規制・制度改革に係る追加方針 閣議決定
政府は、7月22日の閣議で、「規制・制度改革に係る追加方針」を決定しました。
規制・制度改革については、行政刷新会議の下の分科会での審議や規制仕分けを踏まえ、政府部内で調整してきました。東日本大震災の発生前に各府省との調整が概ね終了していた135項目については、「規制・制度改革に係る方針」として4月8日に閣議決定し、「現時点で調整が終了していない事項については、今後調整を行い、別途閣議決定を行うこととする。」としていましたが、その後の調整により、政府内の調整が終了した事項56項目について追加決定、「規制・制度改革に係る追加方針」を定めました。
各分野における規制・制度改革事項は、「グリーンイノベーション分野」は22項目、「ライフイノベーション分野」は13項目、「農林・地域活性化分野」は20項目、「アジア経済戦略、金融等分野」は1項目で、この中で、ライフイノベーション分野は次の通りです。なお、「調剤基本料の一元化」は盛り込まれていません。
<ライフイノベーション分野>
① 地域医療計画における基準病床等の見直し
② 救命救急士のニーズの把握
③ 高額療養費制度の見直し
④ 一般用医薬品のインターネット等販売規制の見直し
⑤ 地域における包括的サービスにおける事業者間連携の柔軟化
⑥ ショートステイに係る基準の見直し
⑦ 地域密着型サービス利用の例外の適用の見直し
⑧ ホテルコスト・補足給付の適正化
⑨ 社会福祉法人以外の保育所運営事業者の会計報告手続の簡素化
⑩ 保育所運営費の使途制限の見直し
⑪ 保育士試験受験要件等の見直し
⑫ 訪問看護ステーションの開業要件の見直し
⑬ 医薬品及び医療機器の審査手続の見直し
この中で主なものは次の通りです。
◇ 地域医療計画における基準病床等の見直し
① わが国の病床数や医師数の状況を踏まえ、二次医療圏内の市町村長の同意の下、病床数の削減が達成できた場合には、病床数過剰な他の二次医療権での増床も認めることも含め、地域医療計画について、地域の実情に応じて都道府県の主体的判断が発揮できるよう、制度の弾力的な運用を検討する。(平成23年度検討)
② 医療法人等が病院又は診療所を別の医療法人等に事業譲渡する際に、事業譲渡前と病床種別ごとの病床数の増加がない場合は勧告の対象外であること等勧告の対象外となる事例を改めて周知する。(平成23年度措置)
◇ 高額療養費制度の見直し
① かかった疾病の種類にかかわらず、長期にわたる慢性期の療養の際の負担をより軽減できる制度となるよう、高額療養費制度における外来診療の現物給付化を行う。(平成24年度措置)
② 更なる負担軽減については、社会保障・税一体改革成案(平成23年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部決定)を踏まえ、検討する。(平成23年度検討)
◇ 一般用医薬品のインターネット等販売規制の見直し
① 安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第三類医薬品以外の薬局・薬店による郵便等販売、及びその他の工夫も含め、当面の合理的な規制の在り方について検討し、可能な限り、早期に結論を得る。(平成23年度検討開始)
② なお、医薬品の販売・流通規制の在り方については、今後の環境変化に対応し、断続的に検討・見直しを行う。(逐次実施)
③ 第一類から第三類のリスク区分についても、不断の見直しを行う。(逐次実施)
④ 一般用医薬品を安全・安心・円滑に供給する観点から、薬剤師等の合理的かつ適切な対面販売の実施状況、円滑供給への寄与度等について検証する。(平成23年度検討開始)
⑤ 経過措置期間中の副作用発生状況等を検証し、上記②の断続的な検討・見直しの内容に反映する。(平成23年度以降検討開始)
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/publication/p_index.html