臓器移植の実施状況等で報告書 厚生労働省が公表
厚生労働省は、10月29日、「臓器移植の実施状況等に関する報告書」について公表しました。同日、参議院厚生労働委員会において、田村厚生労働大臣から報告を行いました。
この報告書は、臓器移植法制定時(平成9年)の参議院臓器の移植に関する特別委員会における附帯決議に基づき、毎年、厚生労働省において作成し、参議院厚生労働委員長宛に提出するとともに、委員会においてその概要を厚生労働大臣から報告しているものです。
報告書の主な内容は次の通りです。
第1 臓器移植の実施状況
◇ 移植希望登録者数
移植希望登録者数は、平成25年9月30日現在、全国で、心臓271名、肺215名、心肺同時(心臓と肺を同時に移植)5名、肝臓375名、腎臓12,316名、肝腎同時(肝臓と腎臓を同時に移植)12名、膵臓42名、膵腎同時移植(膵臓と腎臓を同時に移植)149名、小腸2名となっており、眼球(角膜)の移植希望登録者数は、平成25年8月31日現在、全国で2,198名となっている。
◇ 移植実施数等
臓器の移植に関する法律(以下臓器移植法)に基づき、平成24年度には、45名の者が脳死と判定されており、また、臓器移植の実施数等は下記の通りとなっている。括弧内は平成9年10月16日(臓器移植法施行日)から平成25年9月30日(眼球については8月31日)までの間の累計である。また、平成9年10月16日から平成25年9月30日までの間に、臓器移植法に基づき238名の者が脳死と判定されている。
心臓:提供者数30名(175名)、うち脳死した者からの提供数30名(175名)。移植実施数30件(175件)、うち脳死した者の身体からの移植数30件(175件)
肺:提供者数31名(154名)、うち脳死した者からの提供数31名(154名)。移植実施数35件(184件)、うち脳死した者の身体からの移植数35件(184件)
肝臓:提供者数35名(188名)、うち脳死した者からの提供数35名(188名)。移植実施数38件(202件)、うち脳死した者の身体からの移植数38件(202件)
腎臓:提供者数97名(1,484名)、うち脳死した者からの提供数40名(220名)。移植実施数181件(2,744件)、うち脳死した者の身体からの移植数79件(430件)
膵臓:提供者数29名(172名)、うち脳死した者からの提供数29名(170名)。移植実施数29件(172件)、うち脳死した者の身体からの移植数29件(170件)
小腸:提供者数1名(13名)、うち脳死した者からの提供数1名(13名)。移植実施数1件(13件)、うち脳死した者の身体からの移植数1件(13件)
眼球(角膜):提供者数939名(15,299名)、うち脳死した者からの提供数16名(90名)。移植実施数1,456件(24,743件)、うち脳死した者の身体からの移植数26件(167件)
第2 移植結果
臓器移植法施行日以降実施された心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓及び小腸の移植に関する生存率(移植を受けた患者のうち、ある期間の後に生存している者の割合)及び生着率(移植術を受けた患者のうち、移植された臓器がある期間の後に免疫反応による拒絶反応や機能不全に陥ることなく体内で機能している者の割合)は以下の通りである。
心臓:生存率は1年96.6%、2年96.6%、3年95.6%、4年95.6%、5年94.1%。生着率は1年96.6%、2年96.6%、3年95.6%、4年95.6%、5年94.1%。
肺:生存率は1年83.9%、2年79.8%、3年78.7%、4年77.0%、5年72.4%。生着率は1年83.9%、2年79.8%、3年78.7%、4年77.0%、5年70.4%。
肝臓:生存率は1年84.7%、2年82.4%、3年82.4%、4年80.9%、5年80.9%。生着率は1年83.6%、2年81.4%、3年81.4%、4年79.9%、5年79.9%。
腎臓:生存率は1年96.2%、2年94.6%、3年93.2%、4年91.9%、5年90.9%。生着率は1年87.6%、2年84.1%、3年81.0%、4年77.9%、5年74.9%。
膵臓:生存率は1年95.1%、2年95.1%、3年95.1%、4年95.1%、5年95.1%。生着率は1年84.4%、2年83.6%、3年79.2%、4年77.6%、5年74.0%。
小腸:生存率は1年83.3%、2年64.3%、3年64.3%、4年64.3%、5年64.3%。生着率は1年83.3%、2年64.3%、3年64.3%、4年64.3%、5年64.3%。