田辺三菱製薬株式会社は、8月22日、品質管理問題に係る改善計画の提出を発表、ホームページに掲載しました。
田辺三菱製薬は、連結子会社である田辺三菱製薬工場株式会社足利工場における品質試験の一部不実施に係る問題について、本年7月19日、厚生労働大臣より薬事法第72条の4第1項に基づく改善命令を受けました。これを受け、田辺三菱製薬は8月19日付で厚生労働省に改善計画を提出するとともに、ホームページにその内容を掲載しました。
田辺三菱製薬は、2010年4月、連結子会社である株式会社バイファが製造する遺伝子組換え人血清アルブミン製剤「メドウェイ注」の承認申請資料の作成及び製造管理に係る問題について業務停止及び改善命令を受け、同年6月に厚生労働大臣宛改善計画(メドウェイ改善計画)を提出し、再発防止策の具体化、実行を進めていました。
この度の改善命令は、今般の足利工場において発覚した問題に係る田辺三菱製薬の対応について、メドウェイ改善計画で示した再発防止策が十分機能せず、なお再発防止の取り組みが不十分であるとして、さらに実効性のあるものとすべく見直しを行うよう命ぜられたものです。
改善計画は、「はじめに」から、「これまでの経緯と本改善計画の位置づけ」「品質管理問題に係る改善計画」「メドウェイ改善計画『再発防止策』の継続的推進」「メドウェイ改善計画『信頼回復に向けた取り組み』の強化」「総括」で構成されています。
田辺三菱製薬では、「今般提出した改善計画をグループ従業員全員が確実に遂行するとともに、再発防止策の徹底を通じて、生命関連企業として社会からの信頼改革に努めてまいります」としています。
http://www.mt-pharma.co.jp/
2011/08/30(火) 17:10
富山県は、8月25日、薬事法に基づく行政処分を発表しました。
これは、薬事法第75条第1項に基づき、同日付で医薬品卸売販売業の業務停止を命じたもので、対象営業所は株式会社井上誠昌堂富山支店、行政処分の内容は9月2日から19日までの18日間の医薬品卸売販売業の業務停止です。
行政処分の理由は、処分対象営業所において、管理職を含む社員5名が、平成18年以降5年以上にわたり、処方せん医薬品である向精神薬、糖尿病薬、勃起不全治療薬、男性型脱毛症用薬等の医療用医薬品(797箱、約240万円相当)を医師の処方せんによらず、自ら購入及び知人など24名に対して不正に販売していたものです。
違反条文は、薬事法第49条第1項:医師等からの処方せんの交付を受けた者以外の者に対して、処方せん医薬品を販売してはならない、薬事法第34条第3項:卸売販売業者は、医薬品を医療機関、薬局開設者等以外の者に対して販売してはならない、というもの。
参考条文は、薬事法第75条第1項:都道府県知事は、医薬品の販売業者について薬事法に違反する行為があったとき、その許可を取り消し又は期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止を命じることができる、なっています。
2011/08/30(火) 16:10
日本医師会は、国の政策やさまざまな問題・事象に対する見解や、新たな行動指針・活動計画・成果報告などを紹介するため、役員が報道各社に対して定例記者会見を行っており、ホームページで会見の内容や提出した資料を紹介していますが、8月24日の記者会見では、平成24年度医療に関する税制改正要望を発表しています。
要望では、
少子・高齢化の進展に伴い、医療・介護・福祉の充実は、国民の要望でありますが、医師の不足や偏在による地域医療崩壊が懸念される中で、その必要性も一層強いものになっています。
しかし、医療や介護の提供は、医療環境の厳しさが増すなかで、自助努力にもかかわらず、医業経営は年々厳しさが増しております。
国民が文化的で健康な生活を維持するために、質の高い医療や介護を安心して受けることができる医療提供体制の整備や、健康管理・予防面についての環境づくりなどが求められています。そのためには、医療や介護を担う病院・診療所等が医業経営の安定を図り、業務や設備施設の一層の合理化、近代化を進め、医療関係職員の確保・育成など、確固とした経営基盤を整え継続できるものとする必要があります。
