医療イノベーション推進の基本的方針まとめる 医療イノベーション会議
「新成長戦略実現会議の開催について」(平成22年9月7日閣議決定)に基づき、実用化に向けたい両研究開発の推進を始め、医療分野における新戦略に関連する事項の実現に向け、官民挙げて強力に取り組むため、医療イノベーション会議(議長:枝野幸男内閣官房長官)の第2回会合が6月16日に開催され、医療イノベーションの目指す方向性について審議し、医療イノベーション推進の基本的方針をまとめました。
<医療イノベーション推進の基本的方針>
1.未来型医療システムを構築していくための目標
高齢化が進展する我が国において、医療は従来以上に高度で多様なニーズに対応することが求められる。このような中、これまで治療困難であった病気を克服し、病気の予防や重症化予防による健康寿命の延長を図ると共に、要介護人口の増加抑制による介護負担の軽減や副作用回避による無駄な医療費の削減、効果予測による医療費の有効活用により、費用対効果が高く、世界最高水準の医療を国民に提供することを目指す。また、「日の丸」印の医薬品・医療機器を積極的に開発し世界に発信することで、医療分野が今後の我が国の経済成長を担う新しい成長産業に育つことを目指す。
2.目標達成のための4原則
① 我が国の英知の結集により、国内に存在する「強み」を最大限に活かし、また、弱点を補強することで、世界に通用する技術の実用化体制を整備
② 抜本的なシステム改革を目指し、他方で医療の質が向上したと国民が実感を持てるように短期的な成果(成功事例)をあげるための、重点的な支援
③ 従来以上の踏み込んだ産学官連携を行い(縦割りの弊害排除)、イノベーションの阻害となっている根詰まりを解消するための、重点分野への大胆な予算投入や規制改革
④ 東日本大震災後の復興プランと医療イノベーションとの連携による、未来志向の新しい医療システムの構築
3.今後の検討の方向性
以下の重点分野に対し、各省の縦割りを排除し、既存の枠を超えた大胆な予算投入と規制改革を実施する。
① 医薬品:基礎研究~実用化の間の橋渡し(死の谷の克服)支援の重点化と、臨床試験を 推進するための体制強化(グローバル対応含む)
② 医療機器:ものづくり企業の技術を医療機器開発に活かすための仕組み(制度、インフラ、ネットワーク)づくり
③ 再生医療:短期的取組として、重点技術に集中支援して成功事例を生み出し、将来的には技術の実用化を促進するための新しいシステムを検討
④ 個別化医療:短期的取組として、バイオバンク・データベースの整備やデータを解析し医療につなげるメディカル・インフォマティクス機能を強化し、将来的には個別化医療を普及するための医療体制と法制度を整備
また、各分野を支える横断事項として、革新的医薬品・医療機器創出や新しい医療システムを支える制度・インフラ整備、研究開発を支える人材育成、広報・普及活動の強化及び知的資産の戦略的な活用等に取り組む。