24年度医療に関する税制改正で要望 日本医師会
日本医師会は、国の政策やさまざまな問題・事象に対する見解や、新たな行動指針・活動計画・成果報告などを紹介するため、役員が報道各社に対して定例記者会見を行っており、ホームページで会見の内容や提出した資料を紹介していますが、8月24日の記者会見では、平成24年度医療に関する税制改正要望を発表しています。
要望では、
少子・高齢化の進展に伴い、医療・介護・福祉の充実は、国民の要望でありますが、医師の不足や偏在による地域医療崩壊が懸念される中で、その必要性も一層強いものになっています。
しかし、医療や介護の提供は、医療環境の厳しさが増すなかで、自助努力にもかかわらず、医業経営は年々厳しさが増しております。
国民が文化的で健康な生活を維持するために、質の高い医療や介護を安心して受けることができる医療提供体制の整備や、健康管理・予防面についての環境づくりなどが求められています。そのためには、医療や介護を担う病院・診療所等が医業経営の安定を図り、業務や設備施設の一層の合理化、近代化を進め、医療関係職員の確保・育成など、確固とした経営基盤を整え継続できるものとする必要があります。
このため、法整備を含めて、現在の医業経営の健全化のため、さらに進んで医業経営の長期安定、再生産可能とするための新しい医業の構築を図り、医師をはじめ医療従事者の自発的努力が一層発揮できるよう、また、国民の健康管理・予防などのため、税制面において思い切った改革が平成24年度に行われるよう強く要望します。
として、「医業経営」「医療法改正に伴う経過措置」「勤務環境」「患者健康予防」「少子化」「社会医療法人」「医療施設・設備」「その他」の項目について要望しています。
主な内容は次の通りです。
○ 医業経営
・ 消費税対策:①社会保険診療報酬等に対する消費税の非課税制度を、仕入税額控 除が可能な課税制度に改め、かつ患者負担を増やさない制度に改善。②上記課税制度に改めるまでの緊急措置として、設備投資に係る仕入税額控除の特例措置創設。
・ 社会保険診療報酬等に対する事業税非課税存続。
・ 医療法人の事業税について特別法人としての税率課税存続。
○ 医療法改正に伴う経過措置
・ 医業承継時の相続税・贈与税制度の改善
・ 新たな医療法人制度において、旧医療法に定められた持分の定めのある社団医療法人(経過措置型医療法人)が新たな医療法人に移行する際に、移行が新医療法の理念に沿っていることに鑑み、医療法人・出資者等に課税が生じないよう必要な措置を講ずること。
○ 勤務環境
・ 事業所内託児所の固定資産税等軽減。
・ 勤務医師に対する所得税軽減。
・ 「地域枠」における医学生支援等地域医療確保のための医学生修学金等の返還免除について、給与所得として課税されないよう必要な措置を講ずること。
・ 5疾病5事業に係る医療機関が勤務医療従事者の短時間正規雇用を導入した場合の当該医療機関に対する税制措置。
○ 患者健康予防
・ がん検診・予防接種への医療費控除適用。
・ たばこ税の税率引き上げ。