このため、法整備を含めて、現在の医業経営の健全化のため、さらに進んで医業経営の長期安定、再生産可能とするための新しい医業の構築を図り、医師をはじめ医療従事者の自発的努力が一層発揮できるよう、また、国民の健康管理・予防などのため、税制面において思い切った改革が平成24年度に行われるよう強く要望します。
として、「医業経営」「医療法改正に伴う経過措置」「勤務環境」「患者健康予防」「少子化」「社会医療法人」「医療施設・設備」「その他」の項目について要望しています。
主な内容は次の通りです。
○ 医業経営
・ 消費税対策:①社会保険診療報酬等に対する消費税の非課税制度を、仕入税額控 除が可能な課税制度に改め、かつ患者負担を増やさない制度に改善。②上記課税制度に改めるまでの緊急措置として、設備投資に係る仕入税額控除の特例措置創設。
・ 社会保険診療報酬等に対する事業税非課税存続。
・ 医療法人の事業税について特別法人としての税率課税存続。
○ 医療法改正に伴う経過措置
・ 医業承継時の相続税・贈与税制度の改善
・ 新たな医療法人制度において、旧医療法に定められた持分の定めのある社団医療法人(経過措置型医療法人)が新たな医療法人に移行する際に、移行が新医療法の理念に沿っていることに鑑み、医療法人・出資者等に課税が生じないよう必要な措置を講ずること。
○ 勤務環境
・ 事業所内託児所の固定資産税等軽減。
・ 勤務医師に対する所得税軽減。
・ 「地域枠」における医学生支援等地域医療確保のための医学生修学金等の返還免除について、給与所得として課税されないよう必要な措置を講ずること。
・ 5疾病5事業に係る医療機関が勤務医療従事者の短時間正規雇用を導入した場合の当該医療機関に対する税制措置。
○ 患者健康予防
・ がん検診・予防接種への医療費控除適用。
・ たばこ税の税率引き上げ。
http://www.med.or.jp/
2011/08/30(火) 15:32
厚生労働省は、8月29日、東北大震災に関する「日本赤十字社等に寄せられた義援金とその配布状況-その5」を発表しました。
日本赤十字社と中央共同募金会、日本放送協会、NHK厚生文化事業団の四団体に寄せられた国内外からの東日本大震災の義援金は、8月26日現在で3,189億円に達し、引き続き増えています。
この義援金は、日本赤十字社等から、まず被災都道県に送金され、各都道県の義援金配分委員会で被災者への配付基準が定められます。その上で、市町村を通じ、銀行口座振込みなどの形で、被災者の御手元に届けられています。
日本赤十字社等では、宮城県など被害が大きかった地域での未確定の被害に対応するための当面の留保分を除き、順次送金することとしており、9割の2,862億円が都道県に送金されています。
<第1次分について>
第1次分については、4月に基本方針が定められ、886億円が市町村に送金されています。
被災者への配付状況は、配付額で767億円、配付件数で27万4,259件となっており、市町村に送金された義援金の9割弱が被災者のお手元に届いています。
<第2次分について>
第2次分については、6月に基本方針が定められ、1,503億円が市町村に送金されています。
第2次分の被災者への配付基準については、各都道県の義援金配分委員会で決定されていますが、福島県を除いて概ね第1次分の対象と同様とされていて、この場合は新たな罹災証明書の発行や振込口座の確認等が不要ですので、第1次分以上のスピードで配付が進んでいます。配付方法を変更した福島県を除いて、第2次分の配付件数と第1次分の配付件数を比較すると、8割強(第2次分14万7,657件÷第1次分17万8,172件)となっています。
なお、被災都道県は、岩手・宮城・福島の3県以外は、北海道、青森・山形・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川・新潟・長野各県と東京都の12都道県です。
義援金の配布状況は、
募金総額3189億円の中で、都道県への送金額が89.8%に当たる2862億円、この中で83.5%に当たる2390億円が市町村への送金額、更にこの中の76.6%の1830億円が被災者への配付額です。配付件数は659,701件となっています。
