後発医薬品安心使用促進アクションプログラム達成状況 国とGE薬協が発表
厚生労働省と日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は、7月29日、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」の平成22年度実施状況を発表しました。
厚生労働省では、品質、安定供給、情報提供等についての後発医薬品(ジェネリック医薬品)の信頼性を高め、医療関係者及び患者が安心して後発医薬品を使用することができるよう、国及び関係者が行うべき取り組みを明らかにした「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を平成19年10月に策定しました。
その実施状況については、年度ごとに取りまとめて公表していますが、今般、平成22年3月末現在の実施状況について取りまとめ公表したものです。アクションプログラムの着実な実施を通して、後発医薬品を安心して使ってもらうための環境整備を進めています。
調査対象は43社、調査期間は平成22年4月1日~平成23年3月31日。
1.後発医薬品メーカーの取り組みとして、
(1)安定供給:納品までの時間短縮、在庫の確保
(2)品質確保:品質試験の実施など
(3)情報提供:医療関係者への情報提供
2.国の取り組みとして、
使用促進に関する環境整備
一方、GE薬協は、会員の製造販売するジェネリック医薬品の信頼性の確保・向上を図るため、会長をリーダーとする「信頼性向上プロジェクト」を平成19年8月に発足させました。
当該プロジェクトは、同年10月に厚生労働省が取りまとめた「後発医薬品の安心使用促進プログラム」に示された「ジェネリック業界が取り組むべき課題」に対応する受け皿として活動してきました。
今般、これらの課題における平成22年度末の達成状況の調査を行い、その結果をまとめたものです。
調査の方法は会員各社にアンケート調査を実施し、各社の回答を集計しました。その結果は、22年度末時点での会員各社の目標達成状況を調査し、19年度及び20年度末達成を目標とした課題については、概ね目標を達成しました。
(1)安定供給
①納品までの時間短縮
②在庫の確保
(2)品質確保
①品質試験の実施等
②関連文献の調査等
③品質再評価時の溶出性の確保
(3)情報提供
①添付文書の充実
②「使用上の注意」改訂情報の迅速な伝達
③医療関係者への情報提供(ジェネリック医薬品情報提供システム:平成22年4月より運用開始)
④情報収集等の体制整備
(4)広報啓発活動の強化
【今後の対応】
平成21年度末の目標であった「品切れ品目ゼロ」については、平成21年9月に「品切れ防止のための留意点」を作成し、会員各社に対し配布し、目標を達成するよう要請してきた。しかし、目標が達成できなかったことから、平成22年5月には本留意点の徹底を再度要請、同年8月に「品切れ防止のための留意点」の一部を改正し、本留意点に関する自己点検の実施要請等を行ってきた。
さらに、22年度の品切れ事例の原因を詳細に分析し、本年7月に当該留意点を改正し、会員に通知した。
また、平成22年12月に「安定供給特別チーム」を設置し、ジェネリック医薬品の急激な需要増加に対応した安定供給に向けた対応策について検討を行い、会員会社に対して安定供給マニュアルの作成等社内体制の整備等を要請した。その対応状況については、適時安定供給特別チームでフォローアップして行く。
また、引き続きジェネリック医薬品の信頼性を確保するため、今後もGE薬協会員企業に対して、アクションプログラムの課題の対応状況を定期的に調査し、必要に応じて会員企業に改善の要請、助言を行うとともに、その結果を報告していきたい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001km2h.html