厚生労働省は、9月28日、平成26年度国民医療費の概況を公表しました。
1 国民医療費の状況
平成26年度の国民医療費は40兆8,071億円、前年度の40兆610億円に比べ7,461億円、1.9%の増加となっている。
人口一人当たりの国民医療費は32万1,100円、前年度の31万4,700円に比べ6,400円、2.0%の増加となっている。
国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.33%(前年度8.30%)、国民所得(NI)に対する比率は11.20%(同11.16%)となっている。
2 制度区分別国民医療費
制度区分別にみると、公費負担医療給付分は3兆390億円(構成割合7.4%)、医療保険等給付分は19兆1,253億円(同46.9%)、後期高齢者医療給付分は13兆3,900億円(同32.8%)、患者等負担分は5兆659億円(同12.4%)となっている。
対前年度増減率をみると、公費負担医療給付分は2.0%の増加、医療保険等給付分は1.7%の増加、後期高齢者医療給付分は2.4%の増加、患者等負担分は1.5%の増加となっている。
3 財源別国民医療費
財源別にみると、公費は15兆8,525億円(構成割合38.8%)、そのうち国庫は10兆5,369億円(同25.8%)、地方は5兆3,157億円(同13.0%)となっている。保険料は19兆8,740億円(同48.7%)、そのうち事業主は8兆3,292億円(同20.4%)、被保険者は11兆5,448億円(同28.3%)となっている。また、その他は5兆806億円(同12.5%)、そのうち患者負担は4兆7,792億円(同11.7%)となっている。
4 診療種類別国民医療費
診療種類別にみると、医科診療医療費は29兆2,506億円(構成割合71.7%)、そのうち入院医療費は15兆2,641億円(同37.4%)、入院外医療費は13兆9,865億円(同34.3%)となっている。また、歯科診療医療費は2兆7,900億円(同6.8%)、薬局調剤医療費は7兆2,846億円(同17.9%)、入院時食事・生活医療費は8,021億円(同2.0%)、訪問看護医療費は1,256億円(同0.3%)、療養費等は5,543億円(同1.4%)となっている。
対前年度増減率をみると、医科診療医療費は1.8%の増加、歯科診療医療費は1.9%の増加、薬局調剤医療費は2.4%の増加となっている。
5 年齢階級別国民医療費
年齢階級別にみると、0~14歳は2兆4,829億円(構成割合6.1%)、15~44歳は5兆2,244億円(同12.8%)、45~64歳は9兆1,932億円(同22.5%)、65歳以上は23兆9,066億円(同58.6%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は17万9,600億円、65歳以上は72万4,400円となっている。そのうち医科診療医療費では、65歳未満が12万3,000円、65歳以上が53万5,700円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が1万8,300円、65歳以上が3万2,500円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が3万2,600円、65歳以上が12万7,700円となっている。
また、年齢階級別国民医療費を性別にみると、0~14歳の男は1兆3,676億円(構成割合7.0%)、女は1兆1,153億円(同5.3%)、15~44歳の男は2兆3,582億円(同12.0%)、女は2兆8,662億円(同13.5%)、45~64歳の男は4兆9,030億円(同25.0%)、女は4兆2,902億円(同20.3%)、65歳以上の男は11兆157億円(同56.1%)、女は12兆8,909億円(同60.9%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満の男は18万1,400円、女は17万7,900円、65歳以上の男は77万4,300円、女は68万6,700円となっている。
6 傷病分類別医科診療医療費
医科診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」5兆8,892億円(構成割合20.1%)が最も多く、次いで「新生物」3兆9,637億円(同13.6%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」2兆2,847億円(同7.8%)、「呼吸器系の疾患」2兆1,772億円(同7.4%)、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」2兆1,667億円(同7.4%)となっている。
年齢階級別にみると、65歳未満では「新生物」1兆4,992億円(同13.0%)、が最も多く、65歳以上では「循環器系の疾患」4兆5,829億円(同25.9%)が最も多くなっている。
また、性別にみると、男では「循環器系疾患」(同21.4%)、「新生物」(同15.0%)、「腎尿路生殖器系の疾患」(同8.3%)が多く、女では「循環器系の疾患」(同18.9%)、「新生物」(同12.2%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(同10.0%)が多くなっている。
7 都道府県別国民医療費
都道府県(患者住所地)別にみると、東京都が3兆9,679億円と最も高く、次いで大阪府が3兆744億円、神奈川県が2兆5,989億円となっている。また、鳥取県が1,945億円と最も低く、次いで島根県が2,548億円、福井県が2,568億円となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、高知県が42万1,700円と最も高く、次いで長崎県が39万6,600円、鹿児島県が39万600円となっている。また、埼玉県が27万8,100円と最も低く、次いで千葉県が27万9,700円、神奈川県が28万5,700円となっている。
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