これを1次と2次に分けると、1次は、都道県への送金額が28.2%に当たる899億円、この中で98.6%に当たる886億円が市町村への送金額、更にこの中の86.5%の767億円が被災者への配付額です。配付件数は274,259件となっています。2次は、都道県への送金額が61.6%に当たる1963億円、この中で76.6%に当たる1503億円が市町村への送金額、更にこの中の70.7%の1063億円が被災者への配付額です。配付件数は385,442件となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nbrz.html
2011/08/30(火) 14:21
日本薬剤師会は、8月25日の記者会見で東日本大震災に関する「会員薬局の被災状況及び業務再開状況」を発表しました。
発表内容は次の通りです。なお、薬局数は平成21年度末現在の薬事関係業態数調で、被災の「日薬調べ」は日薬会員被災状況報告に基づき、被災状況からカウントしています。一部床上浸水等は含んでいません。また、福島県の警戒区域及び緊急時避難準備区域の被災状況は不明。宮城県の被災薬局数と再開見込み数は数字の元となる調査・資料が異なります。
岩手県:薬局数584、被災薬局数54(岩手県薬調べ)、再開見込み数=業務再開36・営業予定不明11・閉局9・新規開設4(岩手県薬調べ)、新規会営薬局等=協同組合宮古ファーマシー田老調剤薬局-田老仮設診療所、協同組合宮古ファーマシー山田調剤薬局-県立山田病院仮設診療所、協同組合気仙沼ファーマシー気仙沼中央薬局高田店-県立高田病院仮設診療所
宮城県:薬局数1,097、被災薬局数127(日薬調べ)、再開見込み数106(宮城県資料=再建経費補助対象薬局数より)、新規会営薬局等:社団法人宮城県薬剤師会会営女川薬局(仮)-女川町立女川病院、社団法人宮城県薬剤師会会営志津川薬局-公立南三陸診療所
福島県:薬局数874、被災薬局数34(日薬調べ)、再開見込み数不明、新規会営薬局等は予定なし
http://www.nichiyaku.or.jp/
2011/08/29(月) 15:02
厚生労働省は、8月26日、「平成22年度医療費の動向」を発表しました。
医療費の動向調査は、審査支払機関(診療報酬支払基金及び国民健康保険連合会)において審査された診療報酬明細書等を取りまとめた統計です。そのため、東日本大震災において、自衛隊の医療班や国内、国外から派遣された医療支援チーム等が行った医療で診療報酬請求が行われていないものについては統計に含まれません。
また、被災医療機関が東日本大震災により診療録等を滅失又は棄損した場合、及び地震発生直後における診療行為については十分に把握することが困難である場合に、概算請求を行った医療費等、並びに被保険者証の提示なく実施した医療で保険者が不明となっている医療費等についても統計に含まれていません。
調査結果のポイントは次の通りです。
○ 平成22年度の医療費は、前年度に比べて約1.4兆円増加し、過去最高の36.6兆円となった。医療費の増加は8年連続。
○ 医療費の伸び率(対前年度比)は3.9%(稼働日数補正後3.6%)で、診療報酬改定(+0.19%)の影響を除去してみると、概ね従来と同水準(3%台)。
○ 受診延日数総計(延患者数に相当)の伸び率は0.1%(入院0.7%、入院外▲0.0%、歯科▲0.1%)、1日当たり医療費の伸びは3.8%となっている。
受診延日数は、近年、減少傾向にあったが6年ぶりに増加に転じた。1日当たり医療費は、診療報酬改定(+0.19%)の影響を除いても3%台の増加を示しており、医療費総額の増加につながっている。
○ 医療費を診療種類別にみると、入院14.9兆円で全体の41%、入院外+調剤19.0兆円で全体の52%、歯科2.6兆円で全体の7%となっている。
それぞれの伸び率は、入院6.2%、入院外+調剤2.4%、歯科1.8%で、入院の伸びが高くなっている。
なお、診療種類別の概算医療費を詳細に見ますと、
総計は36.6兆円で、その中で診療費は合計30.5兆円(全体の83.2%)、調剤6.1兆円(16.6%)。診療費の内訳は医科の入院が14.9兆円(40.7%)、入院外が13.0兆円(35.4%)、歯科が2.6兆円(7.1%)です。医科の入院外+調剤は19.0兆円(52.0%)となっています。平成21年度比増加は総計が1.37兆円、診療費合計が1.15兆円、医科入院が0.87兆円、医科入院外が0.23兆円、歯科が0.04兆円、調剤が0.21兆円、入院外+調剤が0.44兆円です。
