません。

バイエル薬品では、透析における栄養管理の重要性の啓発を目的に、2008年からオリジナル透析食レシピを募集する「バイエル・レシピコンテスト」を開催。翌年の2009年には、レシピコンテストの成果を幅広く知っていただき、また同時に、患者の食生活の生かしていただくために、全腎協に加盟する各地の患者会とともに、「透析食レシピ クッキング&セミナー」をスタートし、2年間で全国の9都市で開催してきました。

「透析食レシピ クッキング&セミナー」では、開催地の専門医による「透析と食」についての講演のあと、参加者全員で透析食の調理実習を行います。調理実習には、「バイエル・レシピコンテスト」の受賞レシピに加え、開催地の地元で採れる新鮮で手に入れやすい食材を活用した"地産地消"を考えた透析食を作ります。また、調理実習の後は、日頃から透析患者の栄養指導を行っている管理栄養士による食材選びや栄養管理についてお話を聞きながらの昼食タイムで、おいしい料理を食べながら、患者同士の交流の場としても楽しんでいただいています。

2011年度の開催は次の通りです。

静岡県(静岡県腎友会との共催)731日 浜松市

福岡県(福岡県腎臓病患者連絡協議会との共催):1113日 福岡市

佐賀県(佐賀県腎臓病患者連絡協議会との共催):1120日 佐賀市

新潟県(新潟県腎臓病患者友の会との共催):124日 新潟市

秋田県(秋田県腎臓病患者連絡協議会との共催):1211日 秋田市

 

バイエル薬品では、「今後も本活動や『バイエル・レシピコンテスト』を通じて、より多くの方々に『透析患者さんにおける栄養管理の重要性』を理解していただき、透析患者さん、および腎臓病に対する社会の理解を深めることに貢献していきたいと考えております」と表明しています。

 

http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/index.php
2011/07/20(水) 17:51

大洋薬品工業、テバへの株式譲渡を完了

大洋薬品工業株式会社は、714日にテバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッドが大洋薬品の発行済み株式の事実上100%740億円(925百万ドル)で取得したことを発表しました。この取引の完了により、大洋薬品はテバグループに統合されました。

テバのグローバルスケール、API、バイオシミラー、その他の製品ポートフォリオと、大洋薬品の日本におけるプレゼンス、生産設備、研究開発の能力が結びつくことにより、日本における両社の企業価値が最大化され、日本のジェネリック市場をリードする体制ができました。

テバグローバルの社長兼CEOであるShlomo Yanai氏は、「テバの長期的な戦略プランを実行する上で、この統合は非常に重要な意味を持つ。現時点でテバが展開している日本でのビジネスに大洋薬品が加わることにより、日本市場においてリーディングカンパニーになるというテバの戦略的目標を達成することができると確信している」とコメントしています。

また、大洋薬品の社長兼CEOである島田誠氏は、「日本におけるジェネリック市場の拡大のため、テバと協力することで、製品ポートフォリオ、研究開発、生産などにおいて統合に伴うシナジー効果を追求していきたい。我々はステークホルダーの皆様からの貴重なご支援に感謝すると同時に、全社員がそのご支援に報いるべく全力を尽くします」とコメントしています。

なお、統合後も島田誠氏が大洋薬品の社長兼CEOを務めます。

 

http://www.taiyo-yakuhin.com/

 

2011/07/20(水) 16:26

女性QOLとセルフメディケーション 小林製薬が女性QOL意識調査

小林製薬は、現代女性たちが自身の体調や健康、QOLについてどのように感じているのか、に関してアンケート調査を実施、714日にその結果を発表しました。「女性の約3人に2人が体調の悪さを感じている」、「女性特有の症状を経験した人は84.7%」と明らかにしています。

男女雇用機会均等法が施行されて25年。1985年の制定当時、1,548万人、全体の35.9%であった女性の雇用者数は、2009年には2,311万人、42.3%にまで増加。特に、この10年で結婚後も働く(働きたい)20代・30代女性が10%も増加しています。妻・母・働く女性・市民など活躍の場が広がってくると同時に、体や心の悩みも多様化・日常化しています。多くの女性が体調に不安を感じ、「もっと健康的な生活を」と願いつつ、忙しい・恥ずかしい・面倒などの理由から、なかなか行動に移せないのが現状のようです。

こうした女性の悩みに着目し、更年期や肥満薬の新たな市場を開拓し続けてきた小林製薬では、現代女性たちが自身の体調や健康、QOLについてどのように感じているのか、に関してアンケート調査を実施したものです。

