南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験を実施 日本医師会が12月10日に
日本医師会は、昨年度に引き続き、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)および独立行政法人情報通信研究機構(NICT)とともに、超高速インターネット衛星『きずな』を用いた「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)」を実施することにしました。本年8月1日付で災害対策基本法上の「指定公共機関」の指定を受けてから初めての訓練になります。
超高速インターネット衛星『きずな』は、NICTおよびJAXAの共同で開発されたものであり、日本医師会はJAXAと昨年1月に「超高速インターネット衛星『きずな』を用いた災害医療支援活動における利用実証実験に関する協定」を締結しています。
今回の実証実験は、これら関係機関と大災害時に地域の医療を担う都道府県医師会とが協力して実施するものです。
南海トラフ巨大地震では、津波等による多数の被害とともに、地震、建物倒壊や火災等による負傷者が発生し、かつ非常に多くの被災者が長期の避難生活を強いられることが予想されており、発生直後から復興まで、多様な医療ニーズに応えることのできる医療支援が必要となります。
大規模災害時、日本医師会は災害医療チーム"JMAT"を被災地に派遣しますが、その際には、被災地やJMAT派遣元の都道府県医師会との間で情報共有や協議を行うことが効果的です。ただし、通常の情報通信手段が確保できない事態が当然に想定され、その場合には超高速インターネット衛星『きずな』を用いた支援活動が大変有用になります。また、訓練ではJAXAから衛星画像が提供され災害医療支援活動に活用されます。
日本医師会は、JAXAおよびNICTの協力の下、今回の実証実験を通して得られた問題点などを基に、災害時における多元的なインターネット通信手段の確保を図るとともに、インターネットを利用した災害医療支援活動の検討を更に行っていく方針です。
<南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証事件(防災訓練)>
日時:2014年12月10日13時~15時
場所:日本医師会館501/502会議室
実施方法
・広島県医師会、徳島県医師会、高知県医師会および日本医師会に、「きずな」の送受信アンテナを設置
・日本医師会TV会議システムによりTV会議を開催
参加者:都道府県医師会災害担当理事
主な内容
・日本医師会、都道府県医師会によるTV会議(JMATの派遣等)
・クラウド型災害医療情報システムによる避難所や被災患者等の情報共有