武田薬品がフランス規制当局のアクトス措置でコメント
武田薬品工業株式会社は、6月13日、「フランス規制当局によるActosおよびCompetactに対する措置」についてコメントを発表しました。
内容は次の通りです。
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欧州時間6月9日、フランス保健製品衛生安全庁(AFSSAPS)は、当社の100%子会社であるラボラトワール・タケダ株式会社(本社:フランス、Puteaux市)に対して、ピオグリタゾン塩酸塩を含有する2型糖尿病治療剤ActosおよびCompetactについて、新規処方を控えること、および、現在いずれかの薬剤を服用している患者さんについては、主治医への相談前に服薬を中止すべきではないことを通達しました。
今回のAFSSAPSの措置は、フランス当局が実施していた疫学調査の全体解析において、ピオグリタゾン投与群で、非投与群と比較して、膀胱癌の発症率が有意に高い結果が得られたことに基づくものです。
欧州医薬品庁(EMA)では、欧州時間6月9日、「現時点で、ピオグリタゾン製剤を服薬中の患者さんについて、処方を変更することは勧めない」との声明を発表しています。EMAは、既にEU法令に基づくピオグリタゾンの再評価を2011年3月に開始しており、ピオグリタゾンにかかる全ての安全性・有効性にかかるデータに加えて、今回AFSSAPSが実施した疫学調査の結果についても、6月20日から23日までに開催される会議において検討する予定です。
一方、米国では、2002年からKaiser Permanente医療保険グループ主導による大規模な疫学調査を実施しており、その中間解析結果では、全体解析において、ピオグリタゾンの投与と膀胱癌の発症率には、統計学的に有意な関連性は認められませんでした。本調査は2013年に完了予定です。
当社では、常に患者さんの安全性が何よりも最優先事項であると考えており、ピオグリタゾン製剤を含め、当社が販売している全ての製品に関する安全性および忍容性の調査を今後も引き続き実施するとともに、医療関係者の皆さま、患者さんを含むあらゆるステークホルダーの方々への適時・適切な情報提供に努めてまいります。