対象は、20代~60代の女性各年代103名、合計515名で、528,29日にインターネット調査により実施しました。

 

1.女性の約3人に2人が「体調の悪さを感じている」

 普段の体調を聞いたところ、「体調の悪さを感じる」が66.2%3人に2人が日常生活の中で何らかの体調不良を感じています。

 その内容は、(1)肩こり・腰痛(74.8%)(2)だるさ・疲労(64.8%)(3)頭痛(48.1%)(4)イラつき(34.5%)(5)肌荒れ(29.6%)、など、様々で、その上、これらの症状から「将来の健康に不安を感じる」が81.3%(不安を感じる18.5%、やや不安を感じる62.8%)に達しています。日々、多様な悩みを抱え、それが将来の健康不安につながっている人が少なくないようです。

 

2.女性特有の症状を経験した人は84.7%

 具体的な症状について、女性固有の症状として多いのは「便秘」(48.5%)、「生理痛」(46.0%)、「生理不順」(25.2%)、「膀胱炎」(24.1%)50代以上で増える「更年期障害」(22.3%)20代・30代に多くみられる「傷あと」(21.6%)などが挙げられます。これらを合わせると、実に84.7%の女性が、実際にいずれかの症状に悩んだ経験があるのです。しかも、多くの女性が、もしこれらの症状になっても「我慢したり、放置してしまう」と答えています。

 「尿もれ」(16.1%)、「膣の痒み」(16.1%)、「膣カンジダ症」(16.3%)、「膀胱炎」などデリケートな部分の症状については、「人に言うと恥ずかしい」という声が多く、また、「更年期」「便秘」「傷あと」などは、「治療するほどの病気ではない」「我慢できる程度だから」という意識が強くみられます。また、特徴的な声として、「更年期」については「改善の方法がわからない」、「傷あと」については「どうせ治らない」といった迷いやあきらめの気持ちもあるようです。

 

 このような様々な不調や症状を抱えながらも、一方で、女性たちは「もっと体調に気を使いたい」(59.6%)、「もっと健康的な生活がしたい」(61.7%)という要望も強く持っています。

 

http://www.kobayashi.co.jp/

 

 

 

2011/07/20(水) 15:00

東日本大震災に係る薬剤師会の救援活動(第4報) 日本薬剤師会が発表

日本薬剤師会は、714日、東日本大震災に係る薬剤師会の救援活動について発表(4)しました。派遣薬剤師数は延べ8,378人に達しています。

日本薬剤師会では、東日本大震災が発生した311日、直ちに児玉孝会長を本部長とする災害対策本部を立ち上げ、都道府県薬剤師会との連携のもと、被災地における医薬品の安全・安心な供給と使用を確保するため、継続的に薬剤師の派遣等を行ってきました。

これまでの活動状況の概要は次の通りです。

なお、本年6月末をもって組織的救援活動は終了しましたが、まだ多数の被害者が救援所に居られることから、個別の救援活動は継続する予定です。

 主な内容は次の通りです。

     派遣した薬剤師数(711日現在)

(1)   派遣薬剤師数

     岩手県:実人数337人、延べ人数1,503

     宮城県:実人数1,162人、延べ人数4,784

     福島県:実人数559人、延べ人数2,078

     茨城県:実人数  4人、延べ人数   13

合計  実人数2,062人、延べ人数8,378

(2)   参加都道府県薬剤師会数

     44都道府県(被災3県を除く)

(3)   派遣種類別の人数

     薬剤師会の支援活動としての派遣(自県対応分を除く):実人数1,620人、延べ人数6,326

     都道府県医師会との連携に基づく派遣(JMATへの参加等):実人数157人、延べ人数679

     都道府県等、自治体からの支援要請に基づく派遣:実人数200人、延べ人数982

     その他による派遣:実人数85人、延べ人数391

この他に、日本病院薬剤師会にも77日現在で、321人の病院薬剤師から派遣協力申出があり、派遣先と活動開始の日程調整が済んだ者から順次、被災地の医療機関に向けて派遣された。

また、日本チェーンドラッグストア協会および日本保険薬局協会等の関係団体からも、薬剤師派遣や医薬品・衛生用品等の提供がなされた。

     派遣先での活動内容例

(1)   医薬品集積所等での医薬品の仕分け・管理、並びに救護所・避難所への払い出し業務

(2)   救護所・仮設診療所等における被災者に対する調剤および服薬説明

(3)   派遣された医療チームに同行して、処方支援・医薬品の識別・代替医薬品の選択、それに伴う服薬説明等を通じた安全・適正使用の確保

(4)   各避難所を巡回し、避難された被災者からの医薬品に関する相談・服薬説明に加えて、一般用医薬品(OTC薬)の適切な使用とその相談(OTC薬で対応が可能と考えられる被災者に対しては、救護所等での診察の前に薬剤師が症状等を聞き、適切なOTC薬を供給。これにより、医療チームは多くの患者への対応の診察が可能となった。)

