日本薬剤師会は、今般の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)への対応について、3月14日に災害対策本部において検討の結果、当面の対策として下記の通り決定し、都道府県薬剤師会に報告しました。「今回の震災支援につきましては、被害の甚大さに鑑み、長期の対応が必要になると考えられますので、各都道府県薬剤師会におかれましては、格別のご支援・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます」と要請しています。
記
1.先遣隊の派遣
被災地の県薬剤師会とも調整の上、被害の甚大な岩手県、宮城県、福島県に先遣隊を派遣し、正確な情報の把握を行う。
2.当面の支援策
薬剤師会並びに会員として可能な支援策として、1)義援金の募集、2)支援物資の送付、3)災害ボランティアの派遣の3点が考えられることから、それぞれについて以下のような対策を講じることとする。
1) 義援金の募集
① 都道府県薬剤師会並びに会員を対象に義援金の募集を開始する。
② 都道府県薬剤師会に対して依頼を行う(14日通知済)。
③ 会員向けには日薬誌4月号に掲載し募金を行う。
2) 支援物資の送付
① 関係都道府県から寄せられている不足物資等の情報は、随時、本会から厚生労働省に情報提供し、対応を依頼する。
② 都道府県薬剤師会並びに会員から支援物資の協力や送付先・送付方法などについて照会があるが、現在、東北地方への宅配便送付は止められていることなどから、個人での支援は難しい状況にある。
③ 但し、各都道府県の行政から被災地への支援物資は優先的に届けられているものと推測されることから、各都道府県薬剤師会において地元行政(薬務課等)と相談の上、行政が送る支援物資と一緒に輸送してもらえる場合には、会員から支援物資を募り、都道府県薬剤師会に集約した上で、地元行政を通じて被災地に転送してもらう等の方法は考えられる。
3) 災害ボランティアの派遣
① 現在、被災地の正確な状況(救援物資集積所、救護所や避難所の状況、ボランティアの必要数他)が不明なこと、被災地に入る交通手段が閉鎖・規制されていること、また、現地でガソリンが極端に不足しており救援活動に支障を来していること、並びに今回の震災被害は甚大でありその支援は長期に亘るであろうこと等から、まずは先遣隊を派遣し、その情報や関係薬剤師会の要望に基づき、計画的に薬剤師ボランティアを募集・派遣することとする。
② それに先立ち、各都道府県薬剤師会には、ボランティアの募集を開始してもらうとともに、その名簿(氏名・年齢・性別・勤務先・連絡先・出動可能日数など)を作成し、ボランティア応募者として登録していただく。
③ 実際にボランティアが必要となった際には、改めて本会から都道府県薬剤師会に協力を要請し、出動可能な薬剤師ボランティアのリストを本会にお送りいただく。
④ 本会において、関係薬剤師会と連携のもと、全国のリストに基づき、派遣先、派遣期間、派遣先での業務等を都道府県薬剤師会と調整の上、被災地への派遣を行う。
⑤ 前述のとおり、現段階では被災地までの交通ルートが閉ざされており、今回のボランティア派遣においては、交通ルートの確保をどうするかが最大の課題・問題点である。この点については、今後とも関係薬剤師会並びに近隣の薬剤師会とも連絡を取りながら、状況の把握に努めることとする。
上記の現状及び、政府からもボランティアの自粛要請があることから、個人での行動は逆に現地の被災者や関係者の方々にご迷惑をおかけすることになるのでご留意いただき、要請があった際には是非ともご協力をお願い申し上げます。
ご参考として、阪神淡路大震災では、派遣期間が3カ月に亘り、延べ数3000人の全国の薬剤師が活動しました。今回はそれを上回ると予想されます。
また、岩手県、宮城県、福島県、茨城県各薬剤師会より薬剤師ボランティアの派遣の依頼があったため、16日付で都道府県薬剤師会に対して薬剤師ボランティアの募集および派遣を開始することを通知しました。
派遣先は4県内で、派遣期間についてはできる限り長期(概ね3泊4日以上)の協力を求めています。
また、病院薬剤師会等との連携および登録名簿の一元化も明らかにしています。
http://www.nichiyaku.or.jp/