厚生労働省は、1月19日、医薬・生活衛生局総務課長並びに医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長の連名で、都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部(局)長宛に、「偽造医薬品等の不適正な医薬品の流通防止の徹底」について通知しました。関係団体にも通知し会員への周知徹底を要請しています。
1月18日に開催された全国厚生労働関係部局長会議においても、偽造医薬品等の不適正な医薬品の流通防止に向けて協力を要請しましたが、特に対応が必要と考えられる点について、改めて管下の医療機関、薬局、医薬品販売業者、医薬品製造販売業者、医薬品製造業者に対する周知徹底を要請したものです。
記
1. 医薬品を譲り受ける際は、当該医薬品が本来の容器包装等に収められているかどうかその状態(未開封であること、添付文書が同梱されていること等を含む)を確認することに加え、譲渡人が必要な販売業許可等を有し、当該医薬品を適正な流通経路から入手していることを確認するなど、偽造医薬品等の混入を避けるため、必要な注意をすること。
2. 医薬品販売業者においては、譲渡人の本人確認を行い、名称等を記録するなど、平成29年10月5日付薬生発1005第1号医薬・生活衛生局長通知等に則り適正に対応すること。特に開封前の医薬品については、未開封であることを確認するとともに、開封した医薬品を譲り受ける場合には、開封した者の名称、住所等を確認すること。
3. 医薬品製造販売業者、医薬品製造業者においては、品質管理の徹底を行い、確実に封を行うこと。
4. 患者等に対し調剤した薬剤又は医薬品の販売等を行う際は、医薬品(その容器包装を含む)の状態を観察し、通常と異なると認められる場合は販売せず、異常のない医薬品を用いて改めて調剤するなど適切に対応すること。また、通常と異なると認められる医薬品については、所管の都道府県等に連絡すること。
2018/01/24(水) 12:19
奈良県は、1月18日、ジェネリック医薬品の使用促進を図るため、県民向け啓発ポスター(平成29年度版)及び医療従事者向けリーフレットを作成、発表しました。
県民向けジェネリック使用促進ポスターは、幅広い県民の後発医薬品に対する理解を深め、安心使用等の促進を図るために作成したもので、2種類のデザインを使用し、「ジェネリック医薬品を選んでいますか?」というタイトルで、「ジェネリック医薬品は、先発品と同じ有効成分で製造された医薬品です」と強調、ジェネリック医薬品を選ぶメリット(患者さんのお薬代を軽減、国の医療費を軽減)、安さの理由(開発費用が安い)を示し、処方を希望される方へ「かかりつけの医師・薬剤師へ相談を」と呼びかけ、「国民皆保険制度を維持するためにジェネリック医薬品を使用しましょう」と訴えています。
このポスターは、奈良県及び奈良県医師会・病院協会・歯科医師会・薬剤師会・病院薬剤師会・医薬品卸協同組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)奈良支部、奈良県国民健康保険団体連合会と奈良県後発医薬品安心使用促進協議会の連名で作成されています。
また、医療従事者向けリーフレットは、「後発医薬品を取り巻く現状~奈良県の現状と使用促進の取り組みについて~」として、奈良県の状況を示すとともに、差額通知、後発医薬品の品質情報について情報を提供しています。
なお、奈良県では薬務課facebookでも情報発信中です。「ならの薬務課facebook」
http://www.pref.nara.jp/item/191355.htm#itemid191355
2018/01/24(水) 12:12
大阪府警察本部府民安全対策課は、保険薬局を狙った強盗事件が発生したことから、<保険薬局事業者及び従業員の皆様へ>と題して、「防犯速報」(平成30年1月号)を発しました。昨年10月には「薬局を狙った窃盗事件」について防犯速報を出していますが、今回は強盗事件の発生を受けて防犯速報を出しました。
平成30年1月12日午後8時10分頃、大阪市内で保険薬局を狙った強盗事件が発生しました。
犯人は、無言のまま薬局事務員に果物ナイフを突きつけ、レジの上に置いてあった売上金を強取しました。
犯人は逃走中のため、各店舗において防犯体制の強化を要請しています。
防犯速報では犯人の特徴を示すとともに、防犯対策のポイントとして次の通り挙げています。
〇 現金管理の徹底
・金庫等を活用し、レジ周辺での多額の現金保管は避け、早期回収に努める。
〇 防犯設備の強化
・店舗出入口、通用口、事務所には、防犯カメラやセンサーライト等を設置する。
・異常事態の発生に備え、警備会社に異常を知らせる機械警備システムを導入する。
〇 店舗内外の警戒強化と不審者(車)を発見した場合の早期通報
・不審者を早期発見するため、常に店舗内外の警戒に努める。
・店舗周辺において、目出し帽、マスクなどで覆面する等、不審人物や車両を発見した場合、迅速に通報する。
http://www2.osaka-fuyaku.jp/upload/fuyakuhp/20180116keisatsu.pdf
2018/01/17(水) 14:35
公益財団法人日本医療機能評価機構は、1月15日、医療事故情報収集等事業
医療安全情報NO.134「清潔野における消毒剤の誤った投与」を提供しました。
これは、手術・処置時の清潔野に薬剤が入った容器が複数置いてあり、誤って消毒剤を注射器に吸って投与した事例が4件報告されています(集計期間:2014年1月1日~2017年11月30日)。この情報は、分析テーマ「清潔野において容器に入った薬剤を誤って使用した事例」(第49回報告書)で取り上げた内容をもとに作成しました。
