厚生労働省は、4月18日、登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果(中間報告)を発表しました。
登録販売者試験の受験資格のうち、薬局、店舗販売業等における実務経験の証明に関して、不正が行われた事案又は不正が疑われる事案が多数報告されています。
今般、当該事案について都道府県を通じて調査を行い、その結果について中間報告として取りまとめました。
取りまとめ結果については、平成25年3月末日時点のものであり、複数の都道府県の登録販売者試験を受験した者が存在する可能性があること、都道府県における確認・調査が途上のものがあること等から、公表する人数等は今後変動しうることを申し添えています。
公表内容は次の通りで、厚生労働省としては、平成24年度の登録販売者試験の受験申請から実務経験証明に関する勤務簿の写し等を添付することとした運用を徹底し、不正な実務経験による受験の防止に努めるとともに、販売制度の遵守徹底を、都道府県等とも協力して引き続き図っていく、としています。
登録販売者試験受験者の実務経験証明における不正等について(中間報告)
1.合同会社西友による不正等について
平成20年4月1日から平成24年11月7日までの間に都道府県が実施した登録販売者試験において、合同会社西友が発行した実務経験証明書をもって受験した全ての者を対象として、当該実務経験証明に係る不正の有無を確認した。
20都道府県の登録販売者試験において、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した者がおり、その人数は延べ310人(合格者125人、不合格者57人、未受験者1人、調査中127人)(平成25年3月末日時点)であった。
2.株式会社カメガヤによる不正等について
平成20年4月1日から平成24年11月19日までの間に都道府県が実施した登録販売者試験において、株式会社カメガヤが発行した実務経験証明書をもって受験した全ての者を対象として、当該実務経験証明に係る不正の有無を確認した。
13都道府県の登録販売者試験において、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した者がおり、その人数は延べ485人(合格者136人、不合格者155人、未受験者4人、調査中190人)(平成25年3月末日時点)であった。
3.自主点検結果について
都道府県を通じて、薬局等に対し、過去に発行した登録販売者試験に係る実務経験の証明について改めて確認し、不正等が判明した場合には報告することを依頼した。
31事業者から、過去に発行した登録販売者試験に係る実務経験の証明について、不正の疑いがある旨の報告があり、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した者は、延べ269人(平成25年3月末日時点)であった。
4.再発防止策
平成24年度の登録販売者試験から、受験申請の際に実務経験の証明に関する勤務簿の写し等を添付することとした。平成24年度に、西友又はカメガヤの実務経験の証明をもって、登録販売者試験の受験申請をした者について、実務経験証明の不正等が確認された者は現時点で1名であり、勤務簿の写し等を添付させることで、実務経験の不正証明の防止への効果があったと考えられる。今後も勤務簿の写し等を添付することの運用の徹底を図る。併せて、都道府県等とも協力し、販売制度(名札の着用、情報提供・相談応需等)の遵守徹底を図る。
薬局等の一般用医薬品を販売する事業者におかれては、従事者の勤務状況のチェック体制を改めて整備していただくようお願いする。
5.その他
現在、都道府県等においては、当該報告について、事実確認・調査等を行っているところであり、上記人数はその結果によって変動し得る。
実務経験の証明が不正であることが確認された場合は、試験結果の取消しが行われ、販売従事登録していた者については、販売従事登録の消除の処分が行われる
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002zx0t.html