matsuda's blog

わが国の医療についての基本資料を提出 中央社会保険医療協議会で2号側委員

中央社会保険医療協議会の第193回総会は、713日に開催され、診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会からの報告、医薬品の薬価収載、平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成23年度調査)の実施などについて協議しました。また、2号側委員から「わが国の医療についての基本資料」が提出され、説明が行われました。

2号側委員とは、医師、歯科医師および薬剤師を代表する委員で、518日の第190回総会と622日の第192回総会にも提出されています。資料は2号側委員7名と専門委員2名の連名になっています。

資料では、「今後の中医協は、1号側/2号側、診療所/病院、医師/看護師といった立場の違いを乗り越え、『国民のための医療をいかによくするか』という視点から、エビデンスに基づいた議論を構築することが重要。」とし、「そのために、日本の医療の原状について基本認識の共有を図る必要がある。」として、資料を提示しています。

 

ポイントとして、

       日本では、国民皆保険制度のもと、低水準の医療費のなかで世界一の医療レベルを達成してきた。

       しかし質の高さとコストの低さという矛盾がもたらす「ひずみ」は現場に押しつけられ、今日の医療崩壊(医療従事者の疲弊や医療機関の閉鎖・縮小)を招いた。

       国民に対して現在の医療レベルの提供を維持し、さらに発展させていくためには、相応のコストが不可欠。

       日本の場合、患者負担は重いが、税や保険料は低く引き上げの余地がある。

       もちろん、医療提供体制の見直しも必要。

       介護施設や在宅医療をめぐる環境も含め各地域の特性を踏まえた柔軟な医療提供体制の整備が必要。

-在宅医療の充実・推進は必要だが、過度に病床を削減し在宅医療を推進できる環境は整っていない。

-介護施設やケア付き住宅の整備も遅れている。

-医療機関の機能分化や集約化は必要だが限界もある。画一的に集約化を進めるのは適当ではない。

       勤務医等の労働環境を把握し負担軽減と処遇改善を図ることが必要。診療所の医師も、地域医療と健康を支えるために数々の役割を果たしている。

 

そして、「わが国の医療のあり方についての基本資料」として、「医療費」、「病床数等」、「医師数・病院従事者数等」、「歯科医療と全身の健康との関係」、「病院薬剤師の業務」についてデータなどを示しています。

2011/07/14(木) 15:21