https://jcqhc.or.jp/
2018/01/16(火) 17:36
厚生労働省は、1月12日、中央社会保険医療協議会に平成30年度診療報酬改定について諮問しました。
平成30年度の診療報酬改定については、12月18日の予算大臣折衝を踏まえ、以下の通りとなっています。
1. 診療報酬本体 +0.55%
各科改定率 医科 +0.63%
歯科 +0.69%
調剤 +0.19%
2. 薬価等
①
薬価 ▲1.65%
※うち、実勢価等改定 ▲1.36%
薬価制度の抜本改革 ▲0.29%
②
材料価格 ▲0.09%
なお、上記のほか、いわゆる大型門前薬局に対する評価の適正化の措置を講ずる。
<平成30年度診療報酬体系の基本方針>
1. 改定に当たっての基本認識
〇人生100年時代を見据えた社会の実現
○どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)
○制度の安定性・持続可能性の確保と医療・介護現場の新たな働き方の推進
2.改定の具体的方向性
(1)地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進(重点課題)
〇地域包括ケアシステム構築のための取組の強化
〇かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価
〇医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価
〇外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進
〇質の高い在宅医療・訪問看護の確保
〇国民の希望に応じた看取りの推進
(2)新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実
〇重点的な対応が求められる医療分野の充実
〇ICT等の将来の医療の担う新たな技術の着実な導入、データの収集・利活用の推進
〇アウトカムに着目した評価の推進
(3)医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進
〇チーム医療等の推進(業務の共同化、移管等)等の勤務環境の改善
〇業務の効率化・合理化
〇ICT等の将来の医療を担う新たな技術の着実な導入
〇地域包括ケアシステム構築のための多職種連携による取組の強化
〇外来医療の機能分化
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
〇薬価制度の抜本改革の推進
〇後発医薬品の使用促進
〇医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価
〇外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進
〇費用対効果の評価
〇医薬品の適正使用の推進
〇効率性等に応じた薬局の評価の推進
〇医薬品、医療機器、検査等の適正な評価
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189201.html
2018/01/15(月) 16:57
厚生労働省は、2月11日14:00~17:25に、大分県別府市・別府国際コンベンションセンターでワンヘルスに関する連携シンポジウムを開催します。
感染症の分野において、動物から人へ伝播する感染症(動物由来感染症)は、ヒトにおける感染症のうち半数以上を占めると推定されています。
動物由来感染症対策には、医療、獣医療などの関係者が分野横断的に連携する「ワンヘルス・アプローチ」の取組が重要であるとの認識が世界的に高まっています。
こうした観点から、医療・獣医療の各分野の最新の知見、取組みを紹介し、医療・獣医療等の動物由来感染症対策に関わる分野の方々をはじめ、国民に対して、動物由来感染症対策の重要性について、広く普及・啓発するとともに、分野間の連携を推進するために、平成27年度から、厚生労働省主催、日本医師会及び日本獣医師会共催で公開シンポジウムを開催しています。
参加費は無料で、参加申し込みはWebから、またはリーフレット裏面にある参加申込書に必要事項を記載の上、FAXにて。(https://www.p-unique.co.jp/onehealthsympo/)
問い合わせはワンヘルスシンポジウム事務局(株式会社プロセスユニーク内、TEL:03-6264-6438、FAX:03-6264-6445)へ。
<ワンヘルスに関する連携シンポジウム-人と動物の共通感染症->
【基調講演】
「動物由来感染症における最近の動向と対策」:厚生労働省健康局結核感染症課
【講演】
第1部:ダニ媒介感染症の現状と課題
ア ダニ媒介脳炎ウイルス(TBEV)への取組み
「日本におけるダニ媒介脳炎の現状と課題」:北海道大学大学院獣医学研究院准教授好井健太朗
「当院でのダニ媒介脳炎の臨床、病理学的所見」:市立札幌病院神経内科部長田島康敬
イ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のその後
「SFTSウイルスに関する最近の知見」:山口大学共同獣医学部教授前田健
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の疫学的、臨床的、病理学的知見」:国立感染症研究所ウイルス第一部部長西條政幸
第2部:コリネバクテリウム・ウルセランス感染症の現状と課題
