厚生労働省は、9月13日、平成27年度国民医療費の概況を発表しました。
結果の概要は次の通りです。
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国民医療費の状況
平成27年度の国民医療費は42兆3,644億円、前年度の40兆8,071億円に比べ1兆5,573億円、3.8%の増加となっている。
人口一人当たりの国民医療費は33万3,300円、前年度の32万1,100円に比べ1万2,200円、3.8%の増加となっている。
国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.96%(前年度7.88%)、国民所得(NI)に対する比率は10.91%(同10.79%)となっている。
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制度区分別国民医療費
制度区分別にみると、公費負担医療給付分は3兆1,498億円(構成割合7.4%)、医療保険等給付分は19兆8,284億円(同46.8%)、後期高齢者医療給付分は14兆0,255億円(同33.1%)、患者等負担分は5兆2,042億円(同12.3%)となっている。
対前年度増減率をみると、公費負担医療給付分は3.6%の増加、医療保険等給付分は3.7%の増加、後期高齢者医療給付分は4.7%の増加、患者負担分は2.7%の増加となっている。
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財源別国民医療費
財源別にみると、公費は16兆4,715億円(構成割合38.9%)、そのうち国庫は10兆8,699億円(同25.7%)、地方は5兆6,016億円(同13.2%)となっている。保険料は20兆6,746億円(同48.8%)、そのうち事業主は8兆7,299億円(同20.6%)、被保険者は11兆9,447億円(同28.2%)となっている。また、その他は5兆2,183億円(同12.3%)、そのうち患者負担は4兆9,161億円(同11.6%)となっている。
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診療種類別国民医療費
診療種類別にみると、医科診療医療費は30兆0,461億円(構成割合70.9%)、そのうち入院医療費は15兆5,752億円(同36.8%)、入院外医療費は14兆4,709億円(同34.2%)となっている。また、歯科診療医療費は2兆8,294億円(同6.7%)、薬局調剤医療費は7兆9,831億円(同18.8%)、入院時食事・生活医療費は8,014億円(同1.9%)、訪問看護医療費は1,485億円(同0.4%)、療養費等は5,558億円(同1.3%)となっている。
対前年度増減率をみると、医科診療医療費は2.7%の増加、歯科診療医療費は1.4%の増加、薬局調剤医療費は9.6%の増加となっている。
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年齢階級別国民医療費
年齢階級別にみると、0~14歳は2兆5,327億円(構成割合6.0%)、15~44歳は5兆3,231億円(同12.6%)、45~64歳は9兆3,810億円(同22.1%)、65歳以上は25兆1,276億円(同59.3%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は18万4,900円、65歳以上は74万1,900円となっている。そのうち医科診療医療費では、65歳未満が12万5,100円、65歳以上が54万2,700円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が1万8,500円、65歳以上が3万2,700円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が3万5,500円、65歳以上が13万8,000円となっている。
また、年齢階級別国民医療費を性別にみると、0~14歳の男は1兆3,950億円(構成割合6.8%)、女は1兆1,377億円(同5.2%)、15~44歳の男は2兆4,060億円(同11.8%)、女は2兆9,172億円(同13.3%)、45~64歳の男は4兆9,961億円(同24.5%)、女は4兆3,849億円(同20.0%)、65歳以上の男は11兆6,143億円(同56.9%)、女は13兆5,133億円(同61.6%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満の男は18万6,400円、女は18万3,300円、65歳以上の男は79万2,400円、女は70万3,400円となっている。
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傷病分類別医科診療医療費
医科診療費を主傷病による傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」5兆9,818億円(構成割合19.9%)が最も多く、次いで「新生物」4兆1,257億円(同13.7%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」2兆3,261億円(同7.7%)、「呼吸器系の疾患」2兆2,230億円(同7.4%)、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」2兆2,212億円(同7.4%)となっている。
年齢階級別によると、65歳未満では「新生物」1兆5,212億円(同13.0%)が最も多く、65歳以上では「循環器系の疾患」4兆6,869億円(同25.5%)が最も多くなっている。
また、性別にみると、男では「循環器系疾患」(同21.2%)、「新生物」(同15.1%)、「腎尿路生殖器系の疾患」(同8.3%)が多く、女では「循環器系の疾患」(同18.6%)、「新生物」(同12.4%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(同9.9%)が多くなっている。
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都道府県別国民医療費
都道府県(患者住所地)別にみると、東京都が4兆1,433億円と最も高く、次いで大阪府が3兆2,193億円、神奈川県が2兆7,186億円となっている。また、鳥取県が2,000億円と最も低く、次いで島根県が2,628億円、福井県が2,635億円となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、高知県が44万4,000円と最も高く、次いで長崎県が41万1,100円、鹿児島県が40万6,900円となっている。また、埼玉県が29万0,900円と最も低く、次いで千葉県が29万1,100円、神奈川県が29万7,900円となっている。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/15/index.html