医療用麻薬・向精神薬取扱いで日本薬剤師会が事務連絡
厚生労働省は、3月14日、東北地方太平洋沖地震における処方箋医薬品(医療用麻薬及び向精神薬)の取扱いについて、事務連絡を発しました。日本薬剤師会では、この連絡を受け、同日、先に発した12日付の処方せん医薬品取扱いについての周知徹底とともに、都道府県薬剤師会に連絡しました。
処方せん医薬品の取扱いについては、必要最小限の数量に限定することなど次の通り要請しています。
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今般の被災につきましては、「医師等の受診が困難な場合、又は医師等からの処方せんの交付が困難な場合において、患者に対し、必要な処方せん医薬品を販売又は授与することが可能である」とのことですが、その場合は「可能な限り医師等による薬局等への販売指示に基づき行う必要があること」(平成17年3月30日、薬食発第0330016号、厚生労働省医薬食品局長)とされていますので、その旨を十分留意されるとともに、処方せん医薬品以外の医療用医薬品の取り扱いに準じて対応されますようお願いいたします(必要最小限の数量に限定すること、販売記録の作成、薬暦管理・服薬指導の実施、対面販売、一般人を対象とする広告の禁止など)。
また、保険調剤に関する事項につきましては、現時点では被保険者証の提示ができない場合の取り扱いしか示されていません。今後、具体的な通知が示され次第、その都度お知らせしていく予定ですが、当面は「薬局・薬剤師の災害対策マニュアル」(平成19年1月17日、日本薬剤師会作成)を参考に対応していただきますようお願い申し上げます(「被災地の薬局・調剤に関する事項」、同マニュアル17~19頁)。
一方、処方箋医薬品(医療用麻薬及び向精神薬)の取扱いについては、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課名で各都道府県に出されたもので、「東北地方太平洋沖地震及び関連する津波等による被災地における処方箋医薬品の取扱いについては、平成23年3月12日付け厚生労働省医薬食品局総務課発事務連絡により取り扱われているところですが、処方に麻薬処方箋を要する医療用麻薬、及び向精神薬処方箋を要する向精神薬に関する取扱いについては、下記のとおりとなりますので、被災地における医薬品を必要とする者への供給に支障なきよう」周知徹底を求めています。
記
今般の地震及び関連する津波等による被災地の患者に対する処方箋医薬品(医療用麻薬及び向精神薬)の取扱いについては、医師等の受診が困難な場合、又は医師等からの処方箋の交付が困難な場合において、麻薬小売業者等が、被災者の患者さんの症状等について医師等へ連絡し当該患者さんに対する施用の指示(麻薬の施用にあっては麻薬施用者からの指示)が確認できる場合には、患者さんに対し、必要な医療用麻薬又は向精神薬を施用のために交付することが、可能であること。
この場合、麻薬小売業者等において、医療用麻薬及び向精神薬を患者さんに提供した記録について、適切に保管・管理すること。
注)医師等に施用の指示を確認する際、患者さんが常用する医療用麻薬及び向精神薬に関する情報(薬剤名、用法・用量等)について、予め患者さんに確認(可能な限り薬袋などにより)するなど、医師等が施用の指示を円滑に行えるよう留意すること。