matsuda's blog

甲状腺がん患者の意識調査結果を発表 バイエル薬品

バイエル薬品は、115日、甲状腺がん患者さんの意識調査結果を発表しました。予後が良いことが多く、それゆえ長くつきあうことになること、甲状腺とその機能を含め、病気に対する周囲の理解促進が適切な患者サポートになること、早期は自覚症状に乏しいため、積極的な健康診断や検査を進める患者さんもいることなど、「甲状腺がんについて正しい理解を求める声」がありました。

調査は、201410月、全国の甲状腺がん患者さんを対象として実施し、565名より回答が得られました。

意識調査の結果、患者さんは甲状腺がんを比較的予後が良く、進行が遅いことが多い病気と認識している一方で、「がん」という病名のもつイメージによって、自身も悩んだ経験や、周囲に必要以上に心配をかけることや動揺させることを懸念した経験があることがわかりました。また、甲状腺という臓器やその機能を含め、甲状腺がんについて周囲に理解されていないことによる戸惑いも経験しています。

甲状腺は、首の前側、のど仏のすぐ下に位置する臓器で、その機能は甲状腺ホルモンを産出して、代謝、心血管機能および恒常性をコントロールすることです。甲状腺がんでは、外科的治療後も甲状腺ホルモン剤を服用する場合があるなど、甲状腺機能への影響と一生つきあわなければなりません。今回の調査においても、定期的な通院・検査、服薬に対する心理的な負担や、ホルモンバランスがくずれることでだるさや疲れやすさが続くと訴える声が聞かれました。また、喉元の手術の痕や、声への影響など、甲状腺がん特有の悩みをもつ患者さんも少なくないことがわかりました。

予後が良好、すなわち長くつきあうことになる甲状腺がん、再発の不安を長期的に抱え続けるなど、患者さんの心理的な負担が続くことから、周囲の十分な理解が必要です。調査から得られた患者さんの声からは、疾患について伝えることで周囲から適切なサポートが得られるとともに、周囲の方の検診意向も高まったという体験が聞かれ、この病気について理解を促進することの重要性が示唆されました。

主な調査結果は次の通りです。

◆自覚症状少なく、偶然の発覚が70%近く

◆診断後、親や配偶者には詳細を伝えた人が多数。一方、職場では仕事上必要な情報を伝えるに留まる

◆周囲の心配を懸念して診断について伝えるべきか悩む例もあるものの、伝えることで適切なサポートが得られたという声。自身の経験をもとに、周囲に啓発したいという意向も

◆甲状腺がんは予後が良いと認識。しかし、その現実と「がん」という病名がもつイメージとの乖離に悩むことも。さらに、甲状腺がん特有の患者負担も目立つ

◆患者さんは具体的な疾患情報が不足していると認識。特に患者さん同士の情報交換の場が求められる

 

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2014/11/07(金) 17:28