また、医療費の伸び率(対前年度比)は、総計3.9%、診療費合計3.9%、医科入院6.2%、入院外1.8%、歯科1.8%、調剤3.6%、入院外+調剤2.4%となっています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/10/index.html
2011/08/29(月) 12:06
大阪府薬事審議会(会長:馬場明道兵庫医療大学副学長)は、8月24日、「大阪府における登録販売者の資質向上対策等」について、橋下徹知事に答申しました。
一般用医薬品の販売において、リスクの程度に応じて専門家(薬剤師、登録販売者)が、適切な情報提供等を行う制度を構築するため、平成21年6月に改正薬事法が全面施行されています。その適切な情報提供や相談対応を行うためには、一般用医薬品販売の新たな専門家となった登録販売者についても、日進月歩の医薬品に対する継続的な研修が不可欠ですが、現在、統一した研修体制は確立されていません。
平成21年度に厚生労働省が行った一般用医薬品販売制度定着状況調査では、一部の薬局・薬店において、専門家による適切な情報提供がなかったという結果も出ており、このような状況が続くと一般用医薬品の不適正な使用による府民への健康被害の発生も懸念されます。
そのため、登録販売者の登録権限を持つ大阪府としても、府民の健康を守るため、登録販売者の資質向上等を図るべく、研修体制の構築や資質が不足した登録販売者への対応などの総合的な対策が必要、として、本年1月26日の薬事審議会に対策等を諮問しました。
審議会では登録販売者資質向上対策等専門委員会を設置して検討を重ね、その結果を審議会として知事に答申したものです。このような形で登録販売者の資質向上対策等をまとめたのは全国でも初めてと思われます。
答申は、第一「はじめに」、第二「現状」、第三「基本的な考え方」、第四「目指す方向」、第五「おわりに」で構成されていますが、第四「目指す方向」は次の通りです。
第四 目指す方向
「第三 基本的な考え方」を踏まえて、各関係者が取り組むべき方向性」
【購入者への情報提供、相談対応について】
○ 登録販売者は、購入者への情報提供、相談対応が適切に実施できるよう、自己学習や研修会への参加を通して、自己研鑽に努め、自己の資質向上を図るべき。
○ 行政は、医薬品の適正使用のために、府民(購入者)へ、正しい知識を身に付けてもらえるよう、医薬品の正しい使い方など必要な啓発を行うことが重要。
【研修体制のあり方について】
○ 登録販売者は、医薬品の最新の知識や副作用情報等を自己学習や関係団体等の実施する研修会へ参加することで身に付けるべきである。
○ 薬局開設者及び医薬品販売業者は、登録販売者に対する研修を確実に実施していくために、業務指針や手順書に実施体制について盛り込む必要がある。実施体制には、研修の実施、研修の内容、研修の方法、研修計画、研修記録などの詳細を盛り込むことが望ましい。
○ 関係団体の研修に当たって、医薬品に対する知識の豊富な薬剤師が講師となることも重要であり、薬剤師会と連携することが望ましい。さらに、研修内容が妥当なものであるかどうか、行政が実施する講習会や関係団体が実施する研修会の具体的方針や具体的内容について、大阪府、保健所設置市、関係団体、有識者等からなる検討会を立ち上げて議論していくべき。
○ 行政は、講習会や立入検査の機会を通して、薬局開設者及び医薬品販売業者に対して、登録販売者への研修の実施あるいは外部の研修等を受講させるよう指導していく必要がある。
【資質が不足した登録販売者について】
○ 薬局開設者及び医薬品販売業者は、資質が不足していると思われる登録販売者については、一旦、一般用医薬品の販売に従事させないなどの措置を取り、通常の研修に加えて、別途、研修計画を策定、実行するなどの対応が必要。
○ 大阪府は、厚生労働省に対して、登録販売者の販売従事登録の消除の規定の運用の明確化や再教育研修などの必要な制度の制定を要望するとともに、府としての取扱いも検討していくべき。
2011/08/25(木) 16:44