「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症-ジフテリア類似の人獣共通感染症-」:国立感染症研究所細菌第二部主任研究官岩城正昭
「国内初のCorynebacterium ulcerans感染による死亡例を経験して」:産業医科大学病院集中治療部修練指導医尾辻健
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190453.html
2018/01/11(木) 16:03
厚生労働省は、1月9日、「あなたの栄養と食生活のアドバイザー 管理栄養士を知っていますか?」(報告書)を公表しました。
栄養面からの支援の役割が期待される職能団体である都道府県栄養士会の取組について、管理栄養士が「あなたの栄養と食生活のアドバイザー」として活動している現場を訪ね、その状況を報告書に取りまとめ、公表したものです。
わが国においては、高齢化や生活習慣病などの発症により在宅の要介護高齢者や療養者が増えていることから、食生活の改善や介護食・療養食の適切な提供のためのサポートが求められています。こうした背景を受け、これまでに栄養ケア活動支援事業(平成24年度から開始された厚生労働省の補助事業)を活用した都道府県栄養士会(15都道府県)の中から茨城県・新潟県・京都府・兵庫県を訪ね、地域における特徴的な栄養ケア活動について調査を行いました。
厚生労働省は、今回の報告書などを通じ、管理栄養士の役割について広く国民に周知し、地域における栄養ケア活動の一層の推進を図っていきます。
【報告書のポイント】
1 生活習慣病などの発症予防のための相談者の暮らし方に沿った栄養相談
(1) 相談者が食習慣の偏りなどに自ら気づく機会を提供
(2) 食品を「食べ替える」など、楽しみながらできる小さな目標から開始
2 管理栄養士による在宅の要介護高齢者・療養者と家族まで含めた丁寧な訪問栄養食事指導
(1) 療養者ごとの病態や体力などの変化に応じた療養食の見直し
(2) 心身の疲労が積み重なる介護家族への支援(指導)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189677.html
2018/01/09(火) 15:12
厚生労働省は、12月28日、「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」において取りまとめられた「最終とりまとめ」を公表しました。
平成29年1月、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が流通し、奈良県内の薬局から患者へ調剤された事案が発覚し、同年3月に「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」(座長:赤池昭紀京都大学名誉教授)が設置され、6月に、医療用医薬品を念頭に偽造品流通の再発防止の観点から直ちに対応すべき具体的な対応を中心に中間とりまとめを行いました。
中間とりまとめを踏まえた具体的対応としては、1.「秘密厳守」の取引の根絶、2.開放した医薬品の販売・授与のルールの明確化、3.品質に疑念のある医薬品を発見した時のルールの明確化、4.その他((1)封の見直し、(2)都道府県が実施する薬事監視の充実・強化、(3)インターネット販売への監視強化、個人輸入手続の厳格な運用、(4)通報窓口の活用等による健康被害に係る情報収集、国民への情報提供及び啓発、(5)卸売販売業者や薬局の関係者への情報提供及び啓発、(6)医療機関への情報提供)が示されました。
10月以降の検討会では、中間とりまとめにおいて今後更に関係者の間でより丁寧な検討を行った上で対応が必要とされ、5つの検討事項について、偽造品流通の再発防止の観点から進むべき方向性を取りまとめました。
1. 流通過程における品質の確保等に向けた取組
2. 規制の法令上の位置付けのあり方
(1) 卸売販売業者の業務を行う体制に関する検討
(2) 他の薬局への医薬品の販売・授与を業務の中心とする薬局の業態の位置付けに関する検討
(3) 薬局開設者や管理薬剤師の責任や責務等の在り方に関する検討
3. 封緘方法等に係る適切な情報共有に関するルール作りに向けた取組
4. 一連のサプライチェーンにおける共通ルールの策定に向けた取組
5. 情報システムの整備に向けた取組
そして、「最終とりまとめに記載した取組は、医療用医薬品を念頭に置いているが、要指導医薬品や一般用医薬品においても、偽造品が発生することが否定できないことに留意し、必要な取組を検討するべきである」とし、監視指導体制の強化を求める一方、「今回の事案では、医薬品流通や調剤・交付等に関わる者において、流通改定で偽造品が混入することに対する意識が低かったことは否定できない」、そして「今後も、消費者がインターネットを介して購入する際に偽造医薬品が混入する懸念がある」として、現場で医薬品の流通等に携わる者も含め、関係者は医薬品の流通経路に偽造医薬品が混入するおそれがあることを常に認識し、意識を高く持ち、必要な注意を払うことが求められることを指摘。併せて、一般国民も、海外から医薬品等を購入する場合には、偽造医薬品が混入するリスクやそれを服用することによるリスクを十分理解する必要があることを指摘しています。
そして、「今般の偽造品事案も契機にして、医薬品の品質確保が薬剤師の基本的な使命の一つとであるという原点に立ち返り、医薬品の流通や調剤・交付等に関わる全員が、それぞれの果たすべき役割に、決意を持って取り組むこと」への期待を表明しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189913.html
2018/01/04(木) 17:20