田辺三菱製薬に業務改善命令 厚生労働省
厚生労働省は、7月19日、田辺三菱製薬(株)に対する薬事法に基づく行政処分(業務改善命令)を発表しました。
厚生労働省では、本年1月に田辺三菱製薬(株)から、同社が製造販売しているリプル等について、製造業者である田辺三菱製薬工場(株)足利工場で出荷判定に必要な品質試験の一部が実施されていなかった旨の報告があったことを受け、栃木県、大阪府と共同で事実関係等の調査を行ってきたところですが、14日、調査結果に基づき、田辺三菱製薬(株)に対して、薬事法第72条の4第1項の規定に基づき業務改善を命じました。
違反行為は、○田辺三菱製薬(株)が製造販売するリプル等について、製造業者である田辺三菱製薬工場(株)足利工場において、少なくとも平成19年4月から平成22年4月までの間、出荷判定に必要な品質試験の一部が実施されておらず、製造販売業者である田辺三菱製薬 (株)は、製造業者に適切に製造・品質管理を行わせていなかった(薬事法第12条の2第1号:GQP及び第18条第1項違反)、○田辺三菱製薬(株)は、改善命令を受けて策定した改善計画により、GQP・GMP違反の再発防止に取り組んでいるところであるが、本件においても違反発見・原因究明の遅れ等が見られるなど、なお再発防止の取組が不十分である、というものです。違反品目はリプル(プロスタグランジン製剤)、パズクロス(ニューキノロン系抗菌製剤)、リメタゾン(合成副腎皮質ホルモン剤)で、いずれも注射剤です。
処分内容は次の通りです。
業務改善命令(薬事法第72条の4第1項)
メドウェイ注の事案(※)を受けて策定したGQP・GMP違反の再発防止策について、さらに実効性のあるものとなるよう見直しを行い、その結果を厚生労働省に報告するよう命じる。
※ 田辺三菱製薬(株)が製造販売するメドウェイ注(遺伝子組み換え人血清アルブミン製剤)について、製造業者である(株)バイファで承認申請資料データ及び市販製品の品質管理データの差し替えがあり、承認申請に係る法令違反及びGQP・GMP違反により、昨年4月、田辺三菱製薬(株)は業務停止処分及びGQP・GMPの改善命令を受けた。田辺三菱製薬(株)は改善命令を受け、昨年6月、再発防止等についての改善計画を策定し、厚生労働省に提出している。
なお、田辺三菱製薬工場(株)足利工場に対しては、同日、栃木県が薬事法第75条第1項に基づく業務停止(7月20日から29日までの10日間)を命じています。