(5)   避難所等における衛生管理並びに防疫対策への協力(夏場において大量発生が懸念されるハエや蚊などの害虫対策として、薬剤師会が班編成を組み、被害の大きい地区の避難所に殺虫剤及び簡易噴霧器を配布するとともに、仮設トイレやゴミ置場などで殺虫剤の散布方法の説明を行った。また、梅雨シーズン及び夏期における、ノロウイルス、サルモネラ菌、病原性大腸菌等への感染も懸念されることから、薬剤師会では予防対策として「手洗い」「塩素系消毒剤での靴裏の消毒」等を呼びかけた。)

(6)   避難所生活の長期化に伴う、栄養バランスの悪化に対する総合ビタミン剤の供給

     お薬手帳等の服薬情報の活用

今回、救護所で活動している薬剤師は、避難所等へ避難されている糖尿病や高血圧等の慢性疾患の被災者から被災前に使用していた薬を聞き取り、「お薬手帳」に薬剤名等を記載する取り組みを行った。これにより、医療チームの医師は効率的な診察を行うことができ、多くの患者の診察が可能となった。

また、医療チームの一員として派遣された薬剤師が、救護所で処方された薬剤名等を「お薬手帳」に記載して配付することで、被災者の方々は処方薬を自己管理し、間違うことなく服用でき、さらにその後別の避難先で診療を受けた場合にも、継続した薬物療法を受けることが可能となった。

このように、今回の震災では「お薬手帳」の活用が医薬品の安全な使用に効果を挙げた。

日本薬剤師会では、これまで約1万冊の「お薬手帳」を被災地の救護所などへ提供した。また、都道府県薬剤師会からは約5万冊の「お薬手帳」が提供されており、派遣薬剤師が被災地へ「お薬手帳」を持参し、配布した。その他、日本病院薬剤師からも約7,000冊の「お薬手帳」が提供された。

 なお、発表では、「今後の予定」、「被災地における機能的・総合的な医療・介護の復興の必要性」も示されていますが、「今回の震災で、医療・介護における薬局・薬剤師の必要性が再認識されたものと認識している。したがって、そのスキームには、必ず薬局を組み込むことが不可欠である」と強調しています。

 また、政府に対する「東日本大震災復興支援に関する要望書」や被災者健康支援連絡協議会における「地域薬剤師会等が仮設薬局を開設する場合の支援」などについての要望についても言及しています。

 

http://www.nichiyaku.or.jp/

2011/07/19(火) 13:15

医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言 日本医師会がまとめる

日本医師会では、国の政策や様々な問題・事象に対する見解や、新たな行動指針・活動計画・成果報告などを紹介するため、役員が報道各社に対して定例記者会見を行っており、ホームページの「定例記者会見コーナー」で、会見の内容や提出した資料を紹介していますが、713日の記者会見では、医療事故調査に関する検討委員会(プロジェクト)答申「医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言」について発表しました。

 同委員会は、平成221224日に、会長より諮問された「医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言」について、平成23415日までに5回の委員会を開催し、鋭意検討を重ね、同時並行的にメール等による全委員からの意見収集と意見交換を行った結果、意見の集約をみたため答申したものです。

 医療事故対応に関する議論は、医師法第21条改正問題も含めて、これまで医療界は言ううに及ばず、患者団体、法曹界、政官界、マスコミを包含した社会的な課題として、熱心に行われ、「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱」が協議されるに至りましたが、多くの議論とエネルギーが投入されたにもかかわらず、最終的な合意という点では不調に終わっています。

 そのため、「ここで、これまでの議論をそのまま終焉させてしまうことは、医療界のみならず、社会にとって不幸なことである。日本医師会がわが国の医療において担う役割を考えるならば、これらの議論を再開し、さらに発展させていくべきであることは自明といえる」としています。

 

 提言は、基本的考え方として、

 

 医療事故調査制度の目的は、医療事故の真の原因究明と再発防止である。

 医療は如何に確実性を求めても不確実性が残り、一定の割合で生じる不幸な結果は避けることができない。しかし、医療の安全と医療の質の向上に努め国民が安心して医療を受けられる社会をつくるのは医療界の責務である。また日本医師会は、プロフェッショナル・オートノミーによる自浄作用の観点から、医療安全の制度を再点検することが大切である。

