厚生労働省は、11月24日、最近の調剤医療費(電算処理分)の動向として令和5年度7月分を公表しました。
(1) 令和5年度7月の調剤医療費(電算処理分)は6,869億円(伸び率:対前年度同期比+7.8%)で、処方箋1枚当たり調剤医療費は9,208円(伸び率+1.1%)であった。調剤医療費の内訳は、技術料が1,877億円(伸び率+6.2%)、薬剤料が4,978億円(伸び率+8.4%)、薬剤料のうち、後発医薬品が946億円(伸び率+4.8%)であった。
(2)
薬剤料の多くを占める内服薬の処方箋1枚当たり薬剤料5,308円(伸び率+1.7%)を、処方箋1枚当たり薬剤種類数、投薬日数、1種類1日当たり薬剤料の3要素に分解すると、各々2.77種類(伸び率+1.6%)、26.7日(伸び率▲3.9%)、72円(伸び率+4.1%)であった。
(3)
内服薬の薬剤料3,959億円(伸び幅:対前年度同期差+307億円)を薬効大分類別にみると、総額が最も高かったのは「その他の代謝性医薬品」の722億円(伸び幅+46億円)で、伸び幅が最も高かったのは「化学療法剤」の+239億円(総額362億円)であった。
(4)
処方箋1枚当たり調剤医療費を都道府県別にみると、全国では9,208円(伸び率+1.1%)で、最も高かったのは高知県11,132円(伸び率+1.2%)、最も低かったのは佐賀県8,112円(伸び率+4.6%)であった。また、伸び率が最も高かったのは熊本県(伸び率+4.9%)、最も低かったのは徳島県(伸び率▲2.6%)であった。
後発医薬品の使用状況については、後発医薬品割合は数量ベース(新指標)が84.4%(伸び幅+1.7%)、薬剤料ベースが19.0%(伸び幅▲0.6%)、後発品調剤率が80.3%(伸び幅+1.4%)であった。なお、数量ベース(旧指標)では59.8%(伸び幅+1.1%)であった。数量ベース(新指標)は、「後発医薬品の数量」/「後発医薬品のある先発医薬品の数量」+「後発医薬品の数量」で算出。
後発医薬品の都道府県別状況をみると、処方箋1枚当たり後発医薬品薬剤料は全国1,268円で、最高が北海道1,647円、最低が佐賀県1,080円、処方箋1枚当たり後発医薬品薬剤料の伸び率は全国▲1.7%で、最高が島根県+0.9%、最低が岡山県▲4.7%、新指標による後発医薬品割合(数量ベース)は全国84.4%で、最高が沖縄県90.6%、最低が徳島県80.8%、後発医薬品割合(薬剤料ベース)は全国19.0%で、最高が山形県21.7%、最低が京都府16.5%、後発医薬品調剤率は全国80.3%で、最高が沖縄県86.2%、最低が東京都76.4%、旧指標による後発医薬品割合(数量ベース)は全国59.8%で、最高が沖縄県67.2%、最低が東京都56.1 %となっている。
https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/c-med/2023/07/
2023/11/24(金) 17:28
厚生労働省は、11月24日、最近の医科医療費(電算処理分)の動向として令和5年度7月号を公表しました。
厚生労働省では、毎月、医科(入院・入院外)医療費の動向等を迅速に把握するため、電算処理分のレセプトを集計した「医科医療費(電算処理分)の動向」を公表していますが、このたび令和5年度7月分の集計結果がまとまったため公表したものです。
【調査結果のポイント】
(1) 令和5年度7月の医科医療費(電算処理分に限る)の伸び率(対前年度同期比)は+4.3%で、受診延日数の伸び率は+2.4%、1日当たり医療費の伸び率は1.8%であった。
(2)
制度別に医科医療費の伸び率をみると、被用者保険は+3.1%、国民健康保険は▲0.7%、後期高齢者医療制度は+7.8%、公費は+6.3%であった。
(3)
医療機関種類別に医科医療費の伸び率をみると、医科病院の大学病院は+9.4%、公的病院は+7.0%、法人病院は+4.2%で、医科病院において病床数200床未満は+3.9%、200床以上は+6.7%で、医科診療所は+0.5%であった。
(4)
都道府県別に医科医療費の伸び率をみると、沖縄県が+10.3%と最も大きく、佐賀県が+0.6%と最も小さかった。
(5)
年齢階級別(5歳階級)に医科医療費の伸び率をみると、75歳以上80歳未満が+11.2%と最も大きく、20歳以上25歳未満が▲7.2%と最も小さかった。
(6)
傷病分類別に前年度の医療費の割合が高かった傷病の医科医療費の伸び率をみると、循環器系の疾患が+3.8%、新生物が+6.8%、筋骨格系及び結合組織の疾患が+5.0%、腎尿路生殖系の疾患が+3.4%、損傷、中毒及びその他の外因の影響が+7.4%、呼吸器系の疾患が+17.8%であった。
(7)
診療内容別に前年度の医療費の割合が高かった診療内容の医科医療費の伸び率をみると、入院基本料、特定入院料等が+7.7%、DPC包括部分が+7.0%、薬剤料が+11.0%、検査・病理診断が▲3.6%、手術・麻酔が+6.1%であった。
https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/ika_iryou/2023/07/
2023/11/24(金) 17:27
厚生労働省は、11月17日、「新型コロナワクチンの購入に係る第一三共株式会社との合意」を発表しました。