日本薬剤師会は、埼玉県越谷市で開設する薬局の開設者が業務上過失傷害の疑いで、また薬局の管理薬剤師が業務上過失致死の疑いで書類送検されたことについて、8月22日、見解を表明しました。内容は次の通りです。
埼玉県で発生した調剤事故による死亡事例について
平成23年8月19日、埼玉県警札本部は記者会見を行い、埼玉県越谷市で開設する薬局の開設者を業務上過失傷害の疑いで、管理薬剤師を業務上過失致死の疑いで書類送検したことを公表しました。
誤調剤の詳細については明らかになってはおりませんが、新聞報道によると、死亡した患者は10年前から脳梗塞の後遺症を持つ75歳(当時)の女性患者で、当該薬局で調剤を受けた際、本来ならば胃酸中和剤が投薬されるべきところを誤ってコリンエステラーゼ阻害剤が投薬され、それを服用した結果、昨年4月7日に薬物中毒により死亡したとのことです。
調剤過誤の事実が判明した直接のきっかけは、当該患者が亡くなる直前、体調不良を訴えて医療機関を受診した際に、投薬された医薬品が間違っていることに気付いたことによりますが、当該薬局では4月1日に調剤過誤に気付きながらも、管理薬剤師は患者への服薬中止の指示や、調剤薬の回収をするなどの安全対策を講じず、放置していたことが判明しています。また、当該薬局の開設者は埼玉県薬剤師会の前会長で、本年1月までは本会の理事も務めていた、指導的な立場にある薬剤師であります。
医師の処方に基づき薬剤師が調剤を行う医薬分業制度は、より安全・安心な薬物治療を提供する上で不可欠な仕組みとして、欧米はもとより我が国でも広く普及しているシステムです。しかしながら、薬剤師が誤りを認識しながら、適切な対応を取らなくては、患者の安全確保は望むべくもありません。これは、医薬分業の理念の根幹を揺るがす問題であります。
処方せん調剤にあたっては、万が一にも調剤過誤を起こさぬよう、細心の注意を払い、薬剤師が相互に点検・確認をしながら正確に業務を進めることが求められており、日本薬剤師会では医薬品に関わる過誤・事故を防ぐため、マニュアル等を作成し、広く会員への注意喚起を繰り返し行ってきました。しかしながら、今回の事例は国民・患者からの医薬分業や薬剤師に対する信頼を大きく損なう行為であるとともに、会員への周知策がなお十分でない証左として、極めて遺憾であり重大に受け止めています。
本会では、亡くなられた患者さんに対しまして心よりご冥福をお祈りしますと同時に、今回発生した事例を真摯に受け止め、二度とこうした事態を惹起せぬよう、調剤過誤防止に向けた会員への指導並びに周知を一層強化する所存です。
2011/08/24(水) 16:58
厚生労働省は、8月23日、「平成23年版厚生労働白書」を公表しました。
正式には、「平成22年度厚生労働行政年次報告」で、23日の閣議で報告されました。
「厚生労働白書」は、厚生労働行政の現状や今後の見通しなどを、広く国民に伝えることを目的に毎年取りまとめられており、平成23年版は昭和31年(1956年)の「厚生白書」発刊から54冊目となります。
毎年テーマを決めて執筆する第1部では、「社会保障の検証と展望~国民皆保険・皆年金制度実現から半世紀~」と銘打ち、社会保障制度がこれまで果たしてきた役割を、その背景となる社会経済事情とともに検証し、制度の今後のあるべき姿について展望しました。
また、第2部「現下の政策課題への対応」では、平成23年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災に対する厚生労働省の対応状況を特集として冒頭に取り上げたほか、子育て、雇用、年金、医療、介護など、各厚生労働行政分野における最近の施策を動きをまとめています。
第1部のあらましは次の通りです。
○ 国民皆保険・皆年金を達成する昭和36年(1961年)前後から現在に至るまでの、人口、雇用をめぐる情勢、経済状況などの時代背景について分析。同時に、第2次世界大戦前後から社会保険制度がどのように発展し、見直されてきたかを振り返り、その成果を「社会保障を取り巻く環境の変化への対応」「保険料や公費の負担」などの4つの視点から検証した。
○ 今後の社会保障制度のあるべき姿として、以下に揚げる事項が必要と分析した。
・ 子育て支援など、現役世代を中心とする新たな社会保障ニーズへの対応。
