matsuda's blog

武田薬品がダーゼンを自主回収販売中止

武田薬品工業は、221日、日本で販売している消炎酵素製剤「ダーゼン5mg錠、同10mg錠、同顆粒1%」(一般名:セラペプターゼ)を同日から自主回収することとし、発表しました。同剤の有効性を証明するための再試験の実施が困難との結論に至ったためです。

同剤については、プラセボを対照とした二重盲検比較試験を実施しましたが、プラセボとの間に有意差を示すことができませんでした。当該結果を踏まえ、2011119日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会において、再度の再評価指定の可否とそのために今後実施する試験の内容について議論が行われました。

同部会では、再試験の実施にあたり、現在の医療環境において使用実態に則した有効性を検証するよう指摘があり、厚生労働省よりその指摘を検討するよう指示がありました。その指示に基づき、同剤の有効性を検証するための再試験の実施可能性について、検討を重ねてきました。同社では、臨床試験デザインを見直した上で再試験を実施することで、同剤の有効性を証明できるものと考えておりましたが、最終的に再試験の実施は困難との結論に至りました。

同剤は、1968年から40年以上にわたって日本で販売されており、これまで多くの患者、医療関係者に使用されてきましたが、同社では、自主回収に当たって、医療現場や患者に混乱をもたらすことのないよう医療関係者に迅速かつ正確に情報伝達していくこととしています。

なお、ダーゼンの09年度国内販売実績は67億円で、同社では、今回の回収が今年度実績に影響は現時点では軽微であると見込んでいます。

同剤は、1995年に厚生省(当時)から再評価結果が通知され、現在の効能・効果が承認されました。その際、次の再評価指定までの資料整備を条件とされていたため、慢性気管支炎を対象とした1試験と、足関節捻挫を対象とした2試験を実施し、その結果を厚生労働省に提出していました。厚生労働省に提出した試験結果の概要については、財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)のウェブサイトに掲載されています。

 

http://www.takeda.co.jp/press/article_41340.html

 

2011/02/22(火) 00:00