 わが国の医療事故調査制度の柱を、「院内医療事故調査」と、医療界、医学界が一体となって組織、運営する「第三者機関」とし、これによって、医療界は自ら定める職業規範の責務を果たすという点で、自律的かつ意欲的に医療の質向上に努め、国民が安心と信頼を持って医療を受けられる体制を築く。日本医師会には、最大の医療団体として、本制度の構築を主導・調整する責務がある。

 

としています。

 そして、◇全ての医療機関に院内医療事故調査委員会を設置する、◇医療界、医学界が一体的に組織・運営する「第三者的機関」による医療事故調査を行う、◇医師法21条の改正を行う、◇ADRの活用を推進する、◇患者救済制度を創設する、について提言しています。

 

http://www.med.or.jp/

 

2011/07/15(金) 16:41

医療機関の部門別収支を調査 中央社会保険医療協議会

中央社会保険医療協議会の第193回総会は、713日に開催され、医療機関の部門別収支に関する調査、平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成23年度調査)の実施などについて協議しました。

医療機関の経営状況は、中医協の「医療経済実態調査」で調査されていますが、この調査で示される医療機関の収支は施設全体についてのものであり、一般診療所に関しては主たる診療科別の集計がなされていますが、病院に関しては診療科別の集計はなされていません。一方、「医療機関の部門別収支に関する調査」は、病院における診療科別の収支を把握することを目的として、平成15328日の閣議決定(健康保健法等の一部を改正する法律附則第2条第2項の規定に基づく基本方針)に基づき、診療報酬体系に医療機関のコスト等を適切に反映させるため、医療機関の診療科部門別収支の統一的な計算手法を開発することを目的とし、平成15年度から20年度の6ヵ年にわたり、中医協・診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会で実施されてきました。

平成23年度医療機関の部門別に関する調査は、22年度事後アンケート調査の結果等を踏まえ、引き続き調査項目の簡素化、調査方法の改善を図りつつ、次の要領で実施します。

(1)   調査の目的

「医療機関の部門別収支に関する調査研究」において悪率・検証された診療か部門別収支計算方法を用いて、病院における医業経営の実態等を診療科別に把握し、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的とする。

(2)   調査の内容

病院における診療科別の収支を算定するための「一般原価調査」と病院の中央診療部門における費用を、各診療科に配賦するための係数(標準的等価係数)を作成するための「特殊原価調査」を行う。

調査項目・調査方法については、平成22年度調査を基本としつつ、調査項目について簡素化、改善を図るものとする。

(3)   調査対象施設

平成22年度調査と同数程度とし、引き続き、DCP対象病院・準備病院以外の病院にも募集を行う。

(4)   東日本大震災の影響による実施上の配慮

抽出された保険医療機関等については、事前に文書、電話で協力依頼を行うこととしているが、東日本大震災被災区域等に所在する保険医療機関等に対しては、調査の協力を行わない。

(5)   スケジュール

平成238~9月:調査対象の選定

       9~10月:調査実施

平成241~2月:集計・分析

        3月:結果集計

 

また、平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査は、○病院勤務医の負担軽減の状況調査、○精神入院医療における重症度評価導入後の影響調査、○在宅歯科医療及び障害者歯科医療の実施状況調査、○在宅医療の実施状況及び医療と介護の連携状況調査、で、「病院勤務医の負担軽減の状況調査」では、医師・看護職員・薬剤師病棟業務の調査があり、薬剤師病棟業務については施設、医師、薬剤師の調査が行われます。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001hsqc.html

 

2011/07/15(金) 15:06

新医薬品12成分31品目を承認 中央社会保険医療協議会

中央社会保険医療協議会の第193回総会は、713日に開催され、医薬品の薬価収載について、12成分31品目を承認しました。内訳は内用薬が6成分9品目、注射薬が3成分10品目、外用薬が3成分12品目です。719日に薬価収載の予定です。

承認された新医薬品は次の通りです(銘柄名、会社名、成分名、承認区分、薬効分類)

       トラムセット配合錠:ヤンセンファーマ、トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン、新医療用配合剤、解熱鎮痛消炎剤(非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛又は抜歯後の疼痛における鎮痛用薬)

       ミラペックスLA0.375mg1.5mg:日本ベーリンガーインゲルハイム、プラミペキソール塩酸塩水和物、新剤形・新用量医薬品、抗パーキンソン剤(パーキンソン病用薬)

