小林メディカルを業務停止処分 厚生労働省
厚生労働省は、7月27日、薬事法違反業者に対する行政処分を発表、小林メディカル株式会社を業務停止処分としました。
厚生労働省は、小林メディカルから、同社が承認申請していた「コバメッド グラスピングシステム」の承認申請時の添付資料、及び承認を取得していた「コバメッド ネイルシステム」の承認審査過程で提出された資料について、データが改ざんされた報告を受け、同社に対して事実関係の調査を行ってきましたが、それらの調査結果に基づき、薬事法第75条第1項の規定に基づく業務停止を命じました。
「コバメッド ネイルシステム」は体内固定用大腿骨髄内釘(大腿骨頚部骨折の治療に使用するチタン合金製のインプラント)、「コバメッド グラスピングシステム」は体内固定用ネジ(体内固定用大腿骨髄内釘と組み合わせ使用するインプラント)で、違反行為は、「コバメッド グラスピングシステム」の承認申請時の添付資料、及び「コバメッド ネイルシステム」の承認審査過程で提出された資料において、「繰り返し疲労試験」のデータが改ざんされていたものです。処分は、第1種医療機器製造販売業の業務停止(7月28日から8月6日までの10日間)です。
製造販売業者である小林メディカルの業務停止にあたっては、既に販売された医療機器の安全管理業務をその対象から除くこととしています。
なお、同社においてはデータ改ざん発覚後の平成22年10月に、「コバメッド ネイルシステム」については販売前に承認整理を、「コバメッド グラスピングシステム」においては承認申請取下を実施しているため、市場に流通している製品はありません。
因みに、小林メディカルは、小林製薬の一事業部として1992年10月に発足し、昨年4月に小林製薬の100%子会社として分離独立しました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001kcrn.html
なお、同社はこの件について発表し、「今般の行政処分を重く受け止め、関係各位にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と表明するとともに、全製品について再度調査を実施し、同様の問題がないことを確認したことや、再発防止策を明らかにしています。