厚生労働省は、第一三共から新型コロナワクチン(XBB.1.5対応型)を、薬事承認が得られた場合に140万回分購入することについて、同社と合意したものです。
これまで、国内企業による新型コロナワクチンの開発については、厚生労働省が実施するワクチン生産体制等緊急整備事業による支援のほか、政府全体で支援を行ってきましたが、この支援により、国内企業が開発した新型コロナワクチンの初の購入契約となります。
厚生労働省としては、今後の感染症危機を見据え、国産ワクチンの国内において開発・生産できる体制を確立するため、引き続き必要な支援を行います。
2023/11/17(金) 14:47
公益財団法人日本医療機能評価機構は、11月15日、医療事故情報収集等事業
医療安全情報No.204「人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側の回路接続間違い」を提供しました。
人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側を逆に接続した事例が報告されています。2019年1月1日~2023年9月30日に8件の事例が報告されています。この情報は、第72回報告書「再発・類似事例の分析」で取り上げた内容をもとに作成しました。
<人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側の回路接続間違い>
事例1:NICUで、臨床工学技士が人工呼吸器の回路を組み立て、看護師が人工呼吸器をベッドサイドに準備した。帝王切開で生まれた患児が入室後、医師は人工呼吸管理を開始した。翌日、一酸化窒素を投与したが、呼気中の一酸化窒素濃度が上昇せず、酸素化の改善を認めなかった。臨床工学技士確認し、吸気側と呼気側の回路が逆に接続されていることに気付いた。
事例2:患児は、人工呼吸管理中であった。人工呼吸器の加温加湿器の温度低下のアラームが鳴ったため確認したところ、口元の温度は34度を示していた。医師と看護師は、温度センサーを交換してみたが温度は上昇しなかった。臨床工学技士が確認したところ、吸気側と呼気側の回路が逆に接続されており、加温・加湿されていないことが分かった。
<事例が発生した医療機関の取り組み>
・人工呼吸器の回路の接続口に「吸気口」と「呼気口」のテープを貼る。
・人工呼吸器の回路を患者に接続する前に、吸気側と呼気側の回路をたどって正しく組み立てられていることを確認する。
https://jcqhc.or.jp/
2023/11/16(木) 15:56
大阪府及び大阪市は、11月9日、「おおさか依存症ポータルサイト」を開設しました。
大阪府及び大阪市では、依存症についての誤解や偏見がなくなり、依存症に悩む本人や家族等が適切な支援につながることができるよう、正しい知識の普及や理解の促進を図るとともに、府内の医療機関、相談機関、自助グループ・回復支援施設等の情報を発信していますが、このたび、依存症に関連する様々な情報を一元化した「おおさか依存症ポータルサイト」を開設したものです。
【主な内容】
〇依存症について:依存症についての正しい知識など
〇依存症相談の案内:大阪府・大阪市が実施する相談先の一覧、SNS相談やギャンブル等依存症簡易相談支援アプリの案内
〇医療機関・相談機関等検索:住まいの地域や依存症の種類、支援機関種別などで検索可能
〇普及・啓発関連:啓発動画やリーフレット、お酒の飲み方やギャンブル等依存症のスクリーニングテスト、著名人からの応援メッセージ(山口達也さん、桂雀々さん)など
〇新着情報(お知らせ、イベント、研修情報):依存症に関する研修や催し案内など
URL:http://www.oatis.jp/index.php
2023/11/09(木) 15:03
アステラス製薬は、11月1日、「グラセプターとタクロリムス普通製剤(後発医薬品含む)との取り違え」に関して注意喚起を発しました。
同社では、2020年10月に同社製品であるグラセプターカプセル(タクロリムス徐放性製剤)とプログラフ(タクロリムス普通製剤)の取り違えによる医療事故の防止を目的とし、「グラセプターとプログラフとの取り違え注意のお願い」を通じて注意喚起を実施しましたが、その後も国内において徐放性製剤と普通製剤を誤って処方・調剤した事例が引き続き報告されています。
これら新たに発生した取り違え事例の背景を確認したところ、処方医に切り換え意図がないにもかかわらず、調剤時における薬剤師の判断や患者本人からの後発医薬品への切り替え要望を契機に、グラセプターカプセルがタクロリムス普通製剤の後発品へ切り替えられた事例がありました。
また、移植患者において、グラセプターカプセルとタクロリムス普通製剤の取り違え後の拒絶反応が発現した事例も報告されています。
これらの状況を踏まえ、同社では、グラセプターカプセルを処方・調剤する際には、下記の内容を確認し、施設内でも周知するよう、また、後発医薬品への切り替え要望を受けた際には患者への指導も併せて要望しています。
■グラセプターカプセルはタクロリムス徐放性製剤であり、タクロリムス普通製剤(後発医薬品含む)とは製剤的特徴及び服薬後の体内動態が異なります。
■これらの薬剤が取り違えられて投与された場合、十分な薬効が得られないおそれ、あるいは副作用の発現につながるおそれがあります。
■2023年11月時点で、グラセプターカプセルの後発医薬品は販売されていません。
2023/11/01(水) 16:39