医療用医薬品の情報化進捗状況調査結果を公表 厚生労働省
厚生労働省は、9月27日、「医療用医薬品における情報化進捗状況調査」の結果を公表しました。
厚生労働省では、医薬品の取り違え事故防止、市販後のトレーサビリティの確保、流通の効率化を推進する観点から、「医療用医薬品へのバーコード表示の実施について」として表示のための基準を通知し、製造販売業者に表示の取り組みを求めています。
今般、日本製薬団体連合会と日本医薬品卸業連合会の協力により、製造販売業者が取り組む医療用医薬品への新バーコード表示の進捗状況などを把握する目的で実施した「医療用医薬品における情報化進捗状況調査」の結果を取りまとめたため概要を公表しました。
調査方法は、日本製薬団体連合会から加盟団体を通じて所属の製造販売業者に、日本医薬品卸業連合会から所属の卸売販売業者に調査票を送付し、平成28年9月末時点の新バーコードの表示状況や利用状況などに関する調査を実施しました。
製造販売業者は調査対象企業数229社(平成27年度205社)、有効回答企業数217社(197社)、回収率94.8%(96.1%)、卸売販売業者は調査対象企業数48社(51社)、有効回答企業数45社(48社)、回収率93.8%(94.1%)です。
調査結果の概要は次の通りです。
<製造販売業者への調査結果>
(1)
必須表示項目の表示割合は、
・すべての包装単位(調剤包装単位、販売包装単位、元梱包装単位)において100%でした。
・なお、必須表示項目のうち、必ず表示するものであり、原則平成33年4月以降に製造販売業者から出荷されるものから適用とされた内用薬、注射薬、外用薬の「販売包装単位への有効期限、製造番号又は製造記号」及び「元梱包装単位への商品コード、有効期限、製造番号又は製造記号、数量」に対する表示割合は、販売包装単位では約5~36%(前年度約4~31%)、元梱包装単位では約59~83%(前年度約58~72%)でした。
(2)
任意表示項目(調剤包装単位の有効期限、製造番号又は製造記号)の表示割合は約0~22%(前年度0~19%)でした。
<卸売販売業者への調査結果>
(1)
物流センターにおいて新バーコードを利用していると回答した企業の割合は、
・販売包装単位では100%(対前年度同様)
・元梱包装単位では78%(対前年度1%減少)
(2)
支店・営業所において新バーコードを利用していると回答した企業の割合は、
・販売包装単位では82%(対前年度1%増加)
・元梱包装単位では57%(対前年度1%増加)
新バーコードを利用していないと回答した企業10社のうち、7社が新バーコードの利用について準備中または検討中と回答。
(3)
物流センターで保有しているバーコードリーダーの台数は、
・総数で約7,800台
(4)
支店・営業所で保有しているバーコードリーダーの台数は、
・総数で約9,700台
〇新バーコード:通知により規定しているGS1コード体系に基づくバーコードシンボル(GS1-128、GS1データバー二層型など)を指します。固定情報(商品コード)に付帯して可変情報(有効期限、製造番号など)を表現できる国際標準規格の体系を以て表示されたバーコードです。
〇調剤包装単位:製造販売業者が製造販売する医薬品を包装する最小の包装単位を指します。例えば、錠剤やカプセル剤であればPTPシートやバラ包装の瓶、注射剤であればアンプルやバイアルなどです。
〇販売包装単位:卸売販売業者等から医療機関等に販売される最小の包装単位を指します。例えば、錠剤やカプセル剤であれば調剤包装単位であるPTPシートが100シート入りの箱、注射剤であれば10アンプル入りの箱などです。
〇元梱包装単位:製造販売業者で販売包装単位を複数梱包した包装単位を指します。例えば、販売包装単位である箱が10箱入った段ボール箱などです。なお、原則として開封されていない状態で出荷されるものであり、販売包装単位が規定数量に満たないものや2種類以上の販売包装単位を詰め合わせたものは除きます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000178798.html