平成22年度医療費の動向を発表 厚生労働省
厚生労働省は、8月26日、「平成22年度医療費の動向」を発表しました。
医療費の動向調査は、審査支払機関(診療報酬支払基金及び国民健康保険連合会)において審査された診療報酬明細書等を取りまとめた統計です。そのため、東日本大震災において、自衛隊の医療班や国内、国外から派遣された医療支援チーム等が行った医療で診療報酬請求が行われていないものについては統計に含まれません。
また、被災医療機関が東日本大震災により診療録等を滅失又は棄損した場合、及び地震発生直後における診療行為については十分に把握することが困難である場合に、概算請求を行った医療費等、並びに被保険者証の提示なく実施した医療で保険者が不明となっている医療費等についても統計に含まれていません。
調査結果のポイントは次の通りです。
○ 平成22年度の医療費は、前年度に比べて約1.4兆円増加し、過去最高の36.6兆円となった。医療費の増加は8年連続。
○ 医療費の伸び率(対前年度比)は3.9%(稼働日数補正後3.6%)で、診療報酬改定(+0.19%)の影響を除去してみると、概ね従来と同水準(3%台)。
○ 受診延日数総計(延患者数に相当)の伸び率は0.1%(入院0.7%、入院外▲0.0%、歯科▲0.1%)、1日当たり医療費の伸びは3.8%となっている。
受診延日数は、近年、減少傾向にあったが6年ぶりに増加に転じた。1日当たり医療費は、診療報酬改定(+0.19%)の影響を除いても3%台の増加を示しており、医療費総額の増加につながっている。
○ 医療費を診療種類別にみると、入院14.9兆円で全体の41%、入院外+調剤19.0兆円で全体の52%、歯科2.6兆円で全体の7%となっている。
それぞれの伸び率は、入院6.2%、入院外+調剤2.4%、歯科1.8%で、入院の伸びが高くなっている。
なお、診療種類別の概算医療費を詳細に見ますと、
総計は36.6兆円で、その中で診療費は合計30.5兆円(全体の83.2%)、調剤6.1兆円(16.6%)。診療費の内訳は医科の入院が14.9兆円(40.7%)、入院外が13.0兆円(35.4%)、歯科が2.6兆円(7.1%)です。医科の入院外+調剤は19.0兆円(52.0%)となっています。平成21年度比増加は総計が1.37兆円、診療費合計が1.15兆円、医科入院が0.87兆円、医科入院外が0.23兆円、歯科が0.04兆円、調剤が0.21兆円、入院外+調剤が0.44兆円です。
また、医療費の伸び率(対前年度比)は、総計3.9%、診療費合計3.9%、医科入院6.2%、入院外1.8%、歯科1.8%、調剤3.6%、入院外+調剤2.4%となっています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/10/index.html