       レクサプロ錠10mg:持田製薬、エスシタロプロムシュウ酸塩、新有効成分医薬品、精神神経用剤(うつ病・うつ状態用薬)

       リパクレオンカプセル150mg・リパクレオン顆粒300mg分包:アボットジャパン、パンクレリパーゼ、新有効成分医薬品、健胃消化剤(膵外分泌機能不全における膵消化酵素の補充用薬)

       リクシアナ錠15mg30mg:第一三共、エドキサバントシル酸塩水和物、新有効成分医薬品、血液凝固阻止剤(膝関節全置換術、股関節全置換術又は股関節骨折手術施行患者における静脈血栓症の発症抑制用薬)

       グルベス配合錠:キッセイ薬品工業、ミチグリニドカルシウム水和物・ボグリボース、新医療用配合剤、糖尿病用剤(2型糖尿病用薬)

       ポプスカイン0.5%50mg/10L・ポプスカイン0.5%注シリンジ50mg/10L:丸石製薬、レボブピバカイン塩酸塩、新投与経路医薬品、局所麻酔剤(伝達麻酔用薬)

       ミルセラ注シリンジ25μg50μg75μg100μg150μg200μg250μg:中外製薬、エポチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)、新有効成分医薬品、他に分類されない代謝性医薬品(腎性貧血用薬)

       ハラヴェン静注1mg:エーザイ、エリブリンメシル酸塩、新有効成分医薬品、その他の腫瘍用薬(手術不能又は再発乳癌用薬)

       スープレン吸入麻酔薬:バクスター、新有効成分医薬品、デスフルラン、新有効成分医薬品、全身麻酔剤(全身麻酔の維持用薬)

       ノルスパンテープ5mg10mg20mg:ムンディファーマ、ブプレノルフィン、新有効成分医薬品、解熱鎮痛消炎剤(非オピオイド鎮痛剤で治療困難な変形性関節症又は腰痛症に伴う慢性疼痛における鎮痛用薬)

       イクセロンパッチ4.5mg9mg13.5mg18mg、リバスタッチパッチ4.5mg9mg13.5mg18mg:ノバルティスファーマ、小野薬品工業、リバスチグミン、新有効成分医薬品、その他の中枢神経用薬(軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制用薬)

 

2011/07/14(木) 18:09

わが国の医療についての基本資料を提出 中央社会保険医療協議会で2号側委員

中央社会保険医療協議会の第193回総会は、713日に開催され、診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会からの報告、医薬品の薬価収載、平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成23年度調査)の実施などについて協議しました。また、2号側委員から「わが国の医療についての基本資料」が提出され、説明が行われました。

2号側委員とは、医師、歯科医師および薬剤師を代表する委員で、518日の第190回総会と622日の第192回総会にも提出されています。資料は2号側委員7名と専門委員2名の連名になっています。

資料では、「今後の中医協は、1号側/2号側、診療所/病院、医師/看護師といった立場の違いを乗り越え、『国民のための医療をいかによくするか』という視点から、エビデンスに基づいた議論を構築することが重要。」とし、「そのために、日本の医療の原状について基本認識の共有を図る必要がある。」として、資料を提示しています。

 

ポイントとして、

       日本では、国民皆保険制度のもと、低水準の医療費のなかで世界一の医療レベルを達成してきた。

       しかし質の高さとコストの低さという矛盾がもたらす「ひずみ」は現場に押しつけられ、今日の医療崩壊(医療従事者の疲弊や医療機関の閉鎖・縮小)を招いた。

       国民に対して現在の医療レベルの提供を維持し、さらに発展させていくためには、相応のコストが不可欠。

       日本の場合、患者負担は重いが、税や保険料は低く引き上げの余地がある。

       もちろん、医療提供体制の見直しも必要。

       介護施設や在宅医療をめぐる環境も含め各地域の特性を踏まえた柔軟な医療提供体制の整備が必要。

-在宅医療の充実・推進は必要だが、過度に病床を削減し在宅医療を推進できる環境は整っていない。

-介護施設やケア付き住宅の整備も遅れている。

-医療機関の機能分化や集約化は必要だが限界もある。画一的に集約化を進めるのは適当ではない。

       勤務医等の労働環境を把握し負担軽減と処遇改善を図ることが必要。診療所の医師も、地域医療と健康を支えるために数々の役割を果たしている。

 

そして、「わが国の医療のあり方についての基本資料」として、「医療費」、「病床数等」、「医師数・病院従事者数等」、「歯科医療と全身の健康との関係」、「病院薬剤師の業務」についてデータなどを示しています。

2011/07/14(木) 15:21