後発医薬品品質確保対策事業検査結果報告書公表 厚生労働省
厚生労働省は、7月28日、平成22年度「後発医薬品品質確保対策事業」検査結果報告書を公表しました。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)は先発医薬品と同等とされていますが、医療関係者の間で品質等について不安が払拭されていないなど、後発医薬品への信頼は未だ十分に高いとはいえない状況です。
厚生労働省では、安心して後発医薬品を使用できるよう、平成19年10月に「後発医薬品の安全使用促進アクションプログラム」を策定し、①安定供給等、②品質確保、③後発医薬品メーカーによる情報提供、④使用促進に係る環境整備、⑤医療保険制度上の事項に関し、国及び関係者が行うべき取り組みを明らかにしました。
今般、同プログラムに基づき、品質確保の観点から国が行うべき取り組みの1つとして、従来から都道府県等の協力のもと実施している医薬品の一斉監視指導において、検査品目を拡充し、溶出試験等の品質試験を実施するとともに、検査結果を積極的に公表することとしており、平成20年度から「後発医薬品品質確保対策事業」を実施しています。今回、平成22年度の結果を発表したものです。
具体的には、「後発医薬品の品質を確認すること」を目的に、都道府県等の協力のもと、市場に流通している後発医薬品を入手し、品質試験を実施しました。実施期間は平成22年7月~23年3月です。
検査品目は、後発医薬品324品目33有効成分(参照品目として先発医薬品77品目33有効成分を含む)で、検査内容は溶出試験が249品目28有効成分、溶出試験以外の品質試験(含量試験、放出試験等)が75品目6有効成分です。
検査結果は、「適合」が321品目33有効成分、「不適合」が3品目2有効成分で、不適合はいずれも後発医薬品でした。これらは自主回収等の措置実施済みです。溶出試験以外の品質試験はいずれも適合でした。
なお、21年度の同事業の結果は、検査品目が640品目35有効成分(溶出試験591品目有効30成分、溶出試験以外の試験49品目5有効成分。参照品目として先発医薬品109品目35有効成分を含む)、検査結果が適合637品目35有効成分、不適合3品目2有効成分(いずれも後発医薬品。自主回収等の措置実施済み)です。