・ 高齢化や貧困、自殺など、複雑化・複合化する問題に対応した個別的・包括的な支援と、全ての人の社会参加を目指す「参加型社会保障」の考え方が今後の支援の基本。
・ 給付の重点化、制度運営の効率化と安定的財産の確保。
・ 機能強化を確実に実施し、持続可能性を確保するための、制度全般にわたる改革の実行。
○ 社会保障改革の実現のためには、立場を超えた幅広い議論の上に立った国民の理解と協力が必要。本書が国民的な議論の基礎資料として活用されることを期待している。
なお、「平成23年度厚生労働白書」は、厚生労働省ホームページの「統計情報・白書」のページからダウンロードできるほか、全国のすぇ畏怖刊行物サービスセンターで購入できます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001mo9g.html
2011/08/24(水) 09:58
厚生労働省は、8月19日、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」交付事業(第2次)の採択結果を発表しました。
本特例交付金は、高病原性インフルエンザ発生時に、必要なワクチンを国内で生産供給するための基盤整備事業として、平成21年度補正予算において基金事業として設置されたもので、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」の第2次交付事業(細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業)について、4事業者が応募した事業を採択しました。4事業者は(1)一般社団法人化学及血清療法研究所、(2)北里第一三共ワクチン株式会社、(3)武田薬品工業株式会社、(4)一般財団法人阪大微生物病研究会で、採択結果は次の通りです。
1.事業について
○「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」の第2次交付の対象事業は、「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」です。
○平成24年度までに、ワクチン生産のための実生産施設の構築・治験の実施等を行い、平成25年度の実用化を目指すものです。
2.評価について
○応募事業者から提出された事業計画は、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業評価委員会(第2次事業)において、①専門的・学術的観点、②事業継続の観点から、評価がされました。
○この結果を勘案の上、厚生労働大臣は、③行政的観点を含めた総合的な評価を行い、最終的な事業の採択を行ったものです。
3.選定について
○第2次分の事業には、6事業者から応募があり、2.に記載する評価の結果、4事業者の事業を採択しました。
4.今後の予定について
○本結果を踏まえて、一般社団法人未承認薬等開発支援センターが交付決定額を評価の上、採択された事業者に助成金を交付していく予定です。
なお、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備」は、全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能な体制を平成25年度中を目途に構築することを目標としており、○細胞培養法を開発することにより、現在の鶏卵培養法では1年半~2年を要する全国民分のワクチン生産期間を約半年に短縮、○第2次事業は、細胞培養での生産を実際に行うため、平成24年度中に実生産施設の構築・臨床試験等を実施し、平成25年度の実用化を目指すものです。
採択事業者への基準額及びワクチン生産量は、化学及血清療法研究所:23,983,523千円、4000万人分以上、北里第一三共ワクチン:29,959,000千円、4000万人分以上、武田薬品工業:23,983,523千円、2500万人分以上、阪大微生物病研究会:23,983,523千円、2500万人分以上で、第2次分での配分可能額の合計は101,909,570千円です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001miil.html
2011/